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ここだけ変身バトルもの

1DL0Tb0TcnuJY:2017/11/28(火)00:08:24 ID:TNk()
<ここだけ変身バトルもの>

はるか昔よりこの世界には精霊と呼ばれる存在があった。
その姿は人の目に映ることはなく、現実世界に干渉する為の実体も有さない、宛ら幻のような存在。
しかし何時の時代にもイレギュラーは存在する。稀にだが精霊を知覚し、彼等と言葉を交わすことを可能とする人間が現れる。
これは精霊と契約を結び、人間を超越した姿へと”変身”する力を手に入れた人々…即ち”契約者”達の物語。

精霊が人間と契約を結ぶ、その理由は様々だ。
正義、慈愛、打算、復讐、享楽、気まぐれ…精霊は常に何かしらの理由があって、契約者に人を超える為の力を与えくれる。
そして精霊との契約によって力を手に入れた人間が、その力をどのように使うかも定められてはいない。
その力を人助けの為に使う者が入れば、人を傷つける為に使う者も存在する。そしてそこには必然的に、正義と悪の対立構造が生じることになるだろう。

また、この世界には精霊とは別に、もう一つ超常の存在が潜んでいる。
魔獣と呼ばれるそれらは精霊と同じく普通の人間の目には映らず、しかし人々に様々な形で人々に危害を加える危険な存在。
彼等と戦うこともまた、精霊と契約を結んだ人間にのみ可能な役目。
その力を他者の為に使うか、それとも利己の為のみに使うか。人の数だけ在り方があり、人の数だけ物語がある。

さあ…君はどのような物語を紡ぐ?


準備スレ
http://kohada.open2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1511711411/
2DL0Tb0TcnuJY :2017/11/28(火)00:09:20 ID:TNk()
基本設定

<精霊>
はるか昔よりこの世界に存在する、人には見えない超常の存在。
普段は決して人間と関わることがないが、稀に出現する彼等の存在を知覚することが可能な人間が現れる場合があり、精霊はそういった人間と契約を交わす場合がある。
そして契約を交わすことで精霊は己が力を契約者に与え、契約者は変身を遂げることでその力を行使できるようになる。
また、多くの精霊は人間に対して友好的であるものの、その全てが全て人間にとって純粋な味方という訳でもない。
人を助けたい一心で契約を行う精霊がいる一方で、契約の対価として何かを求める、あるいは初めから人を利用する気の精霊も一部には存在するのだから。

<契約者>
精霊と契約を交わし、変身する力を手に入れた者達。
変身した姿は精霊の特性や人間の気質などいった要素に左右されるようだが、その姿はまさしく千差万別である。
甲冑の闘士、華やかな魔法少女、鋼鉄の機械、獣の如き亜人……精霊によってもたらされたその力はまさしく人智を超越するものであり、その力をどう使うかは契約者次第である。
ただ、人を助ける為だけにその力を使う者がいれば、我欲を満たす為だけにその力を使う者もいる。だからこそ、契約者同士の戦いは決して珍しくも何ともない。
また、変身中の契約者には常に記憶阻害の力が働く。これは己の姿を見た者に対して、その記憶から己に関する情報を忘れさせてしまうというもの。
つまり変身中の契約者が一般人を助けた場合、この力によって助けられた者は誰かに助けられたことまでは覚えていても、誰に助けられたかまでは忘れてしまう場合が殆どである。

<魔獣>
人型、獣型、異形型まで、様々な姿のものが存在する。
しかし全ての魔獣に共通して言えることは、それらは一眼見ただけで敵と分かる凶暴な、或いは凶々しい姿をしているということ。
その姿は人間の目に映るものの、変身した契約者と同じように記憶阻害の力を有しており、一般人がその存在を記憶に止めておくことは難しい。
人間、そして精霊に対して危害を加える存在であることに間違いないが、中には固有の能力を有する魔獣も存在する為、決して侮ることはできない。
しかしその一方で魔獣がどのようなプロセスを経て誕生するのかについては一切が謎に包まれている。
以下は魔獣の一例であり、多くの個体が確認されている一般種である。ロールでモブ敵に困った時に利用しよう。
・黒球型
漆黒の球体状をした魔獣。サイズは人間大であるが、動作は緩慢であり、基本的に複数体の群で行動する。
体表から触手のようなものを伸ばして鞭のように攻撃を行うが、変身した契約者にとっては大きな脅威ではないだろう。
・魔狼型
灰色の狼の姿をした赤い眼の魔獣。しかしその体格は通常の狼よりも一回りもふた回りも大きく、特に巨大な個体であればその体格は熊にも匹敵しかねない。
固有の能力こそ持たないものの鋭い牙と爪、そしてその健脚は人間にとっては十分な脅威であり、夜な夜な出現しては狩りを行うかのように人々に襲いかかる。
3DL0Tb0TcnuJY :2017/11/28(火)00:09:41 ID:TNk()
<おとぎり市>
この物語の舞台となる街。開発の進む都市部と古くからの景観を残す市街地が、街の中心を流れる川によって分けられているのが特徴的な地方都市。
一般的な日本の都市、街にあるようなものであれば大抵は存在する。小学校から大学までは当然のこと、ショッピングモールもあれば商店街も存在し、都市部には摩天楼がある一方で郊外には自然豊かな景観も残されている。
住み心地の良い街として評価される一方で、最近では不審な目撃情報が幾つも噂されているが…それが契約者に関するものであると知っているのはごく僅か。

<同盟>
有志の契約者たちによって結成された、契約者の契約者による契約者の為の後方支援組織。
と言ってもあくまで有志による個人レベルでの集いなので、実際には組織と言うほど大それた集まりでもなく、厳密な役職や階級がある訳でもない。
新人契約者の教導から救援に共闘、戦闘の後片付け、事故に見せかけた偽装工作と言った様々な活動を行っており、契約者にとっては助けとなる存在であることに違いはないだろう。
4G6GxBsRptU :2017/11/28(火)19:28:14 ID:wK2
おとぎり市。日もとうに沈んで、地方都市を夜の帳と霧が包む。
川に掛かる広い橋。交通も絶えて久しいその中程に、一人の男が居た。

いや、男と分かるのはその骨格のみであり、顔立ちや年齢は、一切隠れていと。なぜならーーーー
暗緑色の鎧に大柄な身体を包み、鋼の盾を背負った異形。
武骨な両腕を持ち上げる奥から炯々と輝くゴーグル。見据える先は暗がりに揺らぐ影たち。
異形は一つではない。彼の“敵”もまたそこに居た。

それは謎の球体、宙空に浮かび、のろのろと緩慢に蠢く様子は一見危険は少ないように見える。
だが、数が異常だった。
ざっと20は居るだろうか。更に目を凝らせば、奥には獣のごときシルエットも。
それだけの郡勢に囲まれると、どんな屈強な男性であろうと泣き言を漏らしたくなろう。
合図もなく一斉に球体から伸びる触手。無数の黒い波と化して男を鞭打つ。

「ぐっ、……!」

数多の触手を、時折迫る爪を、牙を避け、下がり、躱し、或いは受け。
映画に出てくるヒーローのように、華麗な身のこなしは、そこにはなく。たたらを踏み躓き転がり、しかし決して退くことだけはない。
鋼の表面に傷がつくたび、喰い縛った歯の隙間より零れる呻き。ただ、ただ、耐えた。
肉と金属が何度もぶつかり、不規則で不気味な音は、やがて男の攻勢へ転ずる。

「だおらぁッ!!」

パンチ、パンチ、パンチ。シンプルな攻撃の繰返し。
指先まで鋼に覆われた拳が突き刺さり、最後に残った闇色の球体は跡形もなく霧散する。
残心ーーかっ、とマスクの下で熱い息を吐いた。

「……っし! これで全部だな」
『いや、一部逃がしたぞ。南東に魔狼型2体じゃ』
「よりによって厄介な方じゃねえかっ、気づいてたなら早く言えよ!」
『先程は戦いに夢中だった癖にのう……』

一息いれる暇もなく、すぐ横から無情な通知が下る。
嗄れ声で注意を促したのは、宙に浮かぶ老いた亀。
浮遊し喋る爬虫類という異常に特段驚く様子もなく、ただ一つ舌打ちを漏らし。
腕を振って膝を蹴りあげれば、アスファルトを踏みしめ、ダークグリーンの鎧は二輪車もかくやという速度で走り出す。

疾駆する灰色と追走する緑。徐々にその差が詰まり始めたところで、舞台は川縁の住宅街に移行していた。人の気配が多い周辺。不味い。
不運は重なる。電灯に照される人影。足取りからして酔ったサラリーマンだろうか。
くそっ、と男に焦りの色が浮かぶ。前方を走る獣らが気付かない筈もなく。男の健脚をもってしても直ぐには届かない。

いつでも助けが間に合うとは限らない。彼は決してお伽噺のヒーローではないのだから。
5『緋影』◆DL0Tb0TcnuJY :2017/11/28(火)21:55:36 ID:TNk()
>>4

男へと迫る魔獣の凶爪。その脅威から逃れる術が巻き込まれてしまっただけの不幸な彼に在るはずもなく。
その切っ先が彼の首に届き、一息に切り裂こうとする、その瞬間ーーー二匹の魔獣は今来たばかりの方角に向けて勢いよく吹き飛ばされた。
苦悶と忿怒が混ざり合った獣の鳴き声が、夜闇の中に響き渡る。

今しがた襲われようとしていた男の目の前に立ち塞がるようにして、その者はいつの間にか現れていた。
宛ら、人々の窮地に颯爽と現れるヒーローの如く。尤も、その風貌は所謂一般的なヒーロー像とはかけ離れたものだった。
漆黒の装甲を全身に纏い、瞳の在るべき場所には不気味な真紅の光を浮かべる、幽鬼が如き不吉な風貌。人の味方とは、到底思えないその姿は。

しかし一つだけ確かなことは、その何者かが立て続けに放った蹴りが、二匹の魔獣を食い止めたということ。
所謂ヒーローとはかけ離れたその何者かは確かに魔獣と敵対するものに違いなく、そして同じ立場の者で在るならば、すぐに理解することが可能だろう……彼が同業者である、と。

「間一髪って所だったか……おい、そっちに一匹逃げたぞ」

そう告げたのは男の声だった。そしてその言葉通り、いち早く復帰した狼は狙いを一般人からダークグリーンの鎧へと切り替えたなら、怒りのままに飛びかかろうとするだろう。
手負いの獣ほど恐ろしいものはない。しかし手負いの獣だからこそ、あくまでその動作は直線的で、怒りに身を任せたものだった。
だからこそーーー決して反撃は困難ではない。同時にもう一匹の狼が漆黒の鎧に向けて突進を開始するが、彼はあくまで余裕を残した姿勢のまま、迎撃の構えをとる。
6G6GxBsRptU :2017/11/28(火)22:26:54 ID:PeC
>>5

『ほう……。玄よ、どうにか間に合ったようじゃの』

“それ”に気付いたのは、相方の老亀か先だった。
手を伸ばした先に降り下ろされる凶爪、思わず目を瞑りかけた視界の隅に、新たな影が走る。
それの正体に気付いたとき、我知らず男は足を止め。呆然と、そして安堵の息をついた。

「契約者、か……。 こっちでは初めて会うな」

類似した風貌の二人は、魔獣と一般人を挟んで対峙する。
視線がかち合ったのは一瞬。男の方は体勢を取り戻した敵を見てすかさず、未だ混乱の渦中にいるサラリーマンを背後に押しやる。

「強そうな奴で助かったぜ」

片目にもう一匹の方を収めながら呟く。
2体同時に襲われれば手こずったが、幸い今は強力な味方が向こうにいる。
彼が足止めしてくれているなら一匹は確実に自分がーーーー
背中に手をやると同時に強襲する魔獣。

「んぬぅッ、ッ」

鎧の靴底が地面を削る。
魔獣の体当たりを真正面から受け、止めきれない男の体が2、3m押された。
鋭い牙と爪は届かない。身体の前面に構えた円形の盾が、恐ろしい武器が食い込むのを阻止していた。
防御の奥で振りかぶるは右の鉄拳。

「もう一丁食らえッ!」

ロングフックを魔獣目掛け、漆黒の男が蹴った辺りを強かに殴り付ける。
先んじて痛めた箇所へ、コンクリートを容易く凹ます一撃を受け、魔獣は悲痛な絶叫と共に消え失せた。
だが終わりでない、これで残るは一匹。盾を片手に拳を構え振り返る。
漆黒の男の手筈は如何にーーーー
7『緋影』◆DL0Tb0TcnuJY :2017/11/28(火)22:48:29 ID:TNk()
>>6

「おう、お見事」

まだ名も知らぬ契約者が魔狼を撃退する様を尻目に、その手際を讃えるように呟いたなら、眼前の敵に集中する。
仲間が撃破された為が、怒りのまま愚直に飛びかかってきた狼に対して、漆黒の鎧が行った行動は至ってシンプル。
ただ、その顔面鼻先に向けてーーーー硬く握り締められた正拳を真っ直ぐに叩き込んだ。

狼の姿勢が崩れる。悲鳴をあげる暇も与えず、追撃とばかりに腹に蹴りを撃ち込んで上空数メートルまで弾き飛ばす。
そうして狼が地面に叩きつけられ、微かな鳴き声を残して消滅するのを確認したならば、漆黒の鎧も戦闘態勢を解くだろう。

「さーて、と。さっさとどっか行っちまいなおっさん、命があるだけ儲けもんだ」

そう告げられたサラリーマンは、慌てて立ち上がるとお礼もそこそこに逃げるように駆け出していく。
これは夢か、それともアルコールが見せる幻か、彼がどのような心境かはわからないが、すぐに今宵のことは忘れてしまうことだろう。
そういう風な力が働いているのだ。魔獣にも、契約者にも、一般人がその存在を記憶にずっと留めておくことは、非常に難しいことなのだから。

「……さて、と」

そして漆黒の鎧の視線は、再びもう一人の契約者へと向けられる。
煌々と光る真紅の眼は、まるで相手が敵か味方かどうかを見定めるようにして。

しかしーーーー探るような視線はすぐに消えるだろう。
そもそも、見ず知らずのサラリーマンを助けようとしていた者同士。今更何を警戒する必要があるだろうか。

「あー……ひとまずサンキューな。それから、お疲れさん」

周囲に魔獣の気配はない。取り敢えずは、今宵の平和は守られたと言ったところか。
8G6GxBsRptU :2017/11/28(火)23:09:27 ID:PeC
>>7

「ぅおっ、強え……」
『うむ、腕っぷしは明らかにお主より上手(うわて)じゃのう』

防御はおろか強烈なカウンターで返す光景に、男と相方は素直な呻きを漏らす。
鮮やかな手並みにこちらの出る幕はなし。
漆黒の男の強さと比べれば、傷だらけの此方は恥ずかしくなるほどだ。
盾を背に戻し、再び両者はゴーグルを通して向き合う。

「いや、俺の方こそ助かった。すまん……今の二匹は俺の取り零しだったもんで」
『他人に尻を拭かせ感謝されていれば世話ないのう』

うるせえ、と口中で毒づくも、事実ゆえに言葉に詰まる。
相方の言葉でこれ以上変な空気になる前に、強引に言葉を繋いだ。

「あー、俺は玄武(ゲンブ)、こっちはかめじいだ」
『こら、さらりと嘘を教えるでない。儂の名はスルフェファーじゃ』

よろしく、と咄嗟に出したのは変身時に使う名の方。
お互い顔を隠しているだけに、本名を名乗れる雰囲気ではなかった。
相方の抗議を放置し、明るい声で向こうの名を尋ねるだろう。
9『緋影』◆DL0Tb0TcnuJY :2017/11/28(火)23:47:09 ID:TNk()
>>8

「あー、そりゃそうだな。危く本名言っちまう所だった
 えっと確か……『緋影』だったな。んでこっちが……」

その言葉に合わせるように、虚空から彼の精霊が姿を現した。
ぼろぼろの布切れで姿を隠した、まるで幽霊のようなその精霊は、出現下は良いものの一向に何も喋らない。
話す気がないだけなのか、ただ無口なだけか、そもそも言葉を交わす機能がないのか。
不気味に空中を漂うこと十数秒、先に口を開いたのはこのままでは埒が明かないと察した男の方だった。

「……『緋月』だ。悪いな、殆ど滅多に喋らない奴なんだよコイツ」

緋月という名の精霊は折角のフォローにも特に反応を示さず、そのまま虚空へと溶け込むように消えていく。
相手の精霊とは全く対照的であり、意思の疎通が問題なく行われているというだけでも羨ましさを抱く男だったが。

僅かな溜息を零したなら、そのまま夜道に向けて歩き出すだろう。
片手をひらひらと降って、彼等に向けた別れの挨拶としたならば。
魔獣は倒せたし、悪人ではない契約者とも知り合うことができた。戦う必要がなければ、これ以上この姿で此処にいる理由もない。

「それじゃ、運がよければまた会おうぜ。おっさん」

おっさんという言葉は、果たして精霊に向けたものか、それともダークグリーンの鎧の中に向けた言葉か。
漆黒の鎧は地面を蹴ると建造物の屋上に飛び上がり、そのままどこかへと姿を消していった。
10風谷繊 ◆mfsGxb4F3s :2017/11/29(水)01:17:19 ID:CQB
夜、人通りも少なくなった摩天楼の根元。
そこに立つのは二人の人影。

「いい、風谷さん?契約者は魔獣って化け物と……」
「ふっ、ぁ~あぁ……さーせん、まだ続くのこれ?」
『どうかーん』

それは契約者が観れば『同盟』メンバーらしいと推測できる年長者の女と、へそ出しホットパンツといった全体的に露出度が高めの少女。
露出度高めのほうには、さらに手のひらより一回り大きい程度の車輪……精霊「ウィール」が周りを回る。

「こんなつまらない授業、延々よく続けられるね」
『どうかーん』
「つまらない面白いの問題じゃないんです!これは契約者として必要な˝っ!?」

説教を遮ったのは、唐突な少女の足での一閃だった。
尋常な速度でない回し蹴りは女の側頭部に命中し、数mほど吹っ飛ばした。

「ううっ……!?」
『おー、いいねぇリアクション!』
「そこまで?まぁちょっとは面白かったかな。さーて……」

女へと、少女はゆっくり歩み寄る。

「契約者にとって一番必要なことを見せて、めでたいめでたい卒業、だけど?」
11弥富 恵利◆X8kRkqcMew :2017/11/29(水)01:48:24 ID:bW3
>>10
「今日は随分と賑やかだねぇ、"同盟"さん?」

建物の影から一人の女性が静かに姿を現す。
長袖シャツにジャージのズボンという姿の彼女は、一見ならばコンビニにでも買い付けに来た一般人と見えるだろう。
ただ一つ、彼女の周囲に謎の金属球が一つ浮遊していなければ、の話であるが。

「その子が新しい契約者かな? その様子じゃえらく手を焼いてるみたいだ。教育する立場にいるのは大変だねぇ」

まるで"同盟"の女を知っているかのような言葉を素振りで、ゆっくりと二人の元へと歩み寄っていく。
地面に倒れ伏す女と、彼女をそのような姿にした元凶である少女の姿を、好奇心を多量に含んだ目が何度も往復する。
少女との距離が影三つ分ほどの距離にまで至った時、女性の足はピタリと止まる。

「私もあんまり直接的なのは得意な方ではないんだ。出来れば素直に言う事を……まあ、無理だよねぇ。分かるよその気持ち。
 突然こんな力手にしたら暴れたくもなるよ。生憎私はそういうタイプじゃなかったんだけど」

「堅苦しい挨拶も話も切り上げよう。気が向いたらするかもしれないけど、その時はその時だ。私はあの人とは違う」

一度下げられた頭が再び上げられた時、そこにあったのは緩やかな笑顔。
心地よい風が吹く草原の中、共に訪れた相手へ向けて優しく語りかけるような、そんな顔。

「ようこそ契約者くん」

告げられた言葉は一つだけ。
12風谷繊 ◆mfsGxb4F3s :2017/11/29(水)02:29:05 ID:CQB
>>11

「別に暴れたいわけじゃないし。面白ければ何でもいーし?」

悪びれる様子もなく、女へと振り返って答える少女。
車輪の中心の大きな目玉は、不躾にじろじろと鉄球と女を交互に見つめながらくるくる回っている……

『どーもどーも、いやーいーねー、お姉さん。妙に回りくどいのはあれだけど』
「で?何?」

とん、とん、とんとダンスのステップを確認するように足踏みをしながら問う。
その目線にはいかがわしさと、若干の面白さへの期待。
13弥富 恵利◆X8kRkqcMew :2017/11/29(水)03:01:10 ID:bW3
>>12
「面白い、か」

「実にいいじゃないか。人間なんてそんなものだ。第一私もやりたい事をやっているだけに過ぎないからね。魔獣退治はそのついでに過ぎない」

女性の笑顔は変わらない。いや、寧ろその笑みは先ほどに増して濃くなっているようにも見える。
相手を見つけた? 同志を? 仲間を? 答えはわからない。ただ其処には彼女の笑みがあるだけだ。

「悪いね、どうも後輩くんの前に立つと良い所を見せようとしてしまうんだ。これでも一応年上で、大人な訳だから。
 この時期の年頃の子と話すのは難しいよ。私も辿って来たはずなんだけどね、どうも説教臭くなってしまう。勘弁してほしい」

少女に向けて軽く一礼。普段から染みついているのであろう、社会人らしい60度に傾けられた上体が下がる。
彼女が頭を再び上げた時、そこにはもう先ほどまでの笑みは存在していなかった。

「さて、世間話はこの辺りにしておこう。長話を聞くのも君にとっても面倒なことだろうからね」

「精霊と邂逅した、ということは、君も目にしたことがあるはずだ。あの魔獣の姿を。
 奴らはどこからともなく現れ、私たち人間に害を成す。記憶には無いかい? 先日には無かったはずの壁の傷を。突如として破壊された放置物を。
 それらを狩るのが私たちの役目なんだ。君の所にいる精霊に魅入られた者の役目」

「だが、私は気になる箇所がある。奴らが一体何者か。そしてどこから現れ、何処へ消えていくのか。
 そして何より、なぜ私たち契約者と同様に人々の記憶に残らないのか……。興味はないかい?」

居ないはずの観衆に向けて語りかけるかのように、手ぶりを交えながら彼女は少女へと言葉を進める。
14風谷繊 ◆mfsGxb4F3s :2017/11/30(木)13:12:12 ID:RG2
>>12

「へぇー。そんなのいるんだ。そうなの」
『そーだよー』

手慣れた様子でくるくると踊りながら、おおよそ影一つ分距離を詰める。
女を見つめる目には、笑みが混じる。

「理由とか役目とかはどーでもいいけど、狩りってのは面白そうじゃん。
 暴れたいわけじゃないけどさ、やっぱこんな力持ってんなら使いたくないって言うとウソになるし?」

軽やかに、また影一つ分歩を進める。

「あっ、面白かったら探偵ごっこにも付き合ったげてもいーけど?
 とりあえず、どこまで進んでるのか聞いてもいーい?」

さらに、一歩。
そして、いたずらっぽく下から女の頬をつんとつつこうとする。
無邪気な所作。だが、その無邪気は残酷と表裏一体。
「つまらない」ともし思わせてしまったならば、少女はその表情のまま「同盟」の女にしたようなことを仕掛けるだろう。
15弥富 恵利◆X8kRkqcMew :2017/11/30(木)21:45:50 ID:FXH
>>14
「ほう、食いついてきたね。君ならそう言うと思ってたよ」

「別に私は君が暴れる事に関して諫める気も咎める気もないよ。こんな力を持った以上は使いたくなったとしても、それは正常な精神を持っている証拠だ、と言いたいだけ。
 現時点では、あの魔獣に対して口を利く方法も大人しくさせる方法も見つかってない以上、力を持って鎮圧するしかない、というだけさ」

少女が詰め寄り女性の頬を突こうとも、彼女の目線は真っすぐに少女の眼へと向かうだけ。
少女の奥の奥、さらに奥を覗き込んでいるかのような姿勢はずっと変わらない。

「君は一つ勘違いをしているね。まずこれは探偵ごっこなんかじゃない。この行為にそんな崇高な目的なんてないんだ。ただの趣味だから。
 この疑問は私が契約者になった時からずっと頭の中で渦巻いてた物なんだ。私はそれを解き明かしたいだけ」

少女が何をしようが、女性には関係ない。例えその足が側頭部へと振るわれようとも、下がるようなことはしないだろう。
だからこそ、寧ろ彼女は前に出た。頬へと伸びる指が、少女ほど滑らかではないが以前ハリの濃く残る頬の肉を大きく撓ませる。

「いいよ。気になるのならば教えてあげよう」

「未だ魔獣の謎は多い。奴らは生命活動が終わればすぐに消失してしまう特性がある。死体として残らない以上は調べようがない訳だ。
 まだまだ分からないことだらけだよ。でも、そんな簡単に理解できては面白くない。そう思わないかい?」

「あと一つ。奴らの存在は一般人には感知されない。いや、見たとしてもすぐに忘れてしまうと言う方が正しいかな。私たちと一緒だよ。
 不思議だと思わないかい? 何で私たちも奴らも見えないんだろうね? まるで同族みたいじゃないか」

好奇心を多量に含んだ瞳が少女のごく至近距離から向けられる。
近眼を矯正するレンズ越しに見ても、その瞳は随分と大きく見えることだろう。

「君の興味に触れるかどうかはわからない。でも、ただ暴れるよりかはより楽しめると思うけどね」

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