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ここだけポケモン世界の都市ロールスレ

1mMItnivpDI:2018/04/14(土)21:09:34 ID:01g()
ポケットモンスターの世界へようこそ!
ここはナナイタシティ、とある地方の中核都市で、自然と街が共存する大都会。
今日も此処で人はポケモンと共に集い、戦い、力を合わせて暮らしている。
街の至る所でトレーナー達が腕を磨き、またポケモンと一緒に絆を深めているのだ。
さぁ、キミも夢と冒険とポケットモンスターの世界へ!

【ルール】

・タイプの相性・特性・性格補正などは絶対ではありません
・技の効果も絶対ではありません、アニメのように自由に戦ってください
・バトルはとにかくいい感じにプロレスすればOKです
・手持ちは最大3匹まで、バトルは1vs1制
・禁伝・幻無し、UBと準伝は応相談
・Z技、メガ進化、その他一撃必殺技などは応相談

wiki
https://www65.atwiki.jp/openpokemon/pages/1.html
455ロータ◆33A2nm/b.SOC :2018/05/04(金)23:21:31 ID:qY8
>>454
「いやーっちょっとそのすいませんお金は実のところ一文も持ってないんですよいや申し訳ないことに」
「っせんだよグチャグチャくっちゃべってんじゃねぇ!」「金がねぇならポケモンなり技マシンなり出しやがれ!」
「殺されてーのかクソガキ!オオ!?」「あんま調子乗っちゃうとマジコロだよ?スマートホーンぶちこんじゃうよ?」

飴に群がる蟻のような光景
一人の頼りなさげな青年が土下座の体勢で集団に囲まれているではないか

「ああも、うっさいなぁ……無いものは無いんですってどーかこの通り、寛容に事を運んでくださるとですねー?」

不良の持っているココドラやストライクが青年をこづいて脅しをかけている
青年はいい加減うっとおしさを感じつつもポケモンを出して抵抗する様子もないようだった
456エニグマ◆7LQ07W1ZOU :2018/05/04(金)23:31:44 ID:JGK
>>455
身内なのかは知らないが、チンピラによる、いわば『稼ぎ』中だったらしい。
彼らにとっては今晩楽しく過ごせるかどうかの境界線だ。死活問題なんだろう。なんだろうが、なんだろう。

「志が低いっつーんだよな。」

「オイオッサン今なんつった?」「舐めてんの?俺ら舐めてんの?」
「オッサン、コイツの代わりに金出せよ。」

別のエサが紛れ込んできたとでも思ったのだろうか。
男の何気ない呟きはどうやらチンピラたちの耳にも入ってきたらしい。

「ええ……。勘弁しろや。おじさんから毟るこたぁ無いだろ?」
「ちょっとそこの坊やもさ。絡まれてたのそっちでしょ?助けてよ。」

逃がさねえぞこの野郎、と男は土下座の少年に声をかける。
457キャスタナ◆mMItnivpDI :2018/05/05(土)00:14:01 ID:nYs
>>430

傍らに歩み寄ってきたスパーダにもキャスタナは、精悍な目つきを緩めることはなく。
最初のぶっきらぼうな態度は消え失せ、パルシェンの高速機動を真剣に目で追っている。

『ギュルルン!!ドギャン!!ドギャン!!』

パルシェンは時折、キリキザンが全力移動できる、両足で動ける範囲に絞って偏差射撃を試みている。
加えて、その機動は土煙に紛れて常にキリキザンの死角に移動しながら、段々と近づいてくるのがわかる。
言うまでもなく、威力を上げるためと、カウンターの範囲を見極めるため。
目は血走ったままだが、見せる表情に一瞬、不適な笑みが見えた。キリキザンの腕の届くギリギリの位置に、パルシェンが急加速してくる。

「好きにして。聞き流しておくから」

彼女はバトルを観察しながら携帯のカメラで時折動きを取っている。
パルシェンが殻を破って動くことは彼にとってもすさまじい負担な筈だ。訓練だけでは得がたい動きが、今のバトルには詰め込まれている。

落ちた氷柱針は溶けながら、次第に地面を濡らしていく。ふとした位置にも、鋭く尖った氷柱の撒きびしが突き立っている。
458スパーダ◆ZlivUeMr0PTi :2018/05/05(土)00:41:36 ID:TMx
>>457
「そうかい?じゃあ勝手に話させてもらおう」

まるで会話になっていない、辛辣な言葉の裏にある拒否の旨を理解していないのか……否、彼は流石にそこまで空気の読めない人間ではない。
敢えて興味が無いと言われていようと話を続ける、何故かと問われれば、それは彼がバトルに対してどのように考えているかの違いだ。
スパーダにとって、ポケモンバトルに求めるのは『勝利』ではない、勝敗の是非ではなく、それ自体に付随する感情にこそ意味を見出している。

───つまり、彼はバトルをコミュニケーションの手段として考えているのだ、このバトルにおいてもキャスタナという少女とのコミュニケーションだと思っている。
故に会話を無理矢理にでも交わそうとする……だって悲しいだろう?折角自分が腕を掛けて絆を結んだポケモン同士を見せ合っているのに、褒め言葉の一つも交わされないなんて。

「彼はね、シンオウ地方を公演で回っている時に出会ったんだ」
「知ってるかい?シンオウ地方にキリキザンとコマタナは本来生息していないんだよ、にも関わらず僕は彼と出会った」
「───まだ幼いコマタナがたった一匹で、寒い森の中にいたんだ」

「───ザンっ!!」

視線で追うのがやっとの速さを、必死に死角に逃すまいと追いながら激しい攻撃に対応する。
一歩、また一歩と壁際に追い詰められながら、それでも攻撃する隙は見つからず、オマケに凍った地面が不意に脚に刺さってそれも細かいダメージを蓄積していく。
苛立ち、キリキザンの胸には焦燥とそれが段々と溜まって行き、ごく僅かながら少しずつ動きが大雑把になってきた。

「きっと、産まれてすぐに捨てられたんだろう、どこの誰がそうしたかはわからないけれど」
「何もわからない、家族も同族もいない土地で一人、それでも必死に彼は生きてたんだ」
「僕が最初に握手を求めた時も警戒されてね、あの時は大変だったよ」

「ザッ───!?」

懐かしそうに思い出しながら語るスパーダ、その目の前では激しい戦いに動きがあった。
キリキザンの目の前に突如としてパルシェンが迫る、不意に大きくなるシルエットにキリキザンは怯みながらも、右腕を振り下ろしてかわらわりで迎撃しようとした。
……が、やはり怯んだ分攻撃動作が遅い、パルシェンの素早さならその前にいくらでも攻撃を入れられるだろう。
459ロータ◆33A2nm/b.SOC :2018/05/05(土)01:10:26 ID:EOk
>>456

「えー」

案の定そそくさと逃げようとしていた青年はくるりと振り向いて、露骨に嫌そうな顔をした

「おじさん、僕そう言うの苦手なんですよ。
そっちこそ、そいつらぐらいなら軽く捻れるでしょ?わかりますよ、同じトレーナーとして、大体見れば
だからどうかここは――」

「テメェやっぱバカにしてんだよなぁこっちのことよぉ!?」「もう面倒だ、二人まとめてやっちまえ!」「テメーら明日の朝にはナナイタ湾でバスラオの餌だコラァ!!」


「あーもう」

どんどん状況はめんどくさくなっていく
ロータの腰にかけられたボールのひとつが震え始めた、もう我慢できないと言いたげに
しかたない。ポリシーを曲げよう、時には
そう思いながらボールを取り、ボタンを押す


瞬間、現れたグソクムシャが不良の一人の頭に向かって渾身の力で腕を振るった
周囲がしんとする。血がぽたぽたと垂れる音がする。良くわからない声をあげながらぺたりと尻餅をついた不良の一人の顔には、決して深くない傷跡が一筋

『グシュァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!』


殺されてーのかてめえらああああああああああああ
そんなところだろうか。

「あー、こいつ暴れたらトレーナーもポケモンもおかまいなしだけど、それでもやる?
いまの的はずしちゃっただけで、本当ならそこの彼は多分頭の原型止めてない」

ロータが痛む頭を抑えながらそう言うと、まず傷をつけられた不良が逃げ出し、他のメンバーもそれに追随して逃げ始めた

「……納得いかない。これで良いのだろうか」


ロータはそう言いながらいまだ興奮冷めやらぬ様子でハーハーと熱い息を吐くグソクムシャを撫でて、なだめると、ボールに戻した

「いや、全くご迷惑おかけしまして」

ふとエニグマにそう言う
460エニグマ◆7LQ07W1ZOU :2018/05/05(土)18:34:52 ID:3dj
>>459
「uh-oh」

グソクムシャ。むしタイプらしからぬ怪力は有名なところだが、図鑑と実物では迫力が違う。
まるで相撲取りに全力でド突かれたか、軽車両とぶつかったかのようなエネルギー。
流石にチンピラ、逃げる様が板についてる。こうそくいどうで明日へと去っていくのは、見ていて爽快でもある。

「いやいや。すまねえな助けてもらっちゃったよ。」
「お互い災難だったってことかな。」

とはいうのはあくまで謙遜か。
お互いがお互い、悪党に襲われたとは思えない涼しい顔。災難を災難とも思ってない様子だ。
ブラッキーが足元に擦り寄ってくる。

「にしてもお宅のグソクムシャ、ありゃすげぇな。」
「あんな強力なのがいたら、お宅があんなチンピラ相手に頭下げる必要もねえんじゃねえのか。」
461ロータ◆33A2nm/b.SOC :2018/05/05(土)20:07:22 ID:pTj
>>460

「祖父母の影響でね」

脳内に、軍服をマントのように翻らせる祖父の顔が浮かぶ

「『ポケモンに頼るな、人間の事は人間だけで解決しろ』ってのがポリシーでして。あと僕のしんげんは極めつけにアレですから」

いまだ怒りを抑えきれていないようで、ぼたぼたと口からよだれが溢れている
なるほど、これを下手に振るえば、最悪死人が出かねない

「できるかぎり、謝ったりお金を渡して帰って貰うようにしてるんです、ああいう手合いは。今回は金が全くなくて弱りましたけどね」
462エニグマ◆7LQ07W1ZOU :2018/05/05(土)21:34:55 ID:3dj
>>461
「立派なポリシーだが、命あっての物種って言葉もあるぜ?」
「とはいえ、あんな力をひけらかして暴れ回るだけのチンピラよりは幾倍人間が出来てるか。」

それに、こんな凶暴なポケモンが立ちはだかったら仕事がしにくくて仕方がない、と男は内心ありがたく思ってもいた。
ポンチョの裏から何かをゴソゴソと探す。

「それならこんな時間にこんなとこうろつくなって。俺が言えたことじゃねえがな。」
「まぁ、そんな手持ちがいるなら、いざって時は安心ってか。ほれ。」

そう言うと、男性はポンチョの中から何かを取り出し、少年へと放る。
手に取ればわかるだろうが、所謂換金アイテム、『でかいきんのたま』。
決して卑猥な意味合いは無い。

「助けてもらっちゃったからなぁ。こいつぁ『お礼』だ。」
463ロータ◆33A2nm/b.SOC :2018/05/05(土)21:43:09 ID:pTj
>>462

「……良いんですか?僕今かなりお金に困ってますから、貰っちゃいますよこれ」

と言いつつもすぐさまポケットにしまっている辺り彼のお金不足は結構深刻らしい
ここだけの話、回復薬なんて上等なものは使えないので道端に生っているオボンの実などを使っている

「とあるアイドルのライブを見に行こうと思いましてね
夜通し歩かないとちょっと間に合いそうもない距離だったので」

長い髪の毛をいじりながらそう言っていると頼りなさげな顔と合わさってオタク青年にしか見えない
いろんな意味で損をしている青年だった

「もっとも、入場料なんて無かったから高台にでも登ろうと思ってたんですが
おかげさまで、会場には入れそうですよ」

うふふふふ、と、笑う様子を見ていると、アイドルなんぞを追っかけている連中の中にはよく馴染めそうである
464エニグマ◆7LQ07W1ZOU :2018/05/05(土)21:53:54 ID:3dj
>>463
「あぁ。強そうなトレーナーには借りを作りたくない。後々面倒だからな。」
「俺も、金で解決できることは金に頼る主義でね。」

職業柄、今の仕事について以降はお金に困ったことは無かった。
先程の連中も、一人絡まれたなら半端な金を渡して済ませようと思っていたところだった。

「最近の若ぇ奴らのバイタリティはあやかりたいもんだね。」
「生活費削ってまで趣味に没頭できる気がしねえやおじさんは。」

オタク趣味、とは言わなかったが、あーいるいるこういう奴、程度には思っていた。
手持ちと似て、怒らせたら何するか分からないタイプだ。
正直、そこら辺のチンピラよりよっぽど怖い。

「そっか。止めちゃって悪かったな。」

なんにせよ、彼はこのまま夜通し歩いてその『アイドル』のライブに行くのだろう。こんなところで引き留めるのも申し訳ない。
465ロータ◆33A2nm/b.SOC :2018/05/05(土)22:19:13 ID:pTj
>>464
「あはは、でしょ? おじさんも捨てたもんじゃないとは思いますけどね」

別に趣味と言う訳ではなく、一度時間を共有したから故の義理なのだが、なんてヤボなことは言わない
だって世の中見た目が八割。ポケモンも見た目でタイプを間違えることだってあるのだから
そう見られたなら、そう見て貰っていれば良いのだ

「いえ、貴重な時間でしたよ。臨時収入もありましたしね、うふフふフフふフふ
じゃ、またどこかで――僕、基本はバックパッカーなんであちこち出歩いてます。見かけたら声でもかけてやってください

名前は――ロータ」

そういって、青年は踵を返すと、歩きだした
やっぱりひょろっとしたその背中は、どこか頼りない感じをたたえているのだった……

/ではこれで〆で!ありがとうございました!
466キャスタナ◆mMItnivpDI :2018/05/05(土)23:02:01 ID:nYs
>>458

「・・・・・・ふぅん、孤児に手を差し伸べた、って所かしら。」
「――――じゃあ私は逆ね。」
「ポケモンを捨てた。一度じゃない。何度もね。」

キャスタナの口から、意外な話が引き出される。鋭い目線は全く変わっていない。
然し、怒気を伴っていたキャスタナの雰囲気が、元のニヒルな雰囲気に戻っていたのを感じた。

「この街に来る前の話よ……色んなポケモンがメタモンの培養層に入ってたわ。」
「卵は出来たらすぐ「HABCDSs」に入れるの。規定値に満たない卵はその場で破壊する。」
「閾値に達した卵が初めて孵化を「許可」されるの。そこからも「破棄」が”いくつ”も出るんだけど。」

柔らかい殻の上に振り下ろされるかわらわり。至近で放たれた棘が硬い手刀に両断される。
パルシェンは突っ込むその瞬間に、水を一点に集中させる。
体力的にこの一発が関の山だろう。

「可哀想だったわ。爆破任務でぼろぼろになったフォートレス。パージテストで使い物にならなくなったブローニングも見てられなくて。経年劣化で破壊処分になりそうだったエイブラムスもそう。」
「でもね、マスタングは手遅れだった。ミニミは発狂して手が付けられなくなった。あと、レキシントンね。彼のクレイジーさに付き合える奴なんかいないわ」
「そのあたりからかしら。私が「破棄」の数を数えなくなったのは」

白い飛沫が、一瞬視界を遮った。水圧が土やつぶてを濁流に変える。
飛び散っていた破片は小さな雨に変わり、キャスタナの髪を濡らす。
飛沫の後に残ったフィールド。パルシェンのその殻は、砲口から水滴を垂らし、土に棘が埋まったまま、沈黙していた。
467スパーダ◆ZlivUeMr0PTi :2018/05/05(土)23:34:27 ID:TMx
>>466
「……───」

やっと、キャスタナは自分から口を開いてくれた、彼女の事を聞き出して、その情報をどうするという事もしないが。
彼女がほんの少し歩み寄ってくれた事を嬉しく思う反面、その語られた内容に複雑な気持ちもあった。

「君は───」

スパーダがキャスタナに言った言葉の後半は、パルシェンがキリキザンに突っ込んだ事による衝撃音に掻き消される。
捨て身の一撃の威力は凄まじく、その反動もまた凄まじい、激しいバトルの結果は両者が倒れるという結果に終わった。
訪れる静寂、誰もが息を呑む中で雨に濡れ、スパーダはゆっくりと歩き出した。

仰向けに倒れたキリキザンに歩み寄り、優しく上体を起こしてかいふくのくすりを吹き付けてからボールに入れる。
キャスタナに振り向いたスパーダは、自分のポケモンが傷付けられたというのにも関わらず優しい眼をしていて。

「君の───いや、君達のする事を僕は悪いとは言わないよ、良い事とも言わない」
「その結果が何であるかを君が見て、感じ、決める事だ」

キャスタナに歩み寄りながら、やはりスパーダは彼女の事を肯定も否定もせずに、しかし確かな事としてそれがキャスタナ個人の行動でない事を見抜いたと取れる事を語った。
それから、マントの下からげんきのかけらを取り出し、キャスタナに差し出す。

「何はともあれ、ナイスファイトだったよ、お互いにね」
「これは僕からのお詫びとして受け取って貰いたい」
468キャスタナ◆mMItnivpDI :2018/05/06(日)00:18:54 ID:TUk
>>467

「ブロゥニン。あんたのパージテストの時を思い出すわね」

「・・・・・・ポタッ ポタッ ポタ」

力尽きたパルシェンは、ただ水音を鳴らすだけだった。
先ほどまで鼓膜を破壊するが如く轟音を響かせていた機関砲の、その無残に砕けた外殻を優しく撫でる。
パルシェンをボールに戻すと、フォレトスも硬く閉ざしていた殻を開け、安堵の息をついて転がりはじめた。
元よりパルシェンに鋼タイプは天敵だ。相打ちに持ち込めただけでも十二分に異常なのだ。

「ん。ありがと」

もう先ほどの覇気は消え、キャスタナのそれはいつもの気だるげな顔に戻っている。
差し出されたそれをフランクに受け取る。が、恐らく足取り的にはポケセンに戻るつもりなのだろう。
そして、すれ違いざまに、一言だけ言い残した。

「――――私の殻を破った代償、覚悟しておくことね」

顔は澄ましているが、闘争心に溢れた激情が、声色のそれから感じられていた。
フォレトスは転がり、パーカーの彼女は凝視するギャラリーに見向きもせず、静かに道場を後にした。
469スパーダ◆ZlivUeMr0PTi :2018/05/06(日)00:48:28 ID:7m7
>>468
道場を後にするキャスタナの背中を見詰めながら、スパーダは溜息を吐いた。
幾らかは打ち解ける───もとい、印象に残る事が出来ただろうか。
彼女の最後の言葉、それがこの結果に納得がいっていない事の証明だったとすれば、また会う事もあるだろう。

───〝君は優しいな〟

彼女の言っていた『選別』が事実だとすれば、そんな非人道的な行為は許されたものでは無い。
だが、彼女の個人的な話からはそんな非人道的な雰囲気は感じられなかった、むしろ彼女自身は見棄てられた存在を惜しみ、命を弄ぶ実験を良く思っていないようにも。
そうだ、そんなにもポケモンを命と思わない者に、あんな風にポケモンが付いていくものか。

「さて……と」

キャスタナを見送ってからスパーダは振り向き、道場の中の惨状を見る。
いくら日夜バトルが行われているとはいえ、ここまで酷く荒らされる事はそうそう無いだろう。

「……やれやれ、団長に怒られるなこれは」

苦笑いを浮かべながら、こうなってしまった原因でもあるスパーダは、道場の復旧に暫く時間を使った。
劇団の今日の稽古には遅刻しそうだ。
470ロータ◆33A2nm/b.SOC :2018/05/06(日)22:56:14 ID:8NA
「きょーぉもたーのしいスローラーイフーっと」

調子っぱずれに歌う青年、昼下がりの清流で水遊びするブラッキーとサンダース、魚を狙って息を潜めるグソクムシャ――。
自然をよくよく反映した光景。苔むした岩の上で寝転がって本をめくるロータは、ふと文から視線をはずし、それに微笑んだ。

「どうしようかな。僕もたまには釣りでもしてみようか」

悩むような言葉を放ちつつもボロボロの靴を脱ぎ、長い髪の毛を結んで珍しくデコッパチすたいるになって、バッグから釣りざおを取り出す。眼鏡も装備。瓶底マルメガネナード仕立てである。
なんとも陽気な雰囲気の中、火を囲む石の上に乗ったポットがこぽこぽと音を立てていた。
471キブシ◆ZlivUeMr0PTi :2018/05/06(日)23:11:19 ID:Hpw
「ひーふーみー……」

人目に付かない街の路地裏、乱雑に積まれた木箱に腰掛けてその男は札を数えていた。
これは今日の取れ高だ、街行く皆さんからスっ……〝少し分けて頂いた〟この金を元手に、夜の稼ぎに出る下準備。

「よーし、お前のおかげで中々稼げたぜ、今日の晩飯は豪勢に行くとするか!」

「ワタ~」

男の肩に捕まりヒョッコリと顔を覗かせ、札を見つめるのはエルフーン、モコモコとした綿毛を揺らし嬉しそうに目を輝かせている。

「……その前に、ちょっとコイツを倍にして来るか」
「そうすりゃもっと美味いもんが食え……あ?なんだよエルフーン」

「ワタ!ワタ!」

よっこいしょと木箱から立ち上がり、ポケットに札をねじ込んだキブシ、何処かへ行こうとしたのかを察したエルフーンが彼の前に浮かび必死に止める。

「だーいじょうぶだって、今日はツイてるから勝てる気がするんだ」
「何?『そんな事言って前はマイナスになった』?いやアレはちょっと調子に乗り過ぎただけでだな…」

「ワタ!ワタタ!!」

……夜の路地裏に、ポケモンと男の言い合いの声が響く。
472マユズミ◆7LQ07W1ZOU :2018/05/06(日)23:27:02 ID:WCD
>>471
「いやぁ~運っていうのは巡るもんやなぁ!」

『ガウッ!!』

夜の路地裏に楽しそうな少女の声が響き渡る。隣を歩くデルビルも楽しそうに声を上げる。
今夜、少女の懐は随分と暖かかった。財布も普段は決して肥えることのない体を多少膨らませている。

「足に攻撃喰らうわ、変な野生のポケモンに襲われるわ、災難続きやったけど運が向いてきたでぇ。」

先程、たまたま入ったカジノで少女は大勝。
ビギナーズラックとはいえ、かなりの金を手に入れていた。

「さて、デルビル、今夜は何喰いたい?焼肉でもなんでもええで」
「ん?」

角を曲がり、もうすぐ大通りに……というところで、少女は立ち止まる。
目の前に、エルフーンと言い合いをする男の姿があったから。
473キャスタナ◆mMItnivpDI :2018/05/06(日)23:35:24 ID:TUk
>>470

ナナイタシティ郊外の山間部に、一台のボックスバンが止まる。
藪の中に何人かの男達が入っていき、荷台からゴミ袋を運び出している。不法投棄だろうか?
荷物仕事はポケモンと男手がやっているようで、少女はバンから降りて携帯で何かしら連絡を取っていた。

「そう。じゃあここで解散するわ。現場には明日行かせる」

「はぁ……ん~~~~っ」

河原をほっつき歩いていたキャスタナはガムを膨らましながら川のポケモンを眺めている。

「男手ならぬポケモン手がほしいとこね……こう力仕事ばっかりじゃ人を雇っても変わらないかしら」

こつん、と石を蹴る。ロータの頭にこつん、と石が当たった。
474キブシ◆ZlivUeMr0PTi :2018/05/06(日)23:42:24 ID:Hpw
>>472
「あーもうっ!うるせえな!行くったら行くの!」

「ワターッ!!」

ポケモンとトレーナーの言い合いは次第に激しさを増し、とうとう大声の怒鳴り合いへと発展してしまう。
これ以上はラチがあかない、とキブシは踵を返し、エルフーンをその場に残して自分だけでカジノへと向かおうとした……が。

「ワタターッ!!」

「うおっ!?なんだこりゃ、やめろエルフーン!止めんじゃねえ!!」

突如モコモコとした綿毛が大量に沸き、キブシの身体中にまとわりつく。
それはもう大量に、道が埋もれてしまうくらいの綿毛に囲まれたキブシは、綿毛に溺れて身動きが取れなくなってしまう。

「ちょ……動け……あっ!そこの人っ!!助けて!助けてェーッ!!」

わたぼうしに包まれ動けなくなったキブシは、視界に止まったマユズミに必死に助けを求めた。
……なんとも情けない姿である。
475マユズミ◆7LQ07W1ZOU :2018/05/06(日)23:56:09 ID:WCD
>>474
「……。」
「運って巡るもんやなぁ。」

お金も入ったし晩御飯……、といったところで妙な男に絡まれたものだ。
避けて通るにも、エルフーンの綿毛が道を埋めてしまい通るに通れない。

「なにしてんねんなホンマ……。」
「えー、どうすりゃええの?デルビルのひのこで燃やす?」

『ガウ?』

男の情けない姿がいたたまれなくなり、助け出そうとは思うのだが。
エルフーンの綿毛などどう処理すればいいのか分からない。
デルビルが首を傾げ、軽く口から炎を吐くような動作を見せる。
476キブシ◆ZlivUeMr0PTi :2018/05/07(月)00:04:17 ID:3ux
>>475
「馬鹿かお前!そんな事したらオレまで燃えるだろーが!」

デルビルの口の端から出る炎を見た瞬間、キブシはギョッとして叫び声を上げる、助けてもらうというのに態度がデカい。
とはいえこれ程までに集まってしまったわたほうしを手で取り除くのも大変な作業である、そう思ってかキブシは手を伸ばした。

「そっちから引っ張って引き抜いてくれ!そうすりゃ抜ける筈だ!!」

助けを求め必死に、幼い少女を頼るいい歳の男。
……だが、男はすっかり忘れていた、自分がこうなった原因を。
477ロータ◆33A2nm/b.SOC :2018/05/07(月)00:06:36 ID:wOi
>>473

「いでッ」

川中に足を踏み入れて、水面に写る顔を見てそろそろ髭剃ろうかしら、なんて考えてた矢先である
どこからともなく飛んできた石があたり、眼鏡が落ちた

「って~!なんだよいきなり……」

そう言いながらとんできた方を見ると、いつぞやにあった少女がひとり

「……キャスタナだっけ?君ってやつは引き起こす偶然すら失礼なんだね。それともわざと?だとしたら怒りはしないが舌打ちぐらいはするぜ、僕だって」

濡れた眼鏡をかけ直し、大岩に腰かけると、釣糸を垂らす

「……まあいいや。ちょうど話し相手がほしかった所でもある。ナンパにしちゃやれる茶はやすっぽいもんだけれども、寄ってきなよ」

そんな軽口を叩いた
478マユズミ◆7LQ07W1ZOU :2018/05/07(月)00:18:55 ID:isU
>>476
「燃やしたろかいうてんねん。」
「はぁ……どないしょっかなぁ。」

デルビルに手で合図すると、デルビルはゆっくりと口を閉じる。口の端から黒い煙が少々立つ。
乗り掛かった仕方あるまい。少女は差し出された腕を両手で掴むと、上体を反らして男を引きずり出そうとする。
何が引っ掛かっているのか、体格差のためか、なかなか男の体は出てこない。

「ふぎぎぎ……!」
「もー!何したらこんなことになんねん面倒やなぁ!」

悪態をつきながらも少女は力いっぱいキブシの体を引っ張る。
479キブシ◆ZlivUeMr0PTi :2018/05/07(月)00:27:43 ID:3ux
>>478
「いでででで!もっと優しくしてくれ!優しく!」

引っ張ってもらったらもらったで文句が出る、本当に助かる気があるのだろうか。
しかし、見た目はただの綿毛の塊だと言うのにやたらと重い、マユズミが全力で引っ張っても中々抜けないだろう。

「何したって何もしてねぇよ!エルフーンの奴がいきなり……ん?」
「そういやエルフーンの奴何処に行っ───」

どうしてこうなったかの事情を怒り口調で説明する、自分の何処が悪いのか全く理解していないようだ。
そんな事を言っている内に、ズルンとキブシの体が半分程綿毛から抜け出てきた。

……露わになったその上半身に、大量のタネばくだんが引っ掛かっている。
しかも爆発寸前だ、素早く離れればマユズミ達は被害から免れる事が出来るだろう、〝マユズミ達は〟。
480キャスタナ◆mMItnivpDI :2018/05/07(月)00:28:01 ID:KRb
>>470

「んっ?あ、オタクくんじゃん」

『ガゴギギ・・・・・・ゴロッゴロゴロ』

彼女の傍らでいつも転がっているフォレトスは、河原の斜面を転がっていくと河原に落ちてそうな鉄鉱石を探し始める。

「いつもなら中指立ててやるところだけど、今ちょっと暇だから話し相手になってあげる。」

『ギギ・・・・・・シュバッ!!!バリボリバリボリ・・・・・・』

フォレトスの殻は一瞬で開き、一瞬で閉じる。中身の姿はあまりにも速すぎて見えなかった。

「あんたらはいいわよね。自由気ままに放浪暮らしできる身分で。ナナイタシティって森が近いから野宿しやすいし」

キャスタナはガムを膨らませながら川で遊ぶポケモンたちを眺めている。
481マユズミ◆7LQ07W1ZOU :2018/05/07(月)00:44:36 ID:isU
>>479
「喧しいわ男なら少しは我慢せぇ!!」

一々こちらの感情を逆撫でしてくる。一瞬本当に自分はこの男を助けている立場なのだろうかと錯覚を覚えるほどに。
やはりデルビルの火で燃やしてしまおうか、などと考えていると、ゆっくりと男の体が綿毛から抜けてきた。

「何もせんとこんなことになる訳ないやろ!!」
「って、お前、何つけてんの?」

男の服に付着しているのは大量の、タネのようなもの。
以前、誰かとの対戦で見たことがある気がする。
たしか、草タイプのポケモンが、そのタネを上空へと投げられ、地面に落ちると同時に―――

「タネばくだんんん!!?」

ひええ、と情けない声を上げ、デルビルを抱えて少女は男から急いで離れる。
やがてそれらの爆弾は大きな音を立てて―――
482ロータ◆33A2nm/b.SOC :2018/05/07(月)00:44:40 ID:wOi
>>480

「君、名前の記憶に著しい障害でも患ってんのか?僕はロータだって言ってるだろ」

まぁ女の子みたいな対応を期待していた訳でもない、失礼には無礼で返す。怒るような相手でもあるまいし

「その代わり、文明的な生活からは縁遠いぜ。フーセンガムなんて嗜好品買えないしね。あ、チャイ飲む?ちょっと辛いけど。ガショウの実が効いてるからね」

グソクムシャがいつぞやに闘ったフォレトスに気付き、なれなれしく寄っていく。ニヤニヤしながら殻をノックするお茶目さまで見せて
ブイズふたりはケラケラ笑いながらいまだに水をかけあっておどっていた

「それに、このナリで町を歩いてるとよく警察官に止められるよ。僕はむしろ被害者側なのにな」
483キブシ◆ZlivUeMr0PTi :2018/05/07(月)01:02:47 ID:3ux
>>481
「ん?おい、何で離れんだよ?」
「あともう少しで抜けそ───」

上半身が抜け出てきた、ここまで来ればあと少しで完全に抜け出せるだろう、といった所で突然マユズミが体から離れる。
何故いきなり離れて行ったのだろうか、理解が出来ず首を傾げたその瞬間、タネばくだんが一斉に爆発した。


───爆発の衝撃でバラバラに砕けた綿毛が舞い落ち、白いスーツが黒焦げになったキブシがピクピクと痙攣しながら地面に倒れ伏す。
その頭の上に、フワリと舞い降りる綿毛……いや、エルフーン。

「ワタ、ワタタ!ワッター!」

紛う事なく、先程キブシと言い合っていたエルフーンである。
自分のトレーナーの頭を踏み付けてドヤ顔、彼等の関係性が伺えそうな気がする。
484キャスタナ◆mMItnivpDI :2018/05/07(月)01:16:51 ID:KRb
>>482

「ロータもオタも似たようなもんじゃない」

キャスタナは辛辣な言葉遊びが好きなだけだ。売り言葉には買い言葉で適当に返す。

「時間に追われて、酒やクスリに溺れて、クソ狭いキッチンで安いランチョンミートを齧るだけの生活ってのも文明的なのかしらね」

「私の連れ歩くポケモンはフォートレスだけだわ。ブローニンもエイブラムスもあんな狭い部屋に入れられないから」

渡されたチャイに口を付ける。あちっ、と猫舌を披露しながらもポケモン達を眺めている。
フォレトスはグソクムシャを見上げるとバシュッ!!と川に針を一発。
針の突き刺さった川魚がぷかーと浮いてきた。見かけによらず、物体の動きには非常に敏感だ。

「ポリ公の仕事はあんたみたいな一人で挙動不審になってるオタクにいちゃもん付ける事だからね。チンピラのお守りはめんどくさがるものよ。」
485マユズミ◆7LQ07W1ZOU :2018/05/07(月)01:26:50 ID:isU
>>483
デルビルを抱えた状態で尻もちをついてしまった少女にも、空高く舞った綿毛が降ってくる。
へっくし、と思わずくしゃみが出てしまう。

「もう、なんやねんな……。デルビル、大丈夫?」

『ガウ……。』

デルビルも相当驚いたようでマユズミの腕の中で小さくなっている。
それからやっと、自分達より大きな被害を受けたであろう男へと向き直ると、男の頭の上でふんぞり返るエルフーンの姿があった。

「エルフーン……?」
「えっと、アンタはこの男の手持ち……で、ええんよな?」

男の無事より先に、このエルフーンの所在が気になってしまう少女。
以前闘った、人を襲う野生ポケモンの姿がフラッシュバックしてしまう。

「あー……、おっちゃん。大丈夫よな?」
486ロータ◆33A2nm/b.SOC :2018/05/07(月)01:28:50 ID:DRK
>>484
「カスりもしてねーよ」

嘆息

「文明的だろ。退廃感バリバリなのがなおそれっぽい。察するに君、そんな感じの生活だろ?」

うふふフふふふ。と、笑ったあと、フォレトスが捕獲した魚を見て

「あれもらっていい?――言うほど挙動不審かなあ。街中では大人しくしてるよ、やたらと絡まれるしね。警察官やら不良から異様なほどに」

グソクムシャはほう、やるねえ。と言いたげにフォレトスの近くにしゃがみこみ、その殻を軽く叩きながらもう一度川を指差した
飯捕獲当番の労力が減らせるとこすからい事を考えたらしい。ブイズがキャスタナに気付き、ようきなえれき――サンダースがその肩に登ろうとした。びしょ濡れだけど
肩まで上がったら、しばらくぶりー!って感じの顔でにぱーっと微笑むだろう。ブラッキーのくろろの方とは言えば、初対面で、ひかえめな性格をしているから、ロータの影からじっと見ているだけ。

「あーあと、ふたごの幼いトレーナーとバトルしてたら何故か警察呼ばれたなあ……トホホ……なんかすごい損してる気分になってきたよ……
君は良いよな、そういうの無さそうで……冷えるとあんまり美味しくないけど、氷ならあるよ。入れる?」
487キブシ◆ZlivUeMr0PTi :2018/05/07(月)20:39:56 ID:3ux
>>485
「ワタ?ワタ、ワタ……」

マユズミの問い掛けに、エルフーンは首を傾げてから足下のトレーナーの惨状を見た、それから嫌そうに頷く。
本人的にも不本意だが、彼の手持ちポケモンであることは認めるようだ、不本意だが。

「おっちゃんじゃ……ねぇ…」

一応はキブシの方も命に別状は無いようだ、むしろこのタイミングでこう言える時点でだいぶ余裕があるようにも思える。

「ていうかエルフーンてめぇ!!ご主人様になんて事してくれやがんだ!!」

「ワタ、ワタワタワッタ!」

生存が確認された所で喧嘩再開、頭の上に乗ったエルフーンとキブシが言い合いをまた始めた。

「オレが集めた金なんだからオレが使い方を決めていいだろーが!!」

「ワタ?ワタワタ!」

自分のポケモンと金の使い方で仲間割れをするトレーナーなんて、世界中を探しても彼等くらいしかいないのでは無いだろうか。
エルフーンが何を言っているか、同じポケモンのデルビルならハッキリと分かるだろう。

『僕が気を引いてたから財布をスレたんだろう!』
……どうやらロクでも無いコンビのようである。
488キャスタナ◆mMItnivpDI :2018/05/07(月)21:14:44 ID:GII
>>486

「ええ。華やかさに憧れて都会に来た奴らはみんなそんな暮らしで自棄になって磨耗してく。青春の浪費ね。」

プスーーーと膨らましたガムを萎ませながら、手持ち無沙汰にそう呟くキャスタナ。

「あら、自覚あるんじゃない。ポリ公とヤンキーは弱いものいじめしか出来ないって点では同種の生き物よ……煮るなり焼くなり好きにすれば?」

パルレ仕様のドライヤーで濡れたサンダースの毛並みを乾かしていく。
喉を撫でたり腹を撫でたりしている内に、乾いた毛並みに静電気が戻ってくるだろう。

『ガコッ ジャキン!』

フォレトスは次弾を装填して狙いを定める。ズドン!と何らかの獲物に当たったようだが、今度は獲物の方から此方へ向かってきた。

『グラァーーーッブ!!!』

キングラーがぷんぷんに怒りながらハサミを振り上げて突進してくる。
フォレトスは他人事のように閉じて居留守を決め込み、そのとばっちりはグソクムシャに回ってくるだろう。
ちなみにキングラーのハサミは身がたっぷり詰まっており煮ても焼いても肉厚で美味である。

「いい、このくらい飲める……あちっ」
489ロータ◆33A2nm/b.SOC :2018/05/07(月)22:06:30 ID:iB1
>>488
「以外だな。オタクオタクと連呼されるものだからどちらかと言うと僕みたいな生き方こそを『青春の浪費』と形容するのかと思ったぜ」

なつっこい柄であるから、撫でられて『やーん!』と言う感じに足をバタバタさせるものの、表情自体は嬉しそうだ。

『グシュァッ!オォアァァッッ!!??』

飛び出してきたキングラーの至極正当な一撃を食らったグソクムシャ。逆ギレするあまり渾身の一撃を叩き込み昏倒させたあと、憤懣やる方なしと言うように唸りながらバラバラに切断してしまった。
生存競争の結果とはいえ見てて楽しいものではない。そこまでやる必要あるか?と言うレベルで攻撃を加えているのもあって……。
やがてハッとしたように動きをとめ、キングラーの一番身が詰まった部位の殻を開いてかじり始めた。お前これ食べる?って感じの目線をフォレトスに向けながら。

「……とても大丈夫そうには見えないけどねえ。毒舌なのに猫舌ってのもなんか面白い話だ――。所で、そこらのクラブの片隅で安酒舐めてそうな君はこんなところに何しに来たの。風土に合わないぜ
景観を損なってるといっても過言じゃあない」
490マユズミ◆7LQ07W1ZOU :2018/05/07(月)22:25:52 ID:isU
>>487
「あー、もうなんやねんな……。」

『ガフゥ……』

勝手に暴れて、勝手に爆発して、勝手に喧嘩している。どうもトレーナーとポケモンの折り合いが悪いらしい。
エルフーンの言葉が分かっているであろうデルビルも、呆れたと言わんばかりにため息をついている。

「えーっと、お話し中悪いんやけどさ。」
「ウチらもう行ってええ?お腹空いてんねんか。」

『ガウガウ』

金の使い方ひとつで争っている滑稽な様子、眺めていてまあつまらないものではないが。
夜も更けつつある。早いところ夕飯にありつきたかった。

「ほな、後はお二人で話し合ってくださいな。」
「ホンマ……、折角カジノで気分よぉ勝ったっちゅうのに。」

テンション下がるわぁ、と言いながら、少女はデルビルを連れその場を去ろうとする。
491スパーダ◆ZlivUeMr0PTi :2018/05/07(月)22:48:00 ID:3ux
>>490
「あー?勝手にしろよ!オレ達は今忙しいんだ!」
「助けてくれてあんがとさん!達者でやれよ!」

「ワタ!ワタ!」

お互いに頬っぺたを引っ張り合いながら喧嘩をするキブシとエルフーン、マユズミの呆れた言葉に声を合わせて突っぱねた。
どこまでも子供のような大人だ、自分の事となると他人なんてどうでも良いのだろう。
……が、マユズミの言葉にキブシがピクリと反応し、エルフーンに耳を齧られながら振り向いた。

「カジノ!?今カジノって言ったかお前!?」
「勝ったってどこでだ!?どの台だ!?どれくらい勝った!?」

カジノで勝ったと聞いた瞬間物凄い食いつきようである、エルフーンの攻撃も無視してマユズミに詰め寄り、必死の形相で問い掛ける。
492キャスタナ◆mMItnivpDI :2018/05/07(月)23:12:37 ID:GII
>>489

「絵の具を全部混ぜたら黒になるでしょ。都会に人が集まるのもきっと同じ。」

「青い春を謳歌したいなら旅でもしてた方がまだマシだわ」

それっぽい言葉でお茶を濁すキャスタナ。そういう本人が一番灰色になっている気がしなくもないが。

サンダースを撫でながら、フォレトスに目をやると、中身には目もくれずキングラーの割れた殻をバリバリ食べている。
丈夫な殻を作るには硬質な栄養分が欠かせないのだ。カニ肉には特に興味ないらしい。

「まあ、勤務時間だけど暇、ってやつよね。そろそろ終わるみたいだけど。

プップッとクラクションが鳴る。いかにも怪しい黒いバンが止まっていた。

「じゃ、もう行くから。私は青春の浪費に戻るわ」

キャスタナとフォレトスを乗せたバンは、街の方へと向かっていった。
ロータがいた付近の森の中で、大量の肉や骨の残骸が発見されたのは、その数日後の事であった。
493マユズミ◆7LQ07W1ZOU :2018/05/07(月)23:18:49 ID:isU
>>491
「なんじゃそりゃ……。もうええわ。」

全く、なんというか、救いがいのない男だ。少女は諦めたように今日何度目になるか分からない溜息を吐くと、喧嘩をする男たちの横を通り、この場を去ろうとする。
しかし、少女の言葉の何かが男の琴線に触れたらしい。がばり、と音を立てて少女に詰め寄ってくる。

「ひっ!?ちょっとやめてぇや!!」

『ガウッ!!』

詰め寄られたことに驚いたのか、少女は思わずキブシを押し飛ばし距離を置く。
まるで主人を護るように、デルビルがマユズミとキブシの間に割って入る。グルル、とうなり声をあげ相手をけん制する。

「カジノならそこの角曲がって右手や!!急に近寄んなボケ!!」
「いくで!デルビル!!」

そう言うが早いか、否か。少女は踵を返してデルビルと共に一気に走り去っていく。
このままなら少女は大通りへと逃げおおせるだろう。
494ロータ◆33A2nm/b.SOC :2018/05/07(月)23:22:11 ID:iB1
>>492
「あ、そう……」


警察官やチンピラにいちゃもんをつけられまくるのが果たして青春の謳歌になるのか?
そんな質問をしたくもあったが、差し控えておいた

「ふーん。それじゃお別れかい……。つまらなくもなかったよキャスタナ。この調子で話ができるなら僕ら、茶飲み友達程度にはなれるかもな
友人ってのは案外これぐらいの距離感が大事なんだ。お互い結構どうでも良いが、話すぐらいは普通にできるってこの空気がね」

めっきりかからなかった釣糸にようやく一匹のヨワシがかかった
僕の分はこいつぐらいか。そんなことを思いながらそれをつかんで、キャスタナに後ろ手を振る

「ああ――君が言うところの謳歌がしたけりゃアパートに帰るのを辞めてみなよ。
テントなんかなくっても野宿はできるからねー」

――――グソクムシャぐらいの物だっただろう
遠くから響いてくる、実に小さな断末魔に気づいたのは。彼は一瞬触角を揺らし、肉をかじるのを辞めたが――。すぐに嘆息し、再び食事に戻った。

/はいではこれで〆でー
495スパーダ◆ZlivUeMr0PTi :2018/05/07(月)23:47:48 ID:3ux
>>493
「へぶしッ!!」

マユズミに突き飛ばされ、後頭部から地面に倒れるキブシ、頭に噛り付いていたエルフーンが帽子と一緒に転がった。
情けない姿だが、そんなものは彼にとってどうでもいい、つまらないプライドなんて金に比べれば飯の種にすらなりゃしない。

マユズミが去っていった後で、キブシは喉を鳴らして笑いながら立ち上がった。

「クックック……やっぱり今日のオレは持ってるぜ…!」
「あのガキが勝ったのと同じ台を当てりゃ俺も…」

ニヤニヤと笑いながらマユズミの言ったカジノの方へと向かって行くキブシ、その後を遅れてエルフーンが帽子と共に飛んで行く。
───結局、そんな事で勝負に勝てる理屈など全く無いのだが。
496スリカヤ◆mMItnivpDI :2018/05/12(土)23:23:07 ID:wrh
<<先日、凶暴化した野生のポケモンにシティ郊外の住人が襲われるという事件が発生し…
  …これに際して、警察は捕獲したポケモンが何らかの病気ではないかと調査を……>>

―――――ナナイタシティ、ラテンストリート1番街。
洒落乙なイタリアンレストランの並ぶ路地だが、道幅の割に人通りが多い。
店のラジオの音が道端からでもわかるほどだ。

「今日は混んでいますね……いつものカフェー、席開いてたらいいのですけど」

『メメタァ』

メタモンを片腕で抱えた女性は、もう片方の腕で書類やらバッグやらを持って手が塞がっている。

「あ、何とか空いてそう!急がないと……わっ!?」

この糸目の女性、胸元が重くて走りづらそうだが、何とかカフェの空席を見つけ駆け寄ろうとする。
その拍子に、誰かにぶつかり、バックを落とし派手に書類をばらまいてしまう。

「あたた……す、すいません!お怪我ありませんか……?」
497ガイセイ◆fex0ajYp8c :2018/05/12(土)23:41:03 ID:iPI
>>496

―――突如彼と衝突した一人の女性を、彼は目深く被った帽子の鍔の奥から赤い眼でギロリと睨み付けた。
傍を浮くライチュウが「あーあ」と言いたげな表情で女性の事を見下ろした。
暫しの無言の後に、男はしゃがみ込むとばら撒かれた書類を拾い始める。

「……私は大丈夫です。」

二十歳手前とも見えるその男は書類を拾いながら、然し年配の男めいた低い声で答えた。
男が拾う書類をライチュウが黙読する。
その男もまた、その書類の中身に目が行っていた。

(―――研究者か何かか、この女は。)

ライチュウは眉間に皺を寄せてそっぽを向いた。

「あー、えっと……これを。」

「さっきは……ごめんなさい、俺もちょっと余所見していました。貴女こそ、お怪我はありませんでしたか?」

先程の表情とは打って変わってにこやかに笑いながら、青年らしい明るい声で女性の身を案じた。
拾い集めた書類を素早く綺麗に纏めると、男は静かに女性に差し出す。
直後、彼らの傍にウェイターが駆け寄って来た。

「すみません、この時間帯は満席でして……お二人で相席でしたらそこの奥の席が空いておりますが、如何しましょうか……?」

ウェイターの言葉を聞き、男はその女性に軽く目配せした。「どうしますか?」と問うているのだ。
彼女がOKを出せば彼は何の抵抗も無く彼女と同じテーブルに座るだろう。
少し照れた表情を浮かべるガイセイの傍でライチュウは退屈そうに欠伸をした。
498スリカヤ◆mMItnivpDI :2018/05/13(日)00:04:13 ID:ql6
>>497

恐らくは論文と思われる書類の中身に目を通すが、素人の知識ではわけのわからない専門用語と謎の図解が並ぶばかりだ。
こればかりは専門知識、「生物学」でダイスを振らなければ中身の情報をのみこむ事はできないだろう。

「すいません……!私は平気です……あっ、ありがとうございます」

自身も書類を拾い集め、メタモンも手?を伸ばして書類を集める。

『メメメメメタァ―――メメチュウ』

メタモンはアロライを見るのが初めてだったのか、というか特性「かわりもの」のせいなのか、
見よう見まねでライチュウに変身する。その精度はかなりのモノだ。ちゃんとサイコパワーで浮く所まで再現している。
ただあまりにも精巧に変身しすぎてややこしいので顔だけメタモンに戻したようだが。

「あっ、私でよろしければ……」

糸目の女性は愛想笑いにしろ微笑むと、カフェの席でパソコンと論文を広げながらさっそく何か打ち始める。

「あ、私モモンフラッペとクレームドブリーパンケーキで。ええと……貴方も何かどうぞ、奢りますから!」

ウェイターに注文を出しながら女性はガイセイにも注文を促す。
程なくして軽食が届き、女性も作業を畳んで一息つくだろう。

<<この事件について衛生局は、最近流行している悪性ポケルスの一種ではないかという調査報告書を提出しましたが……>>

「ふう……さっきはすいません、私どうしても此処のカフェーの糖分もりもりのおやつがないと頭が働かなくて……あはは」
499ガイセイ◆fex0ajYp8c :2018/05/13(日)00:29:02 ID:LW3
>>498

―――窓ガラスの外に見える景色を眺めながら、男は一息吐くと水を一口飲んだ。
彼の傍でライチュウが自分に変身したメタモンに青ざめながらも激しく睨み付けている。
ふと彼は彼女の広げた論文に視線を向けた。

「……ホットファッジサンデーと紅茶で。飲み物は紅茶。ポケモン用のオボンクレープクッションもお願いします。」

「……いえ、お気遣いなく。寧ろ俺が奢りましょう。」

やや低いトーンの声で、論文を読みながら注文を告げた。
暫くして彼の下に、そしてライチュウの下に美味しそうなスイーツが運ばれて来る。
サイコパワーで巧みにスプーンを操りながらクレープを頬張るライチュウを横目に、彼は紅茶を啜った。

「いえ、大丈夫ですよ。俺こそすみません。俺もさっきは結構ボーっとしていましたからね。」

「……それより。何か研究職をされているのですか?ああ、その論文の中身が少し気になったもので……。」

男は興味津々な素振を見せながら、彼女の傍に広げられた論文を見た。
彼は右手を顎先に添えると両目を細めた。

(―――この論文は「生物学」の分野のものか。)

―――「生物学」。
その言葉に呼応する様に彼の脳裏にカントーでのものと思しき記憶の一つが過った。
それは薄暗い研究室で、不可思議な機械を付けられたポケモンを前に白衣の男達が何かを手元の用紙に書き込んでいる光景である。
其処に彼の姿は無かった。

「……。」

少しばかり物思いに耽る彼の傍でライチュウが自分に化けたメタモンに恐怖しながらもクレープを口に運ぶ。

「難しそうな論文だなぁ……。」

彼は青年らしい作り笑いをした。
500スリカヤ◆mMItnivpDI :2018/05/13(日)00:57:58 ID:ql6
>>499

「ええまあ、ご覧の通り……ポケモンの発生に関わる研究……とでも言いましょうか」

専門的な事をべらべらと喋るのもあれですけど、と内容についてははぐらかし気味だが、なるほど言われてみるとそんな内容に読めてくる。
ポケモンの卵、メタモン、そして小難しい数値やグラフに混じって色々な研究手法の図解が載っている。

「いえいえ、私こそ奢り……いえ、こういう時は殿方に譲るべきかしら?うふふ」

メタモンは自分の体で作ったパフェを自分で食べている。ライチュウの真似をしているのだ。

<<続いてのニュースです。先日発覚したヤマブキ大学の違法研究を巡る問題で、ヤツデ事務局長は、孵化研究センターの研究はナナイタ大学へ一任していたものと関与を否定し……>>

カフェの中では耳を傾けていないと聞こえないかもしれないが、ラジオの内容も少々気になる。
最も、パンケーキを頬張る彼女にはラジオのラの字も聞こえていないようだが。

「そうですね、何と言いましょうか……あの、ポケルスってありますよね?たまにポケセンでくっついてますー、って言われる奴。」

「生後数ヶ月の段階でポケルスを投与することでですね、ポケモンにどんな影響があるかを調べたり……」

<<またヤツデ事務局長は、ポケルスの研究等については一切の関与を認めておらず、関係者の間で情報が錯綜しており>>

一瞬、ラジオと、彼女の声がハモった。

「それをあれやこれやして、あわよくばスーパーポケモンなんて出来ちゃったり!……なーんて夢見すぎですよねー……」

パンケーキに入れるナイフが、カチッと音を立てた。
501ガイセイ◆fex0ajYp8c :2018/05/13(日)01:28:06 ID:LW3
>>500

「―――中々面白い実験をしているみたいですね。」

やや低いトーンの声で彼は紅茶を一口啜った後に呟いた。先程からラジオから聞こえる音声を小耳に挟みつつも彼女の話を聞く。
ライチュウが眉間に皺を寄せつつも、彼女のポケルスに関する実験を聞いて少しばかり反応を示した。
彼は再び机上に広げられた論文に軽く目を通す。

「そんな事ありませんよ。」

―――彼の口から飛び出した言葉は肯定。
『遺伝子の移植を……』『人間にか?』『"はかいのいでんし"と"ポケルス"の共通性は……。』
彼の脳裏に幻聴の如く反復する男達の声。此処の所やけに昔の事を思い出す。
それもこれもポケルス関係の一連の事件を良く耳にするからだろう。

彼はラジオの方へと視線を向け、口角を釣り上げた。

「―――アレを世間はマイナスに捉えているみたいですが、俺はそう思わないんですよね。」

「ポケルスはポケモンの最も原始的な力を呼び起こしてくれます。そんな素晴らしい一面があるのに、世間はポケルスのマイナス面しか見ない。」

「俺にはそれが不思議で仕方が無い。」

「俺はポケルスを上手く扱えればきっと野生のポケモンでもジムリーダーのポケモンにも劣らない力を得られるでしょうし、きっと貴女の仰る凄いポケモンも作れると思います。」

「……なーんて、生物学に然程詳しくない俺が言う事じゃないですよね。」

アハハ、と笑いながら彼はホットファジーサンデーを口に運んだ。
この間もラジオの音声が彼の耳に入り続けていた。
502スリカヤ◆mMItnivpDI :2018/05/13(日)01:59:36 ID:ql6
>>501

「特段恐ろしい病原体でもないのですけど、感染性ばかりが目立っちゃってどうもね……」

「まあ、私の手にかかればミュウツーだって夢じゃないです!」
「……と言いたい所ですが、今期で成果がでないとまた打ち切られてやり直しになっちゃうんですよね……雇われは辛いです」

とほほ、とため息をついて論文をまとめる。そうして、彼女が「うっかり」見せた論文の面表紙には、こう綴られているのが見えた。

【変異性ポケルスの孵化前投与による強化ポケモンの製造:HABCDS試験の中間報告】

「とりあえず、早いとこラボに戻って論文を纏めませんとね……」

<<続いてのニュースです。昨日近隣住民を襲った凶暴化ポケモンが、ナナイタシティの○○街ストリートに逃げ込んだとの情報が……>>

「……あれ?今のニュース、結構近所じゃないですか」
「"怖いこともありますね"……私も、うみうみちゃんはあまりバトルで鍛えたりしていませんし……」

一瞬、彼女の口角が上がったような気がした。声色もやけにわざとらしく聞こえた。まるで最初から知っていたかのような、そんな声。
――――――まあ、気のせいと言われれば気のせいで終わるしかないのだが。

「あっ、うみうみちゃんって言うのはこの子の事です、何かこううみうみしてるでしょ?」

『メメチュウ』

メタモンは顔だけメタモンのまま、ライチュウに挨拶して返す。アロライの浮遊感は気に入った様子だ。
503ガイセイ◆fex0ajYp8c :2018/05/13(日)02:34:51 ID:LW3
>>502

―――ミュウツー。
その単語にガイセイは眉間に皺を寄せたが、それ以上の反応は示さない。

「―――大丈夫ですよ、きっと成果は出ますよ。」

「近い内に、きっと。」

ホットファジーサンデーの最後の一口を口に運ぶと、彼女がチラつかせた論文の表紙が不意に目に入る。
"孵化前投与"。ライチュウがニタリと笑みを浮かべるとガイセイの顔を見る。

「―――それに」

「―――それに、貴女はしっかり腹に一物抱えていらっしゃる様だ。」

最後の言葉は非常に小さい、聞こえるか聞こえないかの声で呟いた。
ガイセイはラジオに再び視線を向けた。狂暴化ポケモンのニュース。

「……。」

ふと、女性の声が非常にわざとらしい響きに変わった様に感じた。ライチュウに目配せしたが、ライチュウはクレープを美味しそうに頬張るばかりである。
逃げ込んだのはこの辺りのストリート。
少し余裕を見せるライチュウだったが、やはりメタモンの自分に瓜二つの姿には見慣れない様子で渋い顔をする。

「確かに随分近くですね。……きっとポケルスによるものだ。」

彼が不気味な笑みを浮かべる。彼は立ち上がり彼女に一礼した。

「楽しいお食事でした。ありがとうございました、お代は払っておきますね。」

ガイセイは彼女に背を向けてレジへと向かう。然し途中で足を止めて俯いた。
背後の彼女に紅の眼差しを向けると年配の男の様な低い声でポツリと呟く。

「―――貴女は気の済むまで、私のポケモンと狂暴化したポケモンとの戦闘のデータでも取っていれば良い。」

「―――"好き"なんだろう?研究者という生き物はそういう事が。」

鍔に手を添えると、ガイセイは支払いを済ませて店を出た。後に続く様にライチュウがメタモンを横目にふよふよと立ち去る。
その際、ライチュウは彼女の目と鼻の先で少しばかり停まると彼女の顔をサイコパワーを帯びたその瞳でジッと見た。

『―――キャハハッ♪』

ニタリと笑うとライチュウはガイセイを追って店を出た。
504スリカヤ◆mMItnivpDI :2018/05/13(日)21:54:23 ID:azw
>>503

「――――ふぅん、分かっちゃいました?」

彼女の糸目、黒目がちな彼女の瞳は何処を映していたのかは分からないが、その目が少し開いた気がした。
申し訳なさそうな下がり眉が、今だけは妙に鋭い不敵な笑みに変わる。

<<現地のトレーナーが捕獲に向かっておりますが、ポケモンは依然逃走を続けており>>

ラジオの音に耳を傾けながら、

「ありがとう。研究者冥利に尽きますわ。――――”幸運を”。」

手でそっとクロスフィンガーを作り、彼を見送る。その意味するところは恐らく既に彼も感づいている事だろう。

「うみうみちゃん、そろそろ私達もいきましょう?善は急げです。」

<<現地の情報によりますと、ポケモンはトレーナーと交戦しながら数件の店舗を破壊しつつ>>

「そう、これは善なのですよ――――」

<<既にけが人も出ており、警察は――――>>

ラジオのニュースは、淡々と事象を読み上げるだけに過ぎない。
街の人々にとって、道路一つ挟んだ向こう側の事件などただの「ニュース」でしかないのだ。

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ここだけポケモン世界の都市ロールスレ
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