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【ほのぼのとした夏と】ファンタジーライフPart.5【平穏な日常】

1レクス◆L1x45m6BVM:2017/08/09(水)22:50:54 ID:Nn8()
ファンタジーな世界のとある町
様々な種族が暮らす町では、毎日色んな出来事が起きています
喧嘩をしたり、一緒に遊んだり、意見の交換をしあったり
もちろんみんな仲良くなどとはいかないでしょうが、穏やかな日々が流れる休憩所です
あなたも、もし良ければ休んでいきませんか?

《スレッドの説明》
ここはファンタジー日常なりきりです
この世界では科学技術は殆ど発展していません。文明の基準としては十四世紀程度と考えてください。ですが、服装や食べ物などの娯楽面の規制は緩いのであまり気にしなくていいと思います
キャラクターの種族は何でもありですが、ファンタジーの世界観を損なうものであると判断された場合は使用を控えていただく事になるでしょう
キャラクターの設定は雑談スレッドに投下し、参加者が内容を見て問題が無ければ使用が可能となります
また、キャラクターには世界観などとの兼ね合いもあり、あまりに世界観からかけ離れている者、町や周りのキャラに著しい被害を及ぼす者、不自然な者、強過ぎると判断された者は禁止しています
ロールは相手がいて成り立つ遊びです。ルールを守って楽しいロールをしましょう!
次スレは>>950が立ててください!

《参加方法》
①キャラクターを作る
②みんなに見てもらう
③そのキャラクターでロールが出来ます!

《キャラクターテンプレート》
【名前】
【性別】
【年齢】
【容姿】
【性格】
【能力】
【持ち物】
【職業】
【背景】

wiki《http://www65.atwiki.jp/fantasylifel/

※前スレ
http://kohada.open2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1485088568/
 
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693波斬◆dSJ9kJR.ac :2018/06/25(月)21:14:38 ID:FKR
>>692
なぞられたとき、くすぐられたように笑った。

「ま、まぁ頑張るきに。」

怯える波斬を笑ったその様はスケルトンの思った通りに、より恐怖に陥れた。

「そうじゃな、ただ跳ねて行くより速そうじゃ。」

そう言いながら腕代わりのハチマキをバンバン伸ばした。
それをよそに準備しているスケルトンを見て首をかしげるように傾いた。

「おぉう、案内しておくれぃ。ん?おまんそりゃどういう意味じゃ?」

と言いつつその後を追った。その先に待つのは。
694カボ・ビアンコ◆L1x45m6BVM :2018/06/25(月)21:32:20 ID:Nt9
>>693
くつくつと笑ってその反応を髄まで楽しめばスケルトンはそれ以上深く言うことはなかった。

「砂とか掴み損ねて転けるんじゃないよ? あたしゃ助けないからね」

その移動方法における注意点のようなものを述べながらスケルトンは準備を終えていた。
ちなみに本当に助けない。途中で助けを求めたとしてもスケルトンはカタカタ笑って見守ることだろう。

「言葉通りの意味さ、危ない魔剣として扱われるも良い良剣として扱われるもお前さんのやり方次第」
「あたしゃどっちにいこうが構いやしないが、悔いたりしないようにやるんだよォ?」

ケタケタと、変わらず男とも女とも取れぬ声を声帯のないまま発して、スケルトンは次第に見える港町へと近付いていく。
そして。

「ほら、あそこがコスタ・ノエってところさね。最初が肝心だから精々ヘマしないようにねェ」

布に包まれた指で指し示し、ここからは一人で、とスケルトンは述べた。
彼は今宵は立ち寄るつもりがないらしい。故に波斬は一人で向かうことを要求されているのであった。
695波斬◆dSJ9kJR.ac :2018/07/01(日)20:47:06 ID:91w
>>694
「あ〜大丈夫じゃ、問題ないぜよ。」

砂の上では布を伸ばさず、ただ跳ねてついて行った。移動手段である伸びる布の欠点をわかっているように見せた形ではあるが実態は、言われた後にそうしたまであった。少し背伸びしたがりの子供のようだった。

「つまりは、ここからは『綱渡り』!ってことじゃな。」
「上等じゃぁ!やってやるぜよ!」

そんな声に気にも止めず、ただただついて行った。新たに暮らすであろう港町が見えた頃、

「コスタ・ノエっちゅう街か、世話んなるぜよ!よろしゅう頼んます!」

示されたその先を見て、勢いよく言い放った。
そして、

「『ここからは自分で行け』っちゅうことじゃな。大丈夫じゃ!そういうのは慣れっこじゃ。」

言ったのち、ん?と少し首をかしげる辺り無意識に出た言葉のようだ。雀の涙ほどだが、引き出しの中の記憶が戻ってきたみたいだ。
ついに眩しい朝日が昇る。港町は照らされ、彼の新生活が始まる。
696カボ・ビアンコ◆L1x45m6BVM :2018/07/01(日)21:19:55 ID:r4F
>>695
「そうかい」と親のように様子を見つつも、やはり再来するのは波斬の語尾や口調への興味。
あまり聞かぬものではあるが、彼の記憶が曖昧な以上はまだ聞けないものだろう。

「元気なもんだねぇ、まあその調子ならやっていけるさ」
「……何か思い出したのかい? それは羨ましいねぇ。でもそういうことさね」

スケルトンもまた、生前の記憶が殆どないのである。だからといって悲観はしないが、それでも気になるところはあるのだった。

そして眩しい朝日を見るとその眼窩の紫光は細まっていた。

「それじゃ、あたしゃそろそろ帰るとするよ、次に会う時にお前さんが折れてたり錆びてたりしないことを呪っとくよ」
「じゃあね、波斬。良い暮らしをしなよ」

そう言うと引き止めない限りはスケルトンは踵を返して港街の入口から離れていこうとするだろう。それはあたかも、夜の住民が在るべき場所に帰るかのように。
697波斬◆dSJ9kJR.ac :2018/07/02(月)18:51:11 ID:oFr
>>696
体が朽ち果ててなくなっていようとも、人格の一つを表す語尾や口調は彼の中に残っている。事実それだけある。

「そいつぁホンマか!?よっしゃぁ!頑張るぞぉ。」
「思い出したって何が?羨ましいって何じゃ?おまん。」

どうしてそう思ったのか聞きたい様子であったが、あまりそういうところには触れないようにしようと、波斬は思ったそうな。

「おぅよ、またどこかで!…って!おまん今…いや何でもねぇ!」

去る者追わず、引き止めることはなかった。というより引き止めなかった。ここから先、いや、いつかは自分一人でやらなければならない。だから波斬は早めに引き止めなかった。

「ん〜よし!いくぜよ!」

建物の壁・角、どこか引っかかるところに伸ばし両た腕をしっかりと引っ掛けて勢いよく飛んだ。そこから見えた大きな港町と昇りきった眩しい太陽は、新たなスタートを実感させた。
ちなみに着地については考えておらず、のちに断末魔のような声が聞こえてくるだろう。
698レクス◆L1x45m6BVM :2018/09/09(日)16:04:54 ID:FS6
秋の空、まだ紅葉になった木はほとんどないけれども日射し強い夏に比べればずいぶん過ごしやすくなっただろう。
とはいえ例外も居るには居る。これから迫るだろう寒い季節を忘れたがるように、通りでは竜の脚を持つ角の生えた人物……レクスは尻尾を使って早い落ち葉を集めていた。

「これで何か焼けりゃいいんだけどなー……肝心のものを忘れちまった」

アカハネ製の火種を取りに行くのも、一人で居る今にはなんとも手間に感じるもの。取りに行ったとして暖を取るなら部屋に籠ってた方がいい。
そんななんともいえない怠惰な気分を誤魔化すかのようにレクスは近くの落ち葉をかき集めてはザクザクと尻尾で突くのだった。
699フィエリ◆55Rq1Tu8Bo :2018/09/09(日)17:42:16 ID:YTK
>>698

「あ、レクスー!何してるのー!?」

声がしたのは、森から町に向かう小道からだった。
見てみれば長い尾っぽの薬屋、フィエリが手を振っている。
両手にはぱんぱんにふくれた麻袋──きっと、森での作業からの帰りだ。

ゆるゆると尾っぽを揺らして近付いてくるフィエリ。
寄れば泥と草木のにおいがつんと目立つ。そういえば、薬屋は朝から休みだった。
丸一日森で素材の収穫でもしていたのだろう。
700レクス◆L1x45m6BVM :2018/09/09(日)19:49:48 ID:FS6
>>699
「ん? おー、フィエリじゃねえか! 見ての通り落ち葉集めてたんだが……ってお前は森帰りってところか?」

振り向けば見知った姿だ、鱗の見える手を挨拶代わりにあげつつ麻袋を見てそんな反応。
持ってやろうか、と手を出す彼は手持ち無沙汰である。店が休みでも働いてるフィエリへの労いだろうか。

「随分森に居たみたいだな、お前。…………なんか焼くか?」

鼻を鳴らしてからそう言うレクスに多分悪気はない。からかいはあるのかもしれないけれど、なんとなーく落ち葉を見直してからそう聞いてみるレクスだった。
集めたものを散らすのもなんだし、そういえば麻袋の中はなんだ? とばかりに気にしているレクスは視線があちらこちらだ。
701フィエリ◆55Rq1Tu8Bo :2018/09/09(日)21:20:56 ID:YTK
>>700

「そ!冬は雪で森に入りにくくなっちゃうから、今のうちにいろいろしとくの!」

ありがと、と笑いつつ2つのうち片方の麻袋を渡す。
見た目の割にはそう大した重さではない。
開けてみれば、樹皮を束にしたものがたくさん詰まっている。
更にそのうちのいくつかは更に麻布で包まれたり──薬の材料なのは一目瞭然だった。

「帰ったらお風呂、入らなきゃだね」と困ったように笑うフィエリ。
汚れてしまっているのは自覚しているようだが、そこまで大事にも思ってはいなさそう。
素材の収穫作業はフィエリの日常のひとつでもあるから、当然といえば当然だった。
だが、同じ日常でも食事に関しては別らしく──

「焼く!食べる!!お肉っ?」

ゆらゆらと揺れる尾っぽが、その辺にまだ散らばっている落ち葉を叩く。
芋やら栗を焼くのがこういった時には普通なんだろうが……肉好きはどの季節であっても変わらないようだ。
702レクス◆L1x45m6BVM :2018/09/09(日)21:47:11 ID:FS6
>>701
納得したレクスは中身を見たときに流石のフィエリでもこの作業の時だけは食べ物に目が眩まないか、と苦笑いしていた。
この樹皮はなにに使うんだろうか、と後で聞こうと思うのである。

温泉でも良いかもなー、と口から漏らして、食事への食いつきには思わず上体を引かせるのであった。そこまでかとばかりに。

「あー、良いかもなー、って肉ばっかじゃねえか! 俺も好きだけどよ! まあとりあえず持ってくるわ、火……頼めるか?」

とりあえず火がなくては話にならないわけであると頼みつつ払われた落ち葉をこれまた器用に集める。
麻袋を抱えてそのまま焼くものを探してくるとばかりに一度離れようとしているレクスなのだが引き止めないなら暫し落ち葉の集まり、または焚き火を見守ることになってしまうだろうか?

とはいえ一旦離れても問題はあるまい、その場合はレクスが先に戻ってきた場合にすでに串に刺した肉を焼き始めていることだろう。

ちなみに麻袋は離れる際に頼んでおけば薬屋に置いてくれるだろうが、そうでないならまた抱えて戻ってくるので安心していいだろう。
703フィエリ◆55Rq1Tu8Bo :2018/09/10(月)00:52:52 ID:RI4
>>702

「うん!火は任せといて!」
「お肉ね、お肉たくさんがいいなっ!…………お魚でもいいけど、でもお肉…………、かな」

────野菜、は。そんなもの、彼女の世界には存在しないのだ。

念には念を押して肉を頼んだ後は火を起こす。……といっても、彼女にとっては朝飯前。
ぷうと息を吹けば火の粉が散る。もう一度ぷうぷうと吹けば、パッと落ち葉に火がついて。

「あー!レクスー!その袋、ねぇ!薬屋の前に置いてきてーっ!」
「こーれーもぉー!お願い、ねぇーっ!」

肉屋に行くならばとここでようやく気付いたのか、追加のお願い。
さらにはもう一つ残っていた袋をぶんとレクスの方に放り投げる。
重さはレクスが持つものよりも多少、重い。
中身はと見れば、未熟なキノコやら沼地に生る芋のような何かやら。
「それ食べちゃダメだからねーっ」と追い討ちの叫びが聞こえてくるあたり、やっぱりこれも素材なのだろう。
どれもが泥まみれなものだから、そも食欲などあまり湧かないだろうけれど。
704レクス◆L1x45m6BVM :2018/09/10(月)01:05:54 ID:QRh
>>703
「おーぅ、ってどわっと!? 急に投げんじゃねえ!」

取りにくいだろうが! と危険性とかは言わずに尻尾と腕を使って器用にキャッチである。中身を見てそれっぽいなぁと。
下手すると中身が散乱しかねないので放り投げるのだけは勘弁しようぜとも思いつつわかったとばかりにレクスは一度立ち去った。中身を見て少しニヤつきながら――。


「おーい、戻った――――ゼェ」

火が自然と周囲の空気を暖め出していい頃合いに、レクスは空より飛来した。
しかし火を知っているからか少し遠距離に着地し――案の定というか背中にはお肉に、ちょうど丸焼きにはいいサイズのお魚の入った袋や口が閉じられている袋を担いだまま地面を少し滑った。
しかし学習はしてるのか翼爪を地面に引っ掻けてブレーキにし、砂埃は多少起こしても大惨事は起こさなかった!

「それじゃ、焼く串も持ってきたことだし早速焼くとするか!」

身体の前面が土まみれなのも慣れたようにレクスはそう言うと担いでいた袋をがさがさと置いて串に肉や魚を通そうとし、火にかけることだろう。
もっともフィエリの食欲(?)を考えると……肉は既に彼女が持ってる可能性も大、か?
705フィエリ◆55Rq1Tu8Bo :2018/09/10(月)22:53:10 ID:RI4
>>704

レクスの予想通りと言おうか。焚き火の周りには、適当な枝に刺した干し肉がいくつか。
サイズや数からして、おやつや非常用。フィエリはもう早速、そのうちのひとつを頬張っていた。
干されて旨味が凝縮された肉は、生肉を焼いた時とはまた違う香りがある。
それが秋風に混ざるのだから、フライングも仕方ない。

「わわっ!レクス、なんか着地上手になってるね!」
「旅の成果ってやつかなっ?……ふふっ、でもそれじゃあ土まみれだね」
「これじゃあレクスも後で温泉行きだね!」

思わず着地に拍手!点数表がわりに出されるのは、炙った干し肉だ。
レクスが肉を取り出せば、待ってましたとばかりにまた拍手。
串に通す作業を手伝い、順々に火の周りに並べていく。
その作業が終われば、しばし休憩。小さな干し肉が、ちょうどいい時間潰しになってくれるだろうか。
706レクス◆L1x45m6BVM :2018/09/10(月)23:08:45 ID:QRh
>>705
土ぼこりも晴れて鼻に届く香ばしい香りに苦笑いしていいやら、反応してしまっていいのやら。

「まず俺の身体だと滑空した時にバランスが崩れちまってたからな、それならいっそ翼の爪使おうって思ったわけだ」
「……それもそうだな、いやむしろ急に冷えてきたからちょうど良かったかもな! うめえな」

炙り干し肉を受け取りながら、経験と幾度かの試行から得た方法であると伝えていざ頬張ればなるほどこれもまたいいものだと。
枝ごとくわえつつまるで葉巻のように枝を揺らしながら肉を噛み締めて作業を進めて、さてゆるりとした休息だ。
思えばフィエリは森帰りだと言うのに手伝わせてしまったなぁと思いながら、これまた適当な枝で落ち葉の火を調整。

「そういやよ、さっきの袋に入ってた木の皮とかキノコって何の薬に使うんだ? あれも薬茶に使ったりするのか?」

パチパチと火が燃える音、焼いていくものの表面の照りが徐々に焼けていく最中にレクスは干し肉を堪能しながら切り出した。
ちなみに、口を閉じていた袋の中に――紫色の芋らしきものがごろりとあった。あとはなぜか、少し燃えにくい紙も。
707フィエリ◆55Rq1Tu8Bo :2018/09/10(月)23:42:25 ID:RI4
>>706

味に対する感想に対しては「お肉だもん!」と元気よく断言。
もはやこうなってくれば信仰の域に達しているといっても過言ではないかもしれなかった。

「そっか、レクスの爪は大きいもんね!汚れちゃうけど、墜落よりはずっといいねっ」

「あ、そうそう。素材置いてきてくれたんだよね。ありがとっ!」
「素材は色々だけど、木の皮なんかはお腹の調子が悪い時に使うことが多いかなー」
「キノコとか、あっちの袋に入ってたやつは足が冷える時とか、“むくみ”とか……」
「お茶にはどうかな……ちょっと甘いけど、お祭りで売れるような甘さじゃないから──」

片面が徐々に焼けてきた肉は、面を反してもう片面を火に当てる。
跳鹿亭のステーキもいいが、たまにはこういうのもいい。今の時期は尚更だ。
レクスの疑問に答え、作業を軽く挟み──時折、フィエリの視線が芋に向かう。
月祭りでは果物もよく食べていたフィエリ。芋の甘さは、当然気になるものだ。
708レクス◆L1x45m6BVM :2018/09/10(月)23:53:45 ID:QRh
>>707
お肉教、なんてものがあったらフィエリは真っ先に入信しそうな話である。

「そうそう、墜落すると肉吹っ飛ばしたりしかねんからなぁ……」  

たまに温泉に浸かりに行く時にも墜落し、そして盛大な水飛沫を上げて浮いている姿が目撃されてるとかなんとか。

質問に答えるフィエリの話にうんうんと頷いたり、相槌を打ちながら魚なども同じように回していく。お互い近い場所をそれぞれ担当しているようにもなるか。

「それじゃあたってもあの木の皮の薬なら治せるのか、……キノコの薬は少し欲しいな、俺冷えるのはどうにもなぁ」
「激甘ってことか…………ん?」

と、お祭りに甘い、そして視線。そういえば肉に釣られて忘れてたなとレクスはガサガサと取り出した。

「まあこんだけ焼いてりゃ食べ切る頃にはこれがいい頃合いかもしれねえな、食べるだろ?」

その芋を取り出して紙をガサガサと巻きつける。そしてレクスは慎重に落ち葉の火の中に落とすのであった。
食べるだろ? と言いつついきなり火にぶちこむために少し驚くかもしれないが、フィエリも月祭りで慣れてるなら察しが付くだろうか。

「っと、そろそろ肉が食べ頃だ――」

ぞ、と言い切る前にフィエリは待てているのだろうか。
709フィエリ◆55Rq1Tu8Bo :2018/09/12(水)22:34:07 ID:Lwk
>>708

肉を吹っ飛ばす。そうレクスが言った瞬間、フィエリの顔が絶望を通り越した。
人を祟る表情、というのはこんな表情のことを言うのだろう。だがそれも一瞬のこと。
さすがに現実と仮定の話の区別はつくようになったらしい。話はすぐに、薬のものに戻る。

「そうだね、お腹壊しちゃった時なんかにはばっちりだよ!」
「それにしても、そっか。レクスは寒さに弱かったっけ……それじゃあ、今度お店に寄ってって!」
「冷えに効くお薬、作っとくから!…………あ、なるほど!その紙、焼き芋用のやつだったんだねっ!」

楽しみだねぇ、と芋を見つつ──ふと気付けば肉串がすでに1本、ない。
フィエリの横を見れば、肉が刺さっていたであろう串が悲しげに1本横たわっていた。
当のフィエリ本人は…………ニコニコ顔である。何かもごもごしつつ、とても嬉しそうで──
────推定2本目の串を取ろうと、しれっと手を伸ばしていた。
710レクス◆L1x45m6BVM :2018/09/12(水)22:52:25 ID:3Xv
>>709
いやそこまでかい、とツッコミ入れそうになったのは内緒である。

「おう、寄らせてもらうぜ、薬茶のこともあるしな……情けねえことだが冬はキツいぜ」
「そういうことだ、直接焼くのはダメみたいだからな――」

冷えに効く薬はありがたい。種族柄というのかレクスは寒冷はかなり堪えるのである、冬場になるとほとんど外に出なくなるほどだ。
――まあ、それはさておき肉串が消えている。推定二本目も餌食になりそうだ。いや、食べるために買ってきたから良いのだが、早すぎる。

「おいちょっと待て、いつの間に食った!?」

レクスは渾身のツッコミを放ちつつ、フィエリが取ろうとしていた肉串――の隣にあるいい具合に焼けて香りを漂わせる肉串を取ろうとしていた。
その肉串もまた魅力的に見えるだろう。脂がいい具合に溶けて照り輝き、こんがりとした焼き目のそれだ、今フィエリが取ろうとしてる肉串にひけはとらない!

一方で魚の串はなんとも寂しい雰囲気であった。まだ焦げはしないだろうが、せめて美味しいときに食べてとばかりの哀愁を……。
711フィエリ◆55Rq1Tu8Bo :2018/09/12(水)23:36:43 ID:Lwk
>>710

出来れば最初のうちは頻繁に様子を見せて欲しい、と続けてフィエリは言った。
毎日とは言わないが、1週間に1度程度は。──種族差や個人差が気になる、とのことだった。
風邪などの短期的に飲むものではなく、長期的に飲む薬だからなおさらだ、と。
冬は山に入りにくいから、暇な時間が増えるというのも理由だけど、と笑って締めくくり。
肉である。薬の話もとっても大事だが、目の前の肉に理性の天秤は傾いた。

「え?うん、おいしいね!!」

もごもごもごもご。ごっくん。
まるで返答になってない上に、隣の串の焼き色に気付けば──流れるような見事な動き。それは達人の軌道だった。
狙っていた本来の串と、その隣の串を2本取り。一時たりとも止まらない、それはプロ・スティール──!

…………ぱちん、と魚の脂が弾ける。
今のフィエリには、まるで魚は目に入らないらしい。合掌。
712レクス◆L1x45m6BVM :2018/09/12(水)23:47:54 ID:3Xv
>>711
その要望にはレクスは嫌がる様子もなく快諾したことだろう。
薬の件もあるし、効能についても理解はするつもりだ。
冬はそもそも出る理由が無くなって怠惰になりやすいため、出れる理由があるのはちょうどいいのだ。

「だろうな! 俺食ってねえけどな!! 盗んなよ!」

そう、干し肉は食べたが焼き立ての美味しいお肉は食べられてないのだ、これでは共感など困難!
肉は絶対逃がさないという意思をひしひしと感じてレクスはどうしたものかと頭を悩ませる! そして仕方ないとばかりに取られる焼けてきた魚の串、こんな理由で取られるとは。

「いや、フィエリよ? 喜んでるとこ悪いんだが二、三本は俺にもくれよ……肉串な?」

フッ、とあちあちの表面に息を吹き掛けると魚の腹にかぶりつく。焼けたお陰でほくほくになった身がとても美味しく、表面もパリッと香ばしかった。
713フィエリ◆55Rq1Tu8Bo :2018/09/13(木)00:07:06 ID:7IB
>>712

「…………?うん、レクスも食べていいよ?」

2本目をそう言っている間にも平らげ、スティール分を齧り始めるフィエリ。
早く食べないとなくなっちゃうよ、とまで言いきる暴君っぷりである。

実際、レクスの手の届く範囲に肉串は数本まだ残っていた。
フィエリが3本目の肉串に意識を取られている今が、串確保のチャンス──
そう、魚串の芳ばしさを僅かな間捨て置いても、だ。
火から離した瞬間から失われゆく暖かさと芳香。
肉串に手を伸ばしてしまえば、秋風に晒された柔らかな旨味は衰えてしまう。

けれど迷っている暇はない。フィエリが肉串を食べる時間など限られているのだ。
数の限られつつある肉串か。あるいは手にしている魚串の芳ばしさか。得られるのはふたつにひとつ──!
714レクス◆L1x45m6BVM :2018/09/13(木)00:18:30 ID:tyc
>>713
「ダメだこいつ――早くなんとか確保しねえと――」とレクスは思ったという。決して口には出してないが。

魚の美味さは捨て置けない、だがしかし、肉串を食うならば今しかない。ならば選ぶ道は既に決まっている。
元より魚串も肉より少ないが数本ある、ならば得るべきは肉の串であり、それに素早く手を伸ばし取った――!
魚串はというと――あろうことかその身すべてを口内に突っ込んでいた! 串すらものともしてないぞ!

「ふー…………」

肉を確保したか、それとも逃したか。それだけでこの息は感嘆のものか、ため息に変わるだろう。
果たしてフィエリの機嫌はどう動いたか。
715フィエリ◆55Rq1Tu8Bo :2018/09/13(木)00:32:20 ID:7IB
>>714

肉串は────肉汁の輝きは、今やレクスの手中にあった。
肉の歯応えにどしりとした香りは、魚串とはまた違う旨みがある。
食卓では得難い、野外ならではの味は……格別の選択をした者のみが得られる味、といっても過言ではないだろう。

「…………おいしっ?」

その肉串を──フィエリは見ていた。じっと。ただ、じっと。
何本目かになる、とうに肉が外された串をかじりながら。
羨ましそうだとも、恨めしそうだとも取れる表情だった。

それもそのはず。フィエリの近くに肉串はもうない。
あるのは丸い眼を哀しげに虚空に向ける魚串だけなのだ。
無理に手を伸ばし、串を奪わないのは──これでも、こう見えても一応は気を遣っているのだろう。
あるいは、肉に意識が向きすぎてそもそも魚という選択があることに気付いていないかだ。
716レクス◆L1x45m6BVM :2018/09/13(木)00:50:54 ID:tyc
>>715
感嘆の息、そして串を口から外し魚の焼けて柔らかくなった身と骨を噛み砕いて呑み込んだ。
手に入れたその肉が生み出す輝きはレクスの眼も惹き付けて、思わず溢れそうになる涎を慌てて戻す。
さて、さあ食べようと口を開ければ――何か感じる。視線だ、こんな視線送れるのはこの場で一人。

「……………………」

どうしたもんか。と留まる。きっと肉串を右往左往させればフィエリの視線も着いてくるのだろう、うん、正直。
敢えて言うならレクスの目算が甘かった。以前も二桁は頼んだことがあるのだからわかっていたはずなのだ。だがレクスが選んだ道は。

「……なあフィエリ、魚も食えよ」

びっ、と尾の先で示した。下手すると焦げてしまうのだ、悲しそうなフィエリにはちょっと悪いが、だからといって焦げたお魚というのも悪い。
とりあえずレクスは火の周囲を見やると、これもフィエリの気遣いか、一本残っていた二人のどちらからも遠い肉串を見つけてそれを火から外す。

「ほらよ、火に隠れてたけど余ってたぞ」

とレクスは取り立ての方を差し出した。フィエリが逃すか? なんて思うかもしれないが……これだけ囲まれていれば視界から外れただけで注意が逸れるのは仕方なかろう。
717フィエリ◆55Rq1Tu8Bo :2018/09/14(金)23:26:58 ID:53m
>>716

肉串をあっちに向ければ、フィエリの視線もあっちに。
肉串がこっちに移れば、フィエリの視線はやっぱりこっちに。
ぐるぐると肉串を回せば、トンボのように彼女の視線もくるくると回るのだ。

そしてレクスの提案に対し、フィエリは────


「…………、……………………、……………………」


────恨めしそうに、お魚を見ていた。

魚串をひとつ取る。柔らかな白身に歯をつきたてる。
一口。二口。食いつきは上々。決して魚が嫌い、というわけではなさそうだが…………
あまりにも、肉への愛情が強すぎるのだろう。すん、と哀しげに鼻がなった。

だからこそ──レクスの温情に、遠慮しないわけがなかった。


「お肉!!!お!!に!!!!!く!!!!!!!!!」


半ばもぎ取るようにレクスから肉串を貰う。
ゆっくりと肉汁を味わい、歯応えを懐かしむ。
大げさではあるかもしれないが、彼女の体は歓喜のあまり震えているようにすら見えた。
数分かけてじっくりと肉を堪能した後、絞り出すように「ありがとう」と告げるフィエリなのであった。
718レクス◆L1x45m6BVM :2018/09/14(金)23:54:44 ID:sC7
>>717
――――そこまでかい。
魚を食べても哀しげな様子、そして肉串への歓喜の様子を見てレクスは何の偶然か、同じ感想を抱いたのである。
前者は苦笑い、後者はなんとなく微笑ましそうに。

肉串の肉をミチミチと噛みきり、少し空気に触れても歯応えと肉汁は保っており、レクスもその味わいには舌鼓を打つ。
フィエリよりも早く食べ終わり、焼かれて余っていた魚をもぐもぐと歯で身を解し取るとフィエリの礼をいずれ聞き付け。

「ん? 良いってことよ、食べてるやつが悲しそうにしてるのよりは嬉しそうにしてる方が楽しいからな」

それは本音である。目の前で二人とも微妙そうな表情同士で食べてるなんて悲しい。元々火もフィエリに任せていたし、干し肉も貰っていたのだ、今でも十分である。

「――さーて、そろそろ出来上がってると思うぜ……あち」

湿らせた枝でガサガサと落ち葉の火の中を探り、すっかり真っ黒くなっていた包み紙を取り出して少し手の中で遊びながら開いていく。
そして現れるのは、あっつあつであることを示す白い湯気を持った紫色のお芋である。
求めればそれをパカッと半分に割り、その中には黄金色に輝く中身が湯気と共に顔を見せた。かぶりつけばそれはもう――甘くて熱い。
719フィエリ◆55Rq1Tu8Bo :2018/09/18(火)20:14:10 ID:nTB
>>718

「ありがとっ」と重ね重ね告げるフィエリ。
悲しい顔より嬉しい顔で。それはすごく納得の出来る返事だった。
泣きながら食べるご飯よりも、笑いながら食べるご飯の方がおいしいに決まっている。

レクスの返答にどこか心がぽかぽかとなり、お腹も満足し始めた時。
ふうわ、と甘い香りが火の中から取り出される。

「わ、…………わぁ!すごいね、ふふっ!」
「干したお芋はおいしいけど、このホカホカ感にはさすがに負けちゃうかなっ」
「は、ふ…………あちち、へへっ!おいしいねぇ!」

差し出された半分の芋を、手の中で遊ばせる。
熱くて熱くて中々持つのにも食べるのにも苦労するが、その分口の中に転がり込んできた黄金色は格別。
お祭りの果物もとろりと甘いが──「この時期は、焼いたお芋が一番なんじゃないかなって思っちゃうね!」
720レクス◆L1x45m6BVM :2018/09/18(火)20:31:09 ID:DmY
>>719
「美味いよなぁ、これからの時期は本当こういうのが食いたくなるもんだ……」

フィエリの食べる様子にレクスは心を暖められる。
肌寒くはなってきたが、こういうことができるならば外に出るのも悪くはないと思い始めていた。
食べる方は息を吹き掛けるしかないが、持つところなら、とレクスは閉じていた紙袋を半分ほど外に向けて綺麗な裏面に裏返した。

「かもしれねえなぁ、色々あるっちゃあるがこの手のものもなかなか売ってはくれねえしな。……いや月祭でも探せばあるのか?」

あまりに熱いようなら紙袋と犠牲になった包み紙を使って手に熱がいかないようにするといい、と出しつつレクスはそう呟いた。
そしてまたかぶりつく――。

「あちっ、火傷はしてねえよな?」

尻尾はゆらゆらとフィエリの後方に倒れ込んだ。そんな心配をするのはフィエリがなんというか勢いよく食べている光景がよく見えるため、である。
いくらか外気に晒されればその熱さも少しは収まるのだが、やはり焼き芋は熱いうちが美味しいもので――――食べ進めるのに時間はかからなかった。

「いやー……、食ったな」

最後の一口を感慨深そうに放り込んで。
721フィエリ◆55Rq1Tu8Bo :2018/09/20(木)00:19:55 ID:4kZ
>>720

「ね!いくらでも食べちゃいそっ!火傷も大丈夫!…………あちち」

「お祭りでも、探せばあるかなぁ?いっそ、ルピナに言ってお祭り限定メニューで出してもらうとか」
「えへへ…………ワーボアの串とお芋が並べられてたら…………」
「流石に、ちょっと迷っちゃうかも!…………両方、買うかもだけど」

レクスの真似をして、包み紙を裏返す。
手の熱さはこれで多少はマシになった。そのせいか、食べるスピードがさっきよりも少し増す。

食べている最中はもちろんだが──食べ終わった時もしばらくは幸せそうな笑みを浮かべていたフィエリ。
味の感想や満足度なんて、聞くまでもないだろう。

「ふふっ、お腹いっぱいだねっ!はぁ…………おいしかったぁ…………」
「レクス、この後どうする?私はね、温泉行っちゃおうかなあって思うんだけど……一緒にどうかなっ?」

ゆるゆると食後の幸福感を楽しみつつ、レクスに視線をやる。

もう日が落ち始めて、空気も少し冷えてきた。
時折寒いと思えるくらいの風の中で入る温泉も、また格別だろう。
朝から働いて、夕暮れ前にお腹を満たして露天の風呂に入る──きっと夜はゆっくり眠れるに違いない。
小さな事件は色々あるかもしれないが……山間の町、ロアールの時間は今日も緩やかに流れているのであった。
722レクス◆L1x45m6BVM :2018/09/20(木)00:44:02 ID:wdW
>>721
「なんなら野菜の店でもやってそうだけどなー」
「おう、両方も良いことじゃねえか、祭りで遠慮するもんじゃねえだろ?」

そんな返しをしつつ、レクスは最後の一口は今までよりも長く味わって喉に通した。随分幸せそうで、あったかい息を吐く。

「そう言ってくれると集めて買った甲斐があるってもんだな……っと消しとかねえとな」

パチパチと焼ける落ち葉は既に大半が燃え尽きて、あとはレクスが包み紙で一気に潰すなどをして消し去った。
平和な町ではぼや騒ぎでも大騒ぎになりそうだからだ。

「……良いなぁ温泉。折角だし行っちまうか!」

ぶるり。火の近くで焼き芋や焼き串を楽しんでて暖かった空気が冷え込んでしまった。
そんな中での温泉への誘い、乗らないなんて考えはこの竜族には無いようだった。
後片付けをすればいざ行かんと。

共に温泉へと繰り出して、また何かお話しして酒を少し楽しんだりして、夜には別れて眠り、平穏な夢を見る。
そうしてロアールで過ごす日々を変わらずに謳歌するレクスなのであった。
723リリン・カマル◆hHo5Paj/Yc :2018/12/03(月)21:29:25 ID:QZy
「へ……へ……へっくしょいっ!」

ある集落の寒空に、小さなクシャミの声が響き渡る。
音の出どころを辿れば、鼻を人差し指の腹で啜りながら歩く、一人の村娘へとたどり着くだろう。

少々年季の入った、ところどころ黒くなった布を何枚も重ね合わせた上着に、足首辺りまですっぽり覆い隠せるほどの長さのスカート。
髪を包むように巻かれた頭巾の後ろからは、よく手入れされているのであろう栗色の髪が、束ねられて結び目の間から外へと流される。
ちょっと背伸びしているような感じもするが、どことなく辺境の田舎の雰囲気が滲み出る、そんなどこにでもいそうな女の子。

「寒くなったね……。あんまり長居するとすぐ真っ暗になっちゃうから、早く用事を済ませないと」

片腕から下げた小さな籠には、周辺で買い込んだのであろう食料品や小物が詰め込まれていて。
人通りのあまり多くない通りを、小走りで進むその背中は、どこか危なっかしい印象を受ける。

「あっ、わっっ!?」

そして予想通りの悲劇が彼女を襲う。
小石も何も転がっていないはずの道で、急に足をもつれさせた彼女。
支えになるようなモノもなく、籠の中身を豪快にばら撒いた上に、地面へ顔からのダイビングを決行。
コケるような音と、いくつかの固形物が道に転がる音が周囲に響き渡る。

そんな自滅しがちなこの少女の名を、リリンと言った。
724ゴースト◆L1x45m6BVM :2018/12/03(月)22:08:38 ID:Yw2
>>723
人が通らずともその他は通る。時期が時期のため冬の眠りに付き始めてる生物も多いだろうか。
固形物の一つが転がるのをやめるとふわりと浮き上がった。
それはスーっと篭に向けて浮遊するとその中へポイッ、と投げ込まれていく。
奇妙な動きは他の固形物でも行われていき、もしリリンが途中で目覚めることが叶うならばそれはもう不思議な光景として見えるだろう。……怖いかもしれないけど。
一応丁寧に放り込まれてるところはあるため気遣いなどはあるのだろう。次第に篭も重みを取り戻すか。
ほとんどが放り込まれるか、または少女が反応を示せばスゥーと何もなかった場所に白い頭巾を深く被った半分透けた姿の白ローブが見えることだろう。
記憶にあるだろうか? そう幽霊、ゴースト。たまにポン子呼びされるそんな幽霊だ。

「派手に転けてたけど、大丈夫? 特に顔」

クスクス、と揶揄うように笑う声とは裏腹に心配でもしてるかのような声が少女にかけられた。
雪の冷たさか、転けたためか赤くなってるだろうその顔にゆっくり透けた指を這わせようとしながら。
その片手には彼女の荷物から取ったであろう固形物の一つが浮かんでいた。
725リリン・カマル◆hHo5Paj/Yc :2018/12/03(月)23:40:13 ID:QZy
>>724
コケるというよりはヘッドスライディングをかました、と呼んだほうが正しいような気もする豪快な滑り込み。
倒れてからもしばらく身動き一つ無かったが小時間後にはようやく立ち直ったようで、両手を地面についてゆっくりとその身を起こす。
地面から上がったリリンの顔は、元々の白い肌を際立たせるかのように、赤い痕が一面に広がっていた。

「…………またやっちゃった」

流石に幾度となく繰り返してきた芸当。慣れが生み出した謎の余裕と共に、顔を摩りながら手元の籠を拾い上げる。
しかし違和感。籠の中にはまき散らしたはずの荷物は、不思議なことにほとんど元の状態で戻っている始末。
普段の経験からすればまず考えられない現象に、鈍感なリリンもさすがに首を傾げる。

しかし、その疑問も目の前に突如として現れた謎の影によって、有耶無耶のまま四散してしまうことになる。

「………………?」

まずぼやけた視界に入ったのは白い何か。そしてぼんやりと人の形に形成されていくソレ。
その姿が鮮明になるほどに、リリンの中でいつぞやの記憶が少しずつ蘇っていく。

あれはいつの話だったか。あの日も同じように持ち前のドンくささで荷物を転がした時だったか。
転がしてしまった荷物を空中に浮かばせた挙句、リリンの事を襲おうとした恐怖の存在。
あの恐ろしいお化けが、それなりの年月を越え、再びリリンの前に姿を現したのだ。

「あっ、ああああああああわわわわわわ」

お化けをその目で認識した途端、積み重なった恐怖で腰は抜け、拾い上げたはずの籠は倒され、中の荷物は再び路上へと転がる。
リリン自身は、必死に何かに縋ろうと腕だけで地面を這って進んでいく。
短いが途方も長く感じる逃走の後、たどり着いたのは積み重なった木箱の裏。
お化けの視界から離れようと、自分と相手の間に木箱を挟んでその場に蹲る。

恐らく、お化けに耳があるのならば、木箱の裏からは微かな震え声とすすり泣くような音が同時に聞こえる事だろう。
726ゴースト◆L1x45m6BVM :2018/12/04(火)00:00:44 ID:hDk
>>725
怖がらせたこともあるし、驚かせたこともある。骸骨を一緒に見て二人して叫びをあげたことだってある。
ゴースト視点ではそれでもう仲良くなれたかな、という超ポジティブ思考だった。しかし現実は真逆!
今まで怖がらせてきたツケがそう簡単に支払われているわけでもなく、篭の中身はまたしても散らばり当人は逃げてしまった。

「――あ、アレー……?」

これにはゴーストも逆に驚く、というか困惑。今度は手に持って、たまにポルターガイストで拾いつつ篭に戻すと首を傾げていた。

それが終わって篭ごと持ち上げた時にやっとそのすすり泣く音が聞こえていた。

「…………え、えーと……――ご、ごめん、なさい……」
「……こ、これ。上に置いとくよ……?」

珍しく謝罪はしたものの届くかどうか、その場から動くことなく篭だけ浮かせて木箱の上に置いていた。
ゆらゆら揺れる輪郭と落ち込んだような声。ゴーストは端的に言うと。

「……うぅ…………」

ちょっとショックを受けていた。まあ、自業自得なわけではあるのだが。
727リリン・カマル◆hHo5Paj/Yc :2018/12/04(火)22:00:07 ID:qEF
>>726
丹精込めて再び盛り付けられた籠が目前の木箱に置かれても、リリンの症状が改善する訳もなく。
むしろ籠が勝手にやってきたことに対して余計に恐怖に震える始末。正直逆効果だったような気もする。

しばらくすれば、木箱の裏から止めどなく聞こえていたすすり泣く声も止む。
少しばかりの合間の後、木箱の端から小さな白い指と、リリンの顔がほんの少しだけ現れる事になる。
しかし相変わらず箱に置かれた指は震えており、外へと目を向ける瞳は涙で震えている状態。
これだけ隠れていれば、きっとあのお化けも諦めて別の獲物を探しに行くだろう。そんな縋るような願いを込めて。

結局、視界の先に変わらず居たお化けの姿を見つけてしまい、あっという間に姿は引っ込んでいく事になるのだが。

「わ……私なんて……私なんて、食べても、おいしくないですよぅ……」
「そこの食べ物はあげますから……見逃して……見逃してくださいよぅ……」

リリンが指すのは、彼女が買い込んだのだろう籠の中身の事。
拾い上げる内に確認はしているかもしれないが、中身には冬を乗り切るための食材がそれなりに詰まっている状況。
冬でもそれなりに確保できるお芋から、秋までに作ったモノを買ってきたのだろう干し肉。
冬ごもりまでとは行かないが、これだけあれば雪降る冬でも万全に生活できるだろう。お化けに食物を食べる、という文化があればの話だが。

「助けてぇ……見逃してぇ……」

当初よりは多少はマシになったが、それでも木箱の裏という安息の地に隠れたままの状況。
流石にこれでは埒が明かないか。一度こうなったリリンを自分から動かすのは難しいだろうか。
テコに乗せても動かなそうなリリンを動かすには、少々強引な方法も、時には必要になるかもしれない。
728ゴースト◆L1x45m6BVM :2018/12/04(火)22:25:10 ID:hDk
>>727
ショックを受けていたゴーストだが、リリンの台詞に少しばかり幽霊としてのプライドにカチンと来てしまった。
そもそも自分はゴーストではあるものの人を文字通り食べる趣味は無いのだ。驚かせたいだけだ。
……正直怖がりの相手からすればどっちでもお断りだろうがゴーストとしては主張が違うだけでもダメらしい。

そりゃ食糧に目を奪われないこともないが。彼女は幽霊だが一応そういう感覚はあるらしい。……まあうん、体型とかに変化はでないが。

ふわり、スゥーとリリンに視線の高さを合わせて籠を持ち上げると木箱の横からすぅ、と意味があるかは不明な息の吸い込みを行って――。

「あのね! 私別に人食べたくて幽霊してる訳じゃないのよ! そもそも食べるつもりなら貴女が転けてる間に食べてるわよ!」

――わりとあながち間違ってもなさそうな主張だとゴーストは思う。このゴーストが人を喰らう存在ならばとっくにリリンなど食べてるはずだ! という今更過ぎる主張だが。
それでも勝手にお芋を食べようとして固さに泣きそうになってたりするが。幽霊といえど生のお芋の固さには参るようだ。

「…………驚かせてたのは謝るわよ。……ねぇ」

一応すぐに木箱の裏に隠れてリリンの死角に入るあたり、なんだか気を遣ってるようないないような様子ではある。
幽霊だって寂しいことはあるらしく、声がどことなく悄気ていた。それでも自業自得なことには変わりないのだけれども。
リリンの袖を引っ張るのは――ポルターガイスト。余計な真似である。
729リリン・カマル◆hHo5Paj/Yc :2018/12/05(水)21:38:44 ID:dAM
>>728
「ふぇっ!? えっ、えっ……」

怯えてばかりのリリンも、お化けからのツッコミというかマジレスというか。
とにかくそういう妙な覇気の籠った言葉を投げかけられれば、震える事も忘れて我に返ることになる。

ふと思い出す。前に何度か遭遇した際にも、結局あのお化けがリリンを食べることはなかった。あれだけ怯えていたにも関わらず。
リリンからすれば危害は加えられていたと認識しているが、捕食するチャンスはいくらでもあったはず。
不思議と最後にどうなったのかは覚えていないが、こうして生きているので何とかなっているのだろう。多分。

「た、確かに……そうです……ね……?」

地面に座って膝を抱えながら、木箱越しにいるのであろうお化けに向けて。
中途半端に疑問詞で終わっているのは、恐らく気が動転しているのと、根本的にお化けへの恐怖が抜けきっていないから。

「…………本当に私を食べません、よね?」

お化けの声から伝わる寂しげな思いが、お人よしなリリンの心情を揺さぶったのだろう。
あの時と同じように、両手を木箱に乗せ、恐る恐る向こうの様子をうかがう様に顔を出す。
身体の震えや涙の溜まる瞳は相変わらずだが、自発的に少しずつ出るようになったのは、大きな一歩かもしれない。

「ふぇっ!? ピャーーっ!!?」

しかし、袖を引っ張る存在に気付いた途端、木箱を大きく飛び越える程の飛び上がりを披露。
情けない叫び声を上げ、お尻から着地して目を回す有様。やっぱりいつものリリンである。
730ゴースト◆L1x45m6BVM :2018/12/05(水)21:57:38 ID:QpI
>>729
少なくともイルフィレールと共に出会った時はイルフィレールによって守られた。
吸血鬼にスケルトンと出会った際は二人してスケルトンにビビった上に吸血鬼から直々に注意をされた。
仮にゴーストに捕食する気があっても成功してないと言うのも正しく、そしてやっぱり捕食する気はないのである。

「でしょ…………」

納得してくれた様子のリリンを感じて覇気の抜けた声を出す。恐怖を抱かれるのは幽霊冥利に尽きるのでセーフらしい。

「そうよ、私は貴女を食べ――――な……い…………?」

ちなみにゴーストからすると普段人が袖を引く感覚と何も変わらない。ポルターガイストは言ってしまえば第三の腕のようなもの。
そのため何が悪いのかまったくわからず飛び上がったリリンを見ると唖然とした様子で見上げ、見届け、回り込んだ。

「…………怖がり過ぎでしょ!! よく貴女過ごせてるわね!!」

まさかのゴーストからのツッコミであった。もしリリンが気絶したままならほっぺを叩かれたりぐらぐら揺らされたり、またはお芋あたりを口に当てられそうになるだろう。
ゴーストなりに起こそうとしている訳であるが、結構物理的である。――もし中途半端に起きなかったらちょっと試しに憑依でも試そうとしてる姿が見えるかもしれないが。
731リリン・カマル◆hHo5Paj/Yc :2018/12/07(金)21:42:09 ID:FZf
>>730
姿の見えない何かから袖を引っ張られる、という行為は、リリンにとってはこれ以上にない恐怖体験だっただろう。
先ほどまでの若干ではあるが軟化しつつあった態度も、これによって再び遭遇前まで戻っているかもしれない。
こればかりは、価値観の違いが生み出した悲劇としか言いようがないか。

「う…………うーん…………」

お化けによる直接攻撃を受けても尚、リリンの意識が再び覚醒する気配はない。
その細い身体を上下左右に揺さぶられようとも、頬を何度も叩かれようとも、口元に生の固いお芋を何度も押し付けられても。
もしかすれば、本能的に目覚める事を拒否しているのかもしれない。臭い物に蓋をする、という精神。

そうなれば、このお化けがリリンの身体に憑依する、という行為も簡単に達成する事が出来るであろう。
久々に実体を持った気分はどうだろうか。このリリンの身体がうまく合っているだろうか。
お化けの年齢がどれほどであるかは定かでないが、同年代にしては少し小柄なこの身体は、少し動きにくいかもしれないが。

しかし、それとはまた異なる別の障害がある。
それは憑依した直後から感じるであろう、ピリピリするような謎の違和感。
まるでリリンの身体が、血が、お化けの動きを阻害しているかのような、些細なモノだが、時間が経っても消えない何か。
それを我慢する事が出来れば、この身体はとっくにお化けのモノだ。リリンが目覚めるまでのしばらくの間は。

「お…………お化……け……?」
732ゴースト◆L1x45m6BVM :2018/12/07(金)21:57:30 ID:Qfe
>>731
「……この子憑依してたってことじゃないわよね?」

あまりにも目覚めないリリンについてそんなコメントである。
行き着く先が自分と同じ存在という疑いになるのはゴーストだからこそか。

その考えから向かった結末が自分も入れるのでは? ということ。意外とすんなり入れたことにびっくりしつつも。

『……ひ、久々の実体ってなんだか痛いわね……』

ちなみに、ゴーストの憑依は他の精神を追い出す、なんて能力はないので言ってしまえば二つの意識が同居している状態である。
そして自身の年齢も知らぬゴーストは実体を得て動かしてみようとすると上手くいかないことに苦心する。

『……っ……~~!』

最初は憑依が久しぶりだったための障害とでも思っていたがいつまでたってもピリピリピリピリ……。
元々の性格上、慣れてないゴーストはリリンが目覚めるとほぼ同時に体から飛び出した!

「何よ! あんたの身体の中すっごい痛いんだけど!? どういうこと!?」

勝手に入っておいて理不尽なケチをつけてきた。その様子はぷりぷり怒ってるのがよくわかるだろう、理不尽。
733リリン・カマル◆hHo5Paj/Yc :2018/12/08(土)14:19:27 ID:rhY
>>732
憑依されている最中のリリンと言えば、何かうわ言をボソボソと呟くばかり。
これが何を意味しているかは、恐らくこの場に居る人物では誰も理解できないだろう。意識のない本人にも。

そして身体に侵入していたお化けが退出すると同時、その勢いでかリリンもようやく起床。
幸い目覚めは良いようで、勢いよく上半身を起こして周囲を見回す。
自身の身体に感じる、説明の出来ない違和感を感じながら、その先に居るお化けと目が合って。

「!? な、なななんですか!?」

覚えていないので当然だが、突然起きた途端に文句を言われても、理解できずに茫然と口を開けるのみ。
その驚きっぷりは、目の前の相手が恐怖の対象であることも一時的にとはいえ忘れてしまうほど。

「ご……ごめんな……さい……?」

しかし根っこは真面目。謂れのない文句を突き付けられようが、とりあえず謝罪と共に頭を下げる。

ひとまず落ち着いた後お化けの姿を今一度認識し、思い出したように木箱へと駆け寄る。
そのまま木箱を互いの間に挟むように後ろに隠れ、端から手と顔だけを出してお化けを眺めるのだ。まさに小動物。
734ゴースト◆L1x45m6BVM :2018/12/08(土)15:16:58 ID:iht
>>733
リリンのうわ言も意識もわからない。飛び出してきたゴーストは残ってるピリピリ感に輪郭を震わせていた。
しかしながら文句をつけた相手が素直に謝ってくると腕を組むように袖を重ねつつ、ふんっ、と高圧的に。

「……わかればいいのよ……」

だからといってピリピリ感の謎が解けるわけでもなく、結局首はやや傾げられる。
そして木箱の裏に隠れてしまうリリンには結構分かりやすいため息である。どこに息を貯める場所があるのかは不明。
もう諦めたようにとりあえず木箱越しに会話をしようと話題を探るように火の玉を浮かべてちろちろと揺れる炎を見て。

「…………あなたって教会に縁があったりするの?」

ロアールの街にも教会はあり、そこに透過で入ろうとすると弾かれてしまう。というか痛い。
そこからどうにかしてこの発想にたどり着いたようだ。
驚かせてもお話が続かないためか、ハッキリとした姿を見せてその場に座るように姿勢を下げるのは気まぐれでしかない。

「あとその中のやつ、雪落としときなさいよ」

そこまでやる義理はないとばかりに篭のものに袖を向けた。
735リリ◆55Rq1Tu8Bo :2018/12/08(土)22:11:54 ID:Z2R

────うし、うしし。うしししし。

ちょうど、リリンとゴーストの近くにある小さな茂みが愉快そうに笑った。
がさがさと震えるように揺れる茂み。直後、ぽこぽこと数匹のコ=モがそこから顔を覗かせた。
そして一番最後に、葉っぱとモコモコの間から顔を見せたのは、緑色の髪の毛の子供だった。
リリ、という名前のミノムシ族である。

「うしし、見たです見たです。はーっきりと見たですよ」

「ふふ……やっぱりポン子はポン子です」
「お化けが憑依に失敗するとかダサいにもほどがあるです、ざまぁねぇです」

「やい、そこのニンゲン!なにか僕においしいものをよこせば、そいつの弱点を教えてやるです」
「うしし。まぁ今のポン子なら、弱点を教えるまでもねーかもしれねーですが」

ひょこひょことこれまた楽しそうに頭部の触角を揺らし、2人を見るリリ。
一方コ=モたちはどうもゴーストのことをしっかりと覚えているらしい。
きゅーきゅーと鳴きながら、ちっちゃい目線をゴーストの方に向けていた!
736ゴースト◆L1x45m6BVM :2018/12/08(土)22:53:43 ID:iht
>>735
聞き覚えのある笑い声がする方向にハッとした様子で振り向くゴースト。
コ=モが出てくると、なーんだ、という感想と、警戒の見える雰囲気が見え隠れ。
何せ囓られたり、タックルされたりと色々あったのだ。――そう、出てきたミノ族のおかげで。

「あんたもゴーストになればわかるわよ、この前泥まみれになったくせに」

ゴースト的には実力不足による失敗ではなく仕方ない失敗としてカウントしてるらしい。

「って何言おうとしてるのよ! ていうかポン子はやめなさいよ!」

ゴーストはコ=モを警戒して赤い火の玉で威嚇を謀る!
正直囓られたりしなければ平気なのだがリリが連れる群れはリリの命令次第で動く生物の印象が強い!
故に訂正や制止をしつつも、まったく近付けないのである。リリが動かないならばせめて隙が欲しいと思うところだ。
なおその際コ=モを意図的に視界から外してるのはきっと気のせいじゃない。
737リリ◆55Rq1Tu8Bo :2018/12/08(土)23:10:19 ID:Z2R
>>736
「うしし、言い訳はみっともねーです。失敗は失敗なのです」
「それに、あの時泥まみれになったのはあのピカ野朗のせいです。僕の落ち度じゃねーです」

「やいニンゲン、お前もこんなポンコツお化けにビビるこたぁねーです」
「なんといってもこいつはポン……うし、うしし……、ポン子ですからね!うしし!」

にちゃあ。そんな効果音が後ろについてきそうな笑い方でポン子呼びを続けるリリ。
しかも彼女のことはポンコツ呼ばわりするくせに、自分の落ち度は棚に上げてガン無視する始末だ。タチが悪い。

「しし……うしししし。僕が言うか言わないかはこのニンゲンが決めることです」
「それにしてもポン子、様子が変です。うし、もしかして」

「もしかして…………ビビってやがるですぅ?」

にちゃあ!
一方、リリにくっついているコ=モはゴーストの火を見て微妙に後ずさる。
けれどやっぱりゴーストから目を離していないあたり、完全に怯んだわけではなさそうだ!
738ゴースト◆L1x45m6BVM :2018/12/08(土)23:44:07 ID:iht
>>737
「いや泥まみれになったのはあんたもでしょ……」

ピカ野郎のせいと言われれば確かにそうなのだが、それと泥は話が別とばかり。
袖を組んでまたしても、ふんっ、と偉そうに。
ポン子ポンコツ呼ばわりにはないはずの血管がピクピクしたりしているが、我慢……出来なさそうだ。

「…………囓ってくるじゃない、こいつら」

攻撃してくるのであるから当たり前ではないか、とばかり。
そう、ゴーストは自分から自爆した。苦手なのだと。というか今も膠着状態だ、果たしてどうなるか。

「ていうかあんたも……私売らないわよね……?」

もし。リリンがリリの側に回るとなると――ゴースト的には絶望的である。よくわからないピリピリ娘に苦手なモコモコ。
さてリリンの回答やいかに!
739リリン・カマル◆hHo5Paj/Yc :2018/12/09(日)14:01:44 ID:d50
>>737>>738
「え、えっと、教会には、縁があるっていうか、何ていうか……」

リリンには直接的に教会の縁は存在していない。
確かに体質的な事柄から言えば、教会やそこに所属するような人物と同じ性質だろう。先ほどのピリピリも同じく。
ただしリリン自身は詳しく知る訳ではないので、曖昧な返事をするしかないのであって。

「ふぇっ!? な、なな何ですかぁ!?」

しかし、こんな会話も突然の来客によって終了することになる。
声の届く先には、得体の知れない緑のもこもこ。しかもこちらに向けて喋りかけてくると来た。

話の内容としては、リリンの敵というよりはお化けの敵といった感じか。直接的に襲って来る様な事はないのだろうが。
しかし困ったことがある。リリンは一般的な人間でないモノ、つまり亜人の類いは非常に苦手なのであった。

「なんなんですかぁ……もぅ……」

木箱の背後に隠れてしまい、そこで完全にふさぎ込んでしまう困った状態に。当初に逆戻り状態である。

しかしここで思い出す。先ほどリリが言っていた事を。
あのお化けの弱点などと言ったか。正直双方とも恐ろしいのは事実、あまり素直に信用出来ないが片方でも弱体化出来ればそれに越したことはない。

「…………その弱点、本当に、大丈夫なんですよね……?」

木箱の裏から非常に弱弱しい、今にも消え入りそうな声が鳴る。耳まで入ればいいのだが。
740リリ◆55Rq1Tu8Bo :2018/12/09(日)23:21:54 ID:eSJ
>>738>>739

「…………そういうポン子も、あの時は泥だらけになってたです」
「えぇい、昔のことはいーんです。そんなことより」

「ししし……僕を信じるですニンゲン。ポン子の弱点なんてモコモコにも分かるチョロいもんです」
「その上効果はバツグンなんです。なんといっても今までずーっとポン子はそれに負けっぱなしなんです!」

……負けっぱなしかはさておいて。
リリはそれはもう勝ち誇ったようなドヤ顔をゴーストに向けた後、ちょいちょいとリリンに手を差し出す。
弱点とやらを教えてほしくば先にお礼をよこせと言いたいのだろう。
食料かなにかをリリの小さな手に乗せれば、大きな声で彼はその弱点を高らかに叫ぶことだろう。
「このコ=モ達です!」「ポン子はモコモコが大の苦手なんです!」と。
741ゴースト◆L1x45m6BVM :2018/12/09(日)23:36:24 ID:QvF
>>739>>740
「む、むむ……だからかしら……」

少しでも縁があれば聖属性的なモノがあるのだから弾かれた理由はわかった。
まさかこんな微弱なものでもダメだと言うのは今まで知りようもなかったのだが。

さてリリンは冷静に見ていないために気付きにくいのだろうか、ゴーストはリリンに手が出にくくなっているのである。
逆に聖属性的なモノを感じないリリには全力で抵抗できる。そもそもだ、ゴーストの弱味であるコ=モ相手には最悪透ければセーフ。

だがしかし、なんだかドヤられるとカチンと来る。リリの狙いはきっとご飯なのだろう。
そして少なくとも! リリンはその弱点の一つは持ち合わせてない、つまりやるならリリの手柄を無くしてしまうことだ。

「別に私、そのモコモコ達が苦手なわけじゃないからね! 囓ってくるけど! 群がられるけど!」

リリンが差し出そうとしたか、それとも焦らしているかそのタイミングで盛大に自爆った。
だがこれは肉切骨断戦術! リリに対してのささやかなる抵抗である!
なおこの間は火の玉が消えていたりするのでそういう意味でも隙だらけである。
742リリン・カマル◆hHo5Paj/Yc :2018/12/10(月)00:00:10 ID:bBn
>>740>>741
「えっ……ええっと……」

リリンは困った。弱点を教えると言われても、もこもこのリリに近づくのは怖い。
しかしこのままあのお化けに付きまとわれるのももっと怖い。何より食べられるかもしれないし。
しばしの間、木箱の裏で固まったまま思考を重ねるリリン。

踏ん切りがついたのか、リリの差し出された手に籠から取り出したお芋を一つ置いて。
殆どリリからの回答を得たと同時に、お化け本人からの回答編を受ける。これで弱点は分かったも同然。

「こ、これが弱点……でもこれって……」

本番はココから。リリンの苦手リストにはあのもこもこのコ=モもしっかりと載っているのである。
どちらかと言えば愛玩動物に近いそれだが、リリンにとってはそういう訳にもいかなくて。
リリの身体にまとわりつくそれに手を伸ばしたり、直前で引っ込めたり。なかなか目的にはたどり着かない。

だがお化けへの恐怖が勝ったのか、ついにリリから一匹のコ=モを鷲掴み。
その時の表情と言えば、それはもう大層怯えていて。高いところに上ったはいいがそれ以上動けなくなった猫を彷彿とさせる。

「ふぇっ!? 噛みつく!? キャーーーー!!!」

しかしお化けからの言葉にビビったのか、思わず放り投げる要領で手にしたコ=モをブン投げる。
その方向は、果たしてどこへ行ったやら。運良くお化けへと向かってくれればいいのだろうが。
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    【ほのぼのとした夏と】ファンタジーライフPart.5【平穏な日常】