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【短文】ここだけネポック魔法学校・十四限目【推奨】

1カメリア◆Wb0oWmK/22:2018/05/13(日)01:56:03 ID:QuY()
ここは人里離れた森の奥
そこには、国一番の魔法学校『ネポック魔法学校』が存在する
そこでは、魔導の道を極めんとする若き才能たちが、日々勉学に励んでいるのでした
これはそんな魔法学校の案内状です
入学手続きは簡単
名前を書き、門をくぐるだけ
ネポックの扉は、等しく開かれているのです

こちらは、短文推奨スレとなります
セリフ一行、地の文は多くても三行を意識して書いていきましょう
特にセリフが増えれば、それに返信しての繰り返しでどんどん大きくなるため、一行推奨です
また、凍結、置きレスもグダグダになる原因になるため、可能な限り非推奨です

前スレ
【短文】ここだけネポック魔法学校・十三限目【推奨】
http://kohada.open2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1524668098/l10
スレwiki
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次スレを建てるのは>>980の人にお願いします
2レオナ◆rwDSHkQLqQ :2018/05/13(日)03:00:13 ID:Ke5
>>1000
「あ・・・エリシアちゃん行動早いね、あはは・・・」

などと言いながら笑っていて

「グリフォンは・・・あたしはどーも出来ないし、アーニャちゃんに女子寮で調理してもらってみんなで食べよ?」

と、そう言ってにっこりとしてましたとさ
3ジノ・マルティーニ◆sQaptno2fc :2018/05/13(日)14:18:20 ID:qPf
「フム……」
「今日も風が心地よい、気運の表れであろうか」

照り付ける太陽も勢いを増すような昼下がり。からっとした快晴の空の下。降ろされた黒髪と頬を撫でつける風に眼を瞑る
ネポック風紀委員会の執行班長、ジノ。彼女の休日はひとまず勝負服である風紀の外套を脱ぎ、学舎の屋上で寛ぐのが日課だ
白い半袖のブラウスと、きりっとした印象を与える黒の膝丈スカート。外套が無くなるだけで威圧的な印象はすっかり消え失せていた

「……気運の表れか、皮肉だな」

しかし彼女の背後にある雲は、真っ黒く陰惨さを孕んだ凶兆の黒雲
ぽつぽつと振り始め、やがてドザッとバケツをひっくり返したように振り始める雨にジノは落胆した
雨は好きだが、打たれることはそれ程好みではない。なにより服を台無しにするからだ
耳を畳み尻尾を垂れ、仏頂面を浮かべるは濡れ鼠ならぬ濡れ狼。失意の足取りで屋上から去る

「あぁ……すまない、誰か乾いた毛巾を持ってはいないか?」
「リネンしか……!?、な、なぜそんなものを持ち歩いているのだ……」

学舎の廊下を行きかう生徒に声を掛けながら、スカートに浸潤した水を両手で絞る獣人の少女。
バルドイードが出くわすのは、きっとそんな場面だろう
4バルドイード◆m7hEgzNtKY :2018/05/13(日)14:28:35 ID:eo8
>>3
青年は雨の日が嫌いだった、それは彼の得意属性が火であるということ以前に、本能的な何かがそうさせるような原始的な嫌悪感、平易な言い方をすれば、トラウマのような。
故に、ざぁざぁと窓を打ち音を立てるその暗い一日に、彼の心も暗雲に塗り潰され、そのまま不貞腐れて寮に引きこもる……廊下を歩く彼の予定はそうなるはずだったのだ……彼女を視界に納めるまでは。

「……随分とまた、なんつーか……物悲しい姿っすね?ジノ先輩?」

ぼう、とその手に宿る炎、それは瞬く間に形ばかりはタオルの形になり、手を触れるだけで火傷しそうにすら思える灼熱のタオルを生成、相手に投げ渡しつつそんな風に声をかけることだろう。
彼のことを知らぬのならば面食らうような、というか攻撃と判断して間違いのない行動、だが彼のことを知っているのならば、そのタオルを手にとっても燃えるようなことはなく、放射される熱が水を蒸発させるだけの代物であると判別できよう。
青年の名前はバルドイード・フォン・ホーエンハイム、優しい炎などという周りに熱を伝えない炎を操る、この学園の生徒会の一人であった。
5ジノ・マルティーニ◆sQaptno2fc :2018/05/13(日)14:45:36 ID:qPf
>>4
「バルドイード庶務」

パシっとタオルを片手で受け取り、贈り手の名を呟きながら微笑むジノ
丁度いい所に来たと言わんばかりの表情だ。彼の属性適性についても周知しているのだろうか?

いや違う。火の粉を散らせて燃え盛る布をニヴァなら恐れるし、セツであれば棒立ちで手も伸ばさないだろう
バルドイードの顔を見る前に飛んできたそれを躊躇もなく掴めるのは、きっと彼女の度胸と信頼が為せる業なのだ
受け取った布で腕から肩を通り、胸に掛けて撫でると、濡れて張り付いていたブラウスがさっぱりと乾いて伸びる

「一つ借りが出来た。リネンでは肌が擦り切れてしまうからな」

スカートから脚のラインまでをそっと撫で、最後に粗く拭いておいた髪を完全に乾かすようにタオルで髪を持ち上げる
真っ赤な撚糸を口で咥えて髪をまとめ、内側まで水分の抜けた髪束にきつく巻き付けて留める
上に持ち上げられたポニーテールに、闇夜の中の鳥居のようにきらりと輝いて赤く映える
袖の隙間からのぞく肌色、普段は襟で隠された首筋など、休日のジノは男らしい雰囲気が一層薄い

「ふぅっ……落ち着いた」
「せっかくだから礼がてら歩かないか?、借りは早めに返しておきたい」
6バルドイード◆m7hEgzNtKY :2018/05/13(日)15:02:13 ID:eo8
>>5
「役に立てたようで何よりっす……まぁ」
「ちっとは可愛らしい部分が見えるかと期待してたんですがね」

ところでこの青年とて、目の前に炎で出来た某が飛んできた時の一般人の反応を把握していないわけではない、それが多大な恐怖と不信を生むことを青年はよく知っている。
それでも尚彼がこんな強行を行ったのは、目の前の時には完璧にすら思える相手の、驚きうろたえる姿を見たかった……そんな僅かな下心がないわけではないのだ、彼が僅かに呟いた言葉が示す通りに。
……ちなみに、女性らしい部分が、なんて言葉を言い換えたのは別にたまたまでも何でもない、目の前の相手の雨に濡れて尚映える美しさは、相手を揶揄するにはあまりに、青年の言葉を奪いつくすものだった。

「はっ、借りも何も……俺、この程度の借りでうじうじ言うほどいじましくねーっすよ」
「ま、同時にもらえるもんは貰う主義っすから付き合いますけど」

にっと笑顔を浮かべるその表情も、その言葉の雰囲気も、今日の青年は何だかダウナーだ……いや、普通に見るだけならまぁ、目つきの悪い青年がそれっぽいテンションで居るだけなのだが。
それは恐らく雨が降っていることも一つの理由なのだろうが、それ以上に彼が心を痛めるような某があるのだろう。
くるりと背を向け頭の後ろに手をやり、学食にでも行きます?と軽い感じで問う青年、外出するのは流石に、今も尚響く雨の音からご遠慮したいようだった。
7ジノ・マルティーニ◆sQaptno2fc :2018/05/13(日)15:15:49 ID:qPf
>>6
「む……?」
「あぁ、そういうことか」

タオルを投げ返すとジノは彼の反応にきょとんとした顔で疑問符を浮かべ
暫しそのままの姿勢で考え込むと、ようやく合点がいったような顔をする

ジノは女の子らしさから対極に近いような存在であり、性に関しても男に寄っている
言葉遣いや思考回路も女傑というより、ラオウに近い……

「うむ、付き合うぞ」

学食に向かうという提案にジノも頷いて同意する
しかし並んで歩いているときも、どうしてもジノはバルドイードを気にかけてしまっていた
それは彼の普段の様子とは異なる振る舞いに他ならないだろう。普段の彼はもっと溌剌というか
そう、燃え盛る炎のように快活で荒々しいのに

「ときにバルドイード庶務、君は雨があまり好きではないようだな」
「差し出がましいようだが、何か私に出来る事はないか?陰鬱たる雲海を追い払うことはできないが」

視線を合わせず前を見据えたまま、ジノはバルドイードに声を掛ける
うっすらと浮かべた笑みを絶やさぬまま、踏み入り過ぎないほどの善意を胸に
鬱陶しがられることも覚悟の上で、彼に一つ寄り道を提案する

「私も、たまには誰かに驚かされるのもいい」
8バルドイード◆m7hEgzNtKY :2018/05/13(日)15:31:52 ID:eo8
>>7
「あー?そりゃあ、嫌いっすよ、雨の日は外じゃまともに戦えねーっすもん、焔は言わずもがな、土も上手く扱えなくなるし……」
「……いや、先輩が言いてぇのはそういうことじゃねーっすか」

最も得意な炎の魔術、もう一つの属性として一応覚えている土の魔術、そのどちらもが雨のお陰で致命的に弱体化する、それは強さを求める青年にとっては致命的すぎる条件だ。
……が、戦闘の向き不向きを、それによって生じる不機嫌さを、この場で語るには少し道に外れていると言わざるを得ない……否、或いはそれこそが正道、ここで話すべき内容なのかもしれないが。
ちらと相手の方を確認……まぁ小さい青年のことだからきっと上目遣いにならねばなるまいが……その笑顔を見てそう判断してしまえば、青年の口からは一つ、重苦しい雰囲気の宿ったため息が漏れることだろう。

「ほんじゃ、一つばかし質問、まぁ簡単な話っすけど」
「ジノ先輩、アンタは……自分の力じゃ金輪際、絶対に叶わないような敵が居たとしたら、どうします?」

それは、相手を頼っているのか、ただ戯れに出した命題なのか、それすらも分からないような普遍的な質問であった、それでいて尚、答えは普遍的でない、この世の人口と同等に存在するだろう命題。
その表情は変わらず、なんだただの不良かといった印象しか抱かせない目つきの悪さとダウナーさだけを保っている、その質問の真意はあまりにも図りづらい、それが意味のあることかすらも、或いは。
……青年には、今まで生徒会として壇上に上がった時にも……青年の公的な容姿からは離れたものが一つ存在した、その目を覆う黒色の眼帯、まるで見られたくないものをかくしているかのような。
9ジノ・マルティーニ◆sQaptno2fc :2018/05/13(日)15:53:55 ID:qPf
>>8
「さぁ、どうだろうな」

バルドイードの呟きにジノは眼を閉じて、抽象的な物言いであえてその選択を彼に任せた
その結果彼が選択したのは、ジノに対しある質問を投げかけること
彼女はバルドイードの出した答えに耳を傾けつつ、それを最後まで聞き届けた

「実を言うとな、私にも一つ……絶対に乗り越えられない壁があるのだ」
「ジン・ドラックス……私の兄だ」

ゆっくりと口を開く
それは質問に対する答えではなく、それに対する前置きなのだろうか
ジノもまた越えられない壁を持ち、どうすればよいのかを考える時期があったという
最大の敵は身内にあった。強大な兄という最も近く、遠い壁

「武も智も、そして指導者としての器量に至るまで……私が叶う所は何一つない」
「ゆえに私は、影武者としての役を果たせなくなると……国を追放された」

「……私がもし兄様と刃を交えなければならなくなったら……」
「背を向けて逃げ去ることなど絶対にしない。正面からしっかりと向き合い、その眼で見据える……」

「痛みは気付きであり、疵は経験であり、死は終わりではない」
「その全てを我が物とすることで、人はさらに進んでゆけると私は考えておる」

ジノの選択した答えは、彼女を知る者であればきっと誰もがそう答えるだろう
正面から向かい、対峙すること、恐れぬこと。乗り越えられないなら切り崩す
そんな答えを迷いもなく言い放てるほど、彼女の芯は一貫している

「私は君の火がこれしきの雨で燻るとは、およそ考えられぬな」

学食へ向かう道の最中、外れの渡り廊下に袖を引っ張って連れ込む
それからバルドイードの顔を見つめ、人差し指を立てると片眼を瞑って微笑んでみせた
たった一つの瞳にも、ジノの生気と闘志は爛々と輝いていた
10バルドイード◆m7hEgzNtKY :2018/05/13(日)16:14:52 ID:eo8
>>9
その瞳が何を映しているかすらも、情報としては遮断される、答えとして語られる彼女の物語を、青年はその目を瞑ったまま耳に納めていたが故。
こつ、こつと靴が地面を叩く音ですら、或いはその答えには邪魔なものとして映ることだろう、それほどまでに彼女の答えは一つ、どこまでも強く濁りのない一本の柱を持っていた。
嗚呼、それは、青年にとっては余りにも眩しく、あまりにも直視しがたい存在だと、錯覚させうる程度には。

「……はっ、そりゃあ……買い被りっす、俺はジノ先輩が思ってるより一等弱虫で、一等意気地なしっすから」
「んでも、まぁ……信用されてんなら応えるのが俺の流儀っすね、リアルに」

彼が閉じていた目を開いたのはその袖を引かれ雨の下、ぽつりぽつりと顔に感じる雨を認識したその時にようやく、であった。
ふ、っと笑みを浮かべたその表情に込められた思いは何だろう、相手の示したその答えは、果たして青年の心に如何様な痛みを与えたのだろう、疵を残したのだろう。
ともあれ、外の雨は強く降り注げども、彼らの体がそれ以上に濡れることはあり得なかった、ぱちんと指を鳴らした青年の手の内には、先ほどのタオルと同様炎で出来た傘が握られていたから。
雨に降られど尚煌々と燃え上がる、青年の炎は雨の下では尚絶えない……それは勿論、火力を維持するために青年が魔力を注いでいるからで、余裕そうな笑みの下で疲労と共に汗をかいていたりはするのだろうが。

「ま、失礼な話っすけど……俺は、アンタが指導者じゃなくて影武者だったことが嬉しいっすよ」
「だってアンタが指導者だと、こんな場所で話も出来なかったでしょうから」

まぁ、とりあえずのその言葉の意味は、話が聞けて良かったと、その程度の意味を持つのだろう、つまりはその答えは青年の心に、確かな何かを残したと言うことだ。
言うだけ言って返事は待たず、くるりと背を向け再び学食への道を、屋内に入ればその炎の傘もお役御免とばかりにその手から消え失せた。
あくまでその背恰好は、雨を憂鬱に思っているもののダウナーさを醸し出していたが……先ほどよりは何となく、雲の垂れ目から光が差し込んだかのような……?
……いつのまにやら窓を打つ雨も弱まり、天使の梯子が柔らかく、彼らの歩む校舎を照らしていた。
11ジノ・マルティーニ◆sQaptno2fc :2018/05/13(日)16:28:33 ID:qPf
>>10
「……それがいい、自分を信じるのが難しいのなら、自分を信頼する他人を信頼すればいいのだ」
「私の事を信頼できるのなら、きっとそれは『君の君への信頼』の証明になる」

「ほら、君の炎は揺らいですらおらぬぞ!」

バルドイードが魔力をくべて燃え上がらせる炎の傘は、雨粒など瞬時に蒸発させて二人を護っている
気の持ちようで燻る火は業火にもなる、そんな教訓を伝えたかったのだろうか、そこまでは考えていなかったか
いずれにせよ、沈んでいたバルドイードの気持ちも燃え上がる炎に噴き上げられ、気球のように晴れやかな空に翔べばそれでよい
それだけでジノは幸せを感じられるだろう。ほら今も、嬉しそうにバルドイードの背中を少し強く叩いた

「私も嬉しいよ、バルドイード庶務……この学び舎で君らと出会えた、それだけでここに来て、本当によかった」

ジノの頬は血色の良い桃色になり、それは喜びを表す血の赤だ
誰しも辛い過去を持ち、やがてここに導かれて癒えてゆくのだ。激しい雨の後に差し込む後光のように
スカートに誂えられた穴から覗く、彼女のなめらかな毛並みの尾は嬉しそうに左右に振られていた
12バルドイード◆m7hEgzNtKY :2018/05/13(日)16:41:30 ID:eo8
>>11
「いや、それは……まぁ、確かに……」

その分それを維持してる自分は結構な疲労感を抱いているのだが、そんなやぼったい台詞を吐こうとして飲み込む、ことこの状況においてはそんな言葉に意味は無いと知って。
それは、まともに戦えないと嘆いていた青年の炎からは一線を画するものだ、即ち、それを維持することすら放棄していた青年が、煌々と光る焔に自身を注ぎ込み続ける意思を持ったと言うこと。
そして、何よりも……その弱っていた青年の火に、新たに薪を加えたのは他でもない彼女だ、或いはそれは薪などという生易しいものではなく、着火剤やガソリンだったかもしれないが、それでも彼女の言葉は青年の一つの目を前に向かせたのだ。

「あぁ、だからこそ……俺はこの学園を守る、絶対に」
「……次は、逃げてやるものか」

ぽつり、その言葉に宿るは意志、己が敵と向き合い、自らの信ずるものを、自らを信ずるものを下すための、永劫に燃え盛る紅の意志。
豪、ほんの一瞬だけその腕に宿った焔は……「熱かった」、本来ならどんな存在にもただ優しく、熱を伝えることなどありはしないはずのその炎が、まるで、自らの意志でそのコントロールを外したかのような。
きっと彼らはこのまま何だかんだで食堂に赴き、多少の交流と会食を楽しんでから別れることになるのだろう。
その青年の優しい炎が消える時までは、どうか晴れた空の下、彼らにほんの一時の安息を。
13ロイコ ◆13VxAhN3EKTU :2018/05/13(日)20:44:33 ID:Vg6
雨乞い少女レイヴンから「嵐が去った後の海に表れる青いエビを獲ってきてほしい」と頼まれたロイコ。
ならば多少の人手が欲しいと、校内をあてどもなく歩いて。

「お、彼女は……」

ふと見つけたその姿は、以前も課外実習だと手伝いに付き合わせたことのある少女の姿。
さて、以前は少し脅かしすぎてしまったきらいもあるが、やはりあれからの成長は気になるところ。

「やあ、少しいいかい?……海に一緒に行かないかと思ってね」

やや突拍子もない申し出の後、子細を聞いて受け入れるなら。その出立は次に来た週末のことだった。
14シャミル◆UFH2tocGt. :2018/05/13(日)21:03:06 ID:fVd
>>13

よくお世話になっている先生からの誘いを断る理由はない。シャミルにとってロイコは信頼できる人物だった。

「あ、ロイコ先生……。海ですか?もちろんいいですよ、今から楽しみです」

自然体で嬉しそうに微笑んで承諾。シャミルが人前で笑みを見せることは珍しく、ロイコへの信頼がそれだけ深い事を示している。
15ロイコ ◆13VxAhN3EKTU :2018/05/13(日)21:12:21 ID:Vg6
>>14
「お、それじゃあ週末はよろしくね。
 そうだ、妹もつれてくるけど……僕が教員だってことは内緒だ、いいね?」

そう言って悪戯っぽくウィンクなんかしてみせて、その場を後にした。

―――――――――――――――――

「さて、来てるかな……?」
「うみ、たのしみー!」

そして週末、分かりやすくネポックの校門を待ち合わせ場所としたロイコ。
いつものローブのかわりにトレンチコードを羽織り、背中には若草色の小さな姿を乗せて。ご存知エリシアである。
二人して門の見える位置まで歩いて行って、周囲に約束した少女の姿を探すのだった。
16シャミル◆UFH2tocGt. :2018/05/13(日)21:37:04 ID:fVd
>>15

「はい、よろしくお願いします。えっと……分かりました」

ウインクしたロイコに頭を下げる。そうしてロイコが立ち去ると、シャミルも自分の教室に戻っていった。

校門に寄りかかっていたシャミルは暗色のハイウエストスカートに白いブラウスという出で立ち。
二人がやって来たことに気付くとその元に駆け寄って。

「ロイコさん、エリシアちゃん、おはようございます。青い海老を捕まえられるよう頑張りましょうね……!」
17ロイコ ◆13VxAhN3EKTU :2018/05/13(日)21:45:14 ID:Vg6
>>16
「あっ、シャミルー!!」

そう言ってロイコの背中からひょっこりと顔を出し、手をぶんぶんと振るエリシア。
いつもとは違い緑色の頭部が違和感かもしれないロイコも軽く手を振った。

「やあ、今日はよろしくね。
 まあ生息場所以外は特に癖のない相手だ、気楽に行こう」

肩からエリシアを降ろし、シャミルへと任せて。彼女の手を握りちょこんと隣に陣取ったエリシア。
一部遠方の生徒のための馬車が、休日だというのに門へとたどり着き。
どうやら今日はこれで移動するらしい、それなりの距離ではあるが少し会話を交わすうちに目的地へ辿り着いてしまうだろう。
18タニス ◆p01m289DEw :2018/05/13(日)22:13:05 ID:kpz
曇天。その日の天気はこの一言に尽きた。
空は重く厚い雲に覆われ、昼時だというのに影と日向の見分けが難しいほど。
今にも雨が降りそうな空模様だと言うのに中庭のベンチに腰かけてコッペパンをもっちゃもっちゃと頬張りながら一人ぽつり。

「今日はいい天気だねぇ」

陽の光が少ないせいか、今日は片目を包帯で隠してはいない。
眉間の皺もいつもよりも気持ち小さいものだ。
周りに人が少ないのをいい事にひとりごとは続く。ぱっと見ではやべー奴でしかない。

「いつもこれくらい曇ってたらいいんだけどね。雨が降られるのは勘弁だけど」
19シャミル◆UFH2tocGt. :2018/05/13(日)22:16:39 ID:fVd
>>17

二人に小さく手を振り返したシャミルはロイコの頭部を不思議そうに僅かに見つめた。

「はいっ、ロイコさん。エリシアちゃん今日は楽しんで良い思い出になる日にしようね」

エリシアの手を優しく握り返してやってきた馬車に手を引いて乗る。
道中楽しげに会話を交わしながら、目的地に着けば乗った時と同様に先導して降りるだろう。
20レイヴン◆L1x45m6BVM :2018/05/13(日)22:22:23 ID:qx5
>>18
月桂冠のついた亜麻色の長髪に水色の瞳の少女が一人、その中庭に追加される。格好は非常に目立つ。
制服なんて知らないとばかりに頭にススキ飾り、胴にサラシ背に羽衣、腰には腰簑をつけて草履を履いたその姿は知らなければまず驚くだろう。
もしくは呆然とするかもしれないか。とはいえその人物は数少ない視線も気にすることなく、たまたまタニスの前に立った。

「今日は曇天、雨は雲が必要……つまり今日は最適な日……!」

腰簑に手を添えたかと思えばその手には翼飾りと鈴のついた杖が現れて、無表情に近いながらもやる気に満ちた顔で少女は言った。

「絶好の雨乞い日和……!」

その発言、コッペパンを頬張る相手にはダメな発言であるだろう――。
21タニス ◆p01m289DEw :2018/05/13(日)22:34:32 ID:kpz
>>20
タニスがレイヴンの奇特な格好を見た時、たまたま口にパンが詰めこまれていたのは幸いだったろう。
そうでなかったら「うわやべー奴だ」なんて辛辣かつブーメランな言葉が飛び出しているところだった。なんて失礼な先輩なんだ。

「……まあ、うん、そうだね」

まさかこちらに寄ってくるとは思いもよらず、けれどわざわざ移動するのも億劫で。
よく分からないが何かに真剣に取り組もうとしているレイヴンとは対照的に、どこか冷めた様子で頷く。
が、その目的を聞けば話は別、ツッコミを入れずにはいられない!

「ちょっと待った、それはおかしい。いや、でも理論的には間違ってはないのか……?」

なんで雨乞い?だのその格好の意味は?だのいろいろ言いたい事がありすぎて結局口に出せたのは一つだけだったのだが。
とはいえ雨の原理を考えればタイミング的には間違っていない訳で、ううんと首を捻った。
22エストレラ◆C8tqkppUPe3U :2018/05/13(日)22:37:43 ID:OBs
とある日の昼休み。
校舎と校舎を繋ぐ渡り廊下で、大きな紙袋を抱えた妖精の少年が、空を見ながら何やら思案していた。

「さて、この空模様だと、どこか屋根があるところにした方が良さそうだね」

見上げる空はどんよりと曇り、今にも雨が落ちてきそうである。
23レイヴン◆L1x45m6BVM :2018/05/13(日)22:40:18 ID:qx5
>>21
さてそんな言葉、仮に出したとしてレイヴンがどう反応するかはお楽しみに。
例え相手が冷めていようが関係無い、雨乞いしてれば賑やかになるとレイヴンは踏む。まあ本当に喜んでくれる相手と、雨のバカヤロー! 的な相手に分かれるのだが。

「……おかしい? でも曇天は雲が多い。雨が降るには絶好のお天気」
「晴れの日よりは、雨が降る可能性が高い……つまりおかしくない」

首を捻る相手にまるで正論でも言うかのように持論を並べるレイヴン。だが合っていたとしても奇妙だろう。
そもそも雨乞いとは雨が降らぬ地域でやるもの。つい先日降ったばかりのここでやる意味とは。

「…………納得した?」

これに答える前にレイヴンはカリカリと何かの範囲を決めるかのように杖で地面に円を描くだろう。
24レオナ◆rwDSHkQLqQ :2018/05/13(日)22:40:59 ID:d5e
>>22
たまたま通りかかり、見知った顔を、妖精を見かけたから声をかける事に

「あ、エストレラさん」

そう言って、手を挙げて呼びかけます
しかしながら、いつもよりは少しだけ元気が無いように感じるかもしれない
25エストレラ◆C8tqkppUPe3U :2018/05/13(日)22:44:53 ID:OBs
>>24
「ん? ああ、レオナ君か。
…この前は大変だったね」

レオナの声に振り返り、そう声をかける。
エストレラが思い浮かべるのは先日のバーベキューパーティーでの出来事。
26レオナ◆rwDSHkQLqQ :2018/05/13(日)22:49:10 ID:d5e
>>25
「え・・・うん、あの時もだけど・・・」

そう言うと、ため息ひとつしてから

「実は、昨日も妹が誘拐されて・・・今回の犯人は捕まったんだけどね」

エストレラは噂を聞いているだろうか、リナ誘拐事件があった事も

「その時さ、聞いたんだけどあたし・・・普通の人じゃ無いのかも知れないって・・・」

少女は言う、しかし別に機会になっていたりキメラだったりな様子は一切無い
27タニス ◆p01m289DEw :2018/05/13(日)22:50:17 ID:kpz
>>23
「そりゃお狐様の祝言でもない限り、雨は雲がなけりゃ降らないけどさ……じゃなくって」

そういう事じゃない。いや言葉が圧倒的に足りていないこちらが悪いのだが。
言葉を探して灰色の空を仰ぐ。さすがに直に見るのは目への刺激が強かったか、ぐっと細めて視線を戻す。

「いや納得もなにも……そもそも、なんでそんなに雨が降ってほしいのさ」

いつの間にやら儀式めいた図式を地面に描き始めているのを認め、やや引きつった笑み。
本当に効果があるのかは半信半疑、無理には止めようとせずコッペパンにまたかぶりつく。
28レイヴン◆L1x45m6BVM :2018/05/13(日)22:58:47 ID:qx5
>>27
「……む? お狐様の祝言? …………詳しく」

「私は雨が好きだから。浴びたいから。だから降らせたい、それだけ」

言葉を探すだろうタニスに追い討ちかけるような質問飛ばし。表情や言葉からするに、祝言の意味もあんまりわかってなさそうだ。
どうやらレイヴンは雨に関わるなら興味を持つご様子。さて意味を答える余裕はあるか?

その後に続くのは人が数人入れそうな円を描き終わったレイヴンの主張。
実にスッキリとした内容であり、実に困らせる内容の主張。普通そんな理由でも雨を降らせたいと考える者は数少ないだろう。

そしてレイヴンは中心に杖でぐりぐりと目印をつけると顔を上げて曇天の様子を確認し、鈴がついた杖先を天に向けて、よし、と意気込んだ。
29エストレラ◆C8tqkppUPe3U :2018/05/13(日)23:00:25 ID:OBs
>>26
「ああ、それで昨日はちょっと騒がしかったんだね」

何か事件があったというのは掴んでいるが、その内容までは知らなかったようだ。

「何が目的化は知らないけど、ともかく君や妹が無事でよかった」

少なくとも、無事でないのならこんなところにはいないだろうと推測して。


「ふむふむ… それで悩んでいるというわけかな?
とりあえず、知り合いとかクラスメイトを思い出してみよう。
さて、その中で、『純粋な人間』って、どれぐらいいるかな?」

と、悪戯っぽい笑顔を浮かべ。
30レオナ◆rwDSHkQLqQ :2018/05/13(日)23:06:41 ID:d5e
>>29
「うん・・・それだけが本当に」

と、微笑みながら言うと、続くエストレラの言葉に

「純粋な人間・・・えーっととりあえずウィル君エルリア君リエード君ルナちゃんルビーちゃんタニスさんにダニエル君もか・・・後は・・・」

そうでもないかも知れない人も居るが、完全にレオナの主観で挙げていきます

「・・・案外少ないのかな」

他は亜人だったり、目の前の人もそう、妖精だ
31タニス ◆p01m289DEw :2018/05/13(日)23:11:00 ID:kpz
>>28
「ん?どこかの地方だと、狐が嫁入りすると晴れなのに雨が降るって言い伝えがあるら……しい……」

おおっと真面目な性分が災いしたか、レイヴンの質問に思わず素直に回答してしまったぞ。
答えてしまってからやらかしたと思ったのか、最後の最後で口ごもったが。
この子なら本気にして何かしらやりかねない、そう思わせるだけの雨に対する情熱がレイヴンから伝わってきたからね、仕方ないね。

「それ、シャワーとかじゃ駄目……っぽいか。だったら最初からそうしてるもんねぇ」
「ところでそれ、どういう仕組み?それで雨を降らせるんでしょ?」

準備が整ったらしいレイヴンを眺めながら、念のため校舎内に避難する算段を整えておく。
止めるのはもうなんか諦めた。本当に雨が降り出したら全力のダッシュも辞さない構え。
とはいえ雨乞いの儀式に興味があるのも事実、始まってしまう前にその機構を聞いてしまおうと。
32エストレラ◆C8tqkppUPe3U :2018/05/13(日)23:12:56 ID:OBs
>>30
「うん、ここは割と『純粋な人間』じゃない人も結構いるよね。
で、君はそう言う『純粋な人間じゃない』ということで態度を変えたりするかな?」

と、質問を返してくる。
その表情はまるで、子供を見守る親のような―――
33レオナ◆rwDSHkQLqQ :2018/05/13(日)23:15:18 ID:d5e
>>32
「え?しないよそんな事」

と、彼の説明に対しては即答。そもそもそんな人間ならエストレラさんと会話なんてしていないだろうと思い

「もしそうならあたし、今こうしてエストレラさんとは会話してないよね」

と、目の前の妖精に言う
34レイヴン◆L1x45m6BVM :2018/05/13(日)23:25:12 ID:qx5
>>31
「………………ほほう、狐…………でも狐の嫁入りだと……むぅ」

狐の嫁入りと聞けば流石のレイヴンもどういう意味かは理解できている。小さな黒い翼のような耳がパタリと跳ねるとその言葉は耳に残した。
とはいえまさか、雨を降らせるのにレイヴンがわざわざ狐のつがいを一組作っては狐がネポック校内で大繁殖である。
しかし参考にできるものはあるかもと調べる対象に入ったという。目はマジだ。

「シャワーは……滑る、痛い」

どうやらなんらかの事情で事故が起きるらしい。謎だ。

「……魔法陣の儀式は今日は許可が出なかった、だから踊る。……あなたも踊る?」

そしてレイヴンは手を差し出して円の中央でそう誘う。魔法陣ではなく、踊りとのこと。さしずめ下の円は舞台なのだろう。
……つまり、タニスが参考にできるかどうかは未知数。誘いに乗っても乗らなくてもレイヴンはその円の中で始める。

杖の鈴を鳴らし、振れば翼飾りは羽根の音を微かに鳴らす。
片足を軸にその場で回転すれば、腕を伸ばして杖と共に虚空を切り、時には跳ねるように全身を使う。
旅の踊り子に迫るような流麗な踊りをするレイヴンは、言ってしまえば舞いで行う占いだろう。
腕を振り抜く度に鳴る鈴の音や、身体を回す度に広がる羽衣と腰簑はその踊りをよく映えさせる――。
それらはすべて雨乞いのために鍛えられたのが、なんとも言えない。
35エストレラ◆C8tqkppUPe3U :2018/05/13(日)23:26:10 ID:OBs
>>33
「それなら話が早い。
いつも通りに自分は自分だと、胸を張っていればいいんだよ。
『普通の人じゃない? それがどうした! 普通じゃない人どころか妖精の友人だっているぞ!』って」

レオナの言葉に破顔し、勇気づけるように。

「そんなくだらないことで足を引っ張る人がいるなら、逆に引き摺り回してやればいい」

そして、悪いことを企んでそうな笑みを浮かべて。
きっと、エストレラの頭の中ではレオナに引っ張り回されて疲労困憊している『悪い人』でもいるのだろう。
36レオナ◆rwDSHkQLqQ :2018/05/13(日)23:33:59 ID:d5e
>>35
「・・・そっか・・・そうだよね!うん・・・ありがとう!なんか元気出た!」

と、少女は言って、にっこりと笑ってます

「あたしもね・・・いきなりそんな感じの事を聞いたからなんかよく分かんないんだけどね、普通の人とどー違うのかとか、ぜんっぜん・・・多分あの襲撃してきた人達の言う失敗作とか成功作とか関係してるんだろうけど・・・」

と、一応考えてます

「んで昨日出てきた名前がベルドリア・・・って言ってた」

その名前は、約14年前に捕まった男で各地から子供を集め攫って非合法な研究を繰り返していた所、テラ・フェルナンデスと言う高名な魔術師に捕まったとされてます
そしてその子供達は身元に返され、身元不明だった子たちは孤児院に預けられたそうな
37エストレラ◆C8tqkppUPe3U :2018/05/13(日)23:38:55 ID:OBs
>>36
「というと、この前襲ってきた人とも関係があるって考えた方が良さそうだね…」

思い出すのは先日の事件。
彼等の目の前で、自ら命を絶った一人の男。
そして、段々不機嫌になっていくエストレラ。

「捕まってから逃げ出したのか、それとも、捕まったのは偽者―――」
38タニス ◆p01m289DEw :2018/05/13(日)23:40:13 ID:kpz
>>34
狐の嫁入りについて口を滑らせ、なんとも言えない面持ちのタニス。
最早後はレイヴンの持つ一般常識と自制心に賭けるしかない。
見境なく狐を繁殖させたりなんてしないよう祈るのみ。
普通は雨のためにそこまでしないのだろうが、何というか、やりそうだし彼女。

「はあ……なるほどわからん」
「説明になってないよねそれ……ああいや遠慮しておく、まだ食事中だし」

気の無い返事、シャワーを嫌う理由は分からなかったが、いい思い出がないのは伝わったのだろう。
差し出された手には軽くローブの袖を振って丁重に断る。
レイヴンが中庭に来る前から食べ進めているというのに、コッペパンはまだ半分以上残っている。なかなかに遅い食事ペースだ。
彼女流の雨乞いの儀式の仔細は結局理解できないまま、あまり大っぴらにはできない技法なのだろうかとぼんやり思う。
タニスは舞には疎い。しかし彼女のそれが並の技量ではない事くらいは分かる。
こういったものを鑑賞しながらの食事も悪くない、その本来の目的も忘れかけてまだもぐもぐとコッペパンを頬張った。
39レオナ◆rwDSHkQLqQ :2018/05/13(日)23:43:10 ID:d5e
>>37
「・・・うん」

と、エストレラの様子を見つつも思考して

「偽物でどっかでまた何かしてるのかな・・・」

と、呟いて言って

「なんにせよ・・・その人が怪しいよね・・・昨日のソーレって人も自分が失敗作と言われてるーとか言ってた」

と、昨日の襲撃者について語り
40エストレラ◆C8tqkppUPe3U :2018/05/13(日)23:49:26 ID:OBs
>>39
「何らかの方法で逃げおおせた本人がやってるか、それとも遺志を継いだ何者かがいるのか…
ともかく黒幕を捕まえてみないことには何とも言えないかな」

そう言って、少しの間考えてから。

「そういえば、昨日襲撃してきた人はどうなったのかな?」

と、レオナに聞く。
41レイヴン◆L1x45m6BVM :2018/05/13(日)23:50:20 ID:qx5
>>38
わからないのも当たり前。一緒に入って目撃した人にしかわからない流れがある。
シャワー自体は嫌いではないが、雨として楽しむには難しいもの、というだけである。

「ん、わかった」

食事中と聞けばすんなり引いて踊り始めていた。…………まず食事中なら雨降らせるな、というツッコミが来なかったというのは幸いか。

暫し、その舞いはタニスの前で繰り広げられる。その時足元でも見ていれば円の意味はちゃんとわかるはずだ。
彼女はそこから出ないようにしている。時々地に杖の石突を滑らせてはいるものの、最初に描いた円にら重ならない。
時に優雅に、時に激しく、時に淑やかに舞い続けた成果は次第に現れる。その頃にはタニスの食事も進んで……いるかはわからないが。

空の、重い音と共に。その時、タニスの頬には一滴なにかが伝うことだろう――。
42レオナ◆rwDSHkQLqQ :2018/05/13(日)23:52:29 ID:d5e
>>40
「昨日の人はねー、タニスさんが気絶させたから、そのまま連行されたよー」

と、結末を説明します。どうやら自害はさせる前にケリをつけた様子で

「その人は腕一本無くしたくらい」

と、答えます
腕一本は無くしたらしい
43タニス ◆p01m289DEw :2018/05/14(月)00:01:00 ID:s4Q
>>41
言ってしまえば油断だ。この天気とはいえ、まさか本当に降りはしないだろうと。
タニスは雨乞いの儀には詳しくない。彼女の所作や装飾の一つ一つに意図があるのだろうとは思えど、意味そのものを推測するのは難しい。
それを躍起になって解明しようとするほど勉強熱心でもなく、だからこそ感傷に徹する事ができる。
その間も食事の手は止めていない。……止めてはいないのだがやっぱり遅い。よく噛んで食べるのは大事である。

「……んん?」

ぽたり、頬が濡れた気がして空を見上げる。変わらない曇天。
否、よく見れば薄暗い中にいっぱいの雫が――。

「……うっそでしょ」

次の瞬間地上を襲うのは降り始めなんてものじゃない、遠慮なしの雨、雨、雨。
あまりの雨量に最早室内に逃げる気も失せるというもの、タニスはベンチに座って呆然と呟くのであった。
44エストレラ◆C8tqkppUPe3U :2018/05/14(月)00:07:26 ID:20U
>>42
「それでも腕一本かぁ…」

そう言ってため息をひとつ。

「これ以上被害者が増える前に何とかしたいけど、
まだまだ黒幕を追い詰めるだけの情報はないだろうし」

その表情や声色からは心底嫌そうな気分を感じさせるものであった。
そして、憂鬱な気分を表すかのような曇り空から、雨粒が落ち始める。
45レオナ◆rwDSHkQLqQ :2018/05/14(月)00:11:30 ID:fTu
>>44
「うん・・・雨も降って来たよね・・・」

と、天を見上げて呟いて

「・・・天気も優れないし、今日はもう寮に戻るよ」

レオナはそう言って、歩き出しました

「またね、エストレラさん。なんか、ありがとうね」

と、笑顔でお礼を言って、手を振ってその場を去って行きました
46レイヴン◆L1x45m6BVM :2018/05/14(月)00:11:57 ID:vNH
>>43
タニスの運の悪さはレイヴンの実績も影響している。なにせレイヴン、成功率はかなり低い。
そう、これはレイヴンの運が良く、そして周囲に止める生徒が誰一人居なくなってしまったことが不幸なことだった。

そして呆然とするタニスの前で踊っていた少女、レイヴンはというと――。

「きゃっほーーーーい! 雨! やった! 降ってくれた! エスエスにお礼言わなきゃ!!」

どう見てもさっきまでの落ち着いたダウナー気味の少女だったはずだが、雨に濡れたレイヴンはその表情を晴れやかなものにしていた。
その場で流麗さを残しつつ、まるで子供が遊ぶがごとくはしゃぎ、跳ね出すレイヴンにさっきまでの面影はない。

「そういえば! あなたの名前聞いてなかった! 私レイヴン! あなたは!?」

はしゃぎながら名前を聞き出そうと濡れた全身をそのままにして近付いてくるレイヴン、しかしぬかるみ地面は跳ねることはない。

そして、タニスの察しがよければこれでわかるだろう。
シャワーで滑るのはこのレベルではしゃいで濡れた床でスッ転ぶせいだと。
47エストレラ◆C8tqkppUPe3U :2018/05/14(月)00:21:22 ID:20U
>>45
「雲行きが怪しいと思ってたけど、もう降り出すなんて…」

渡り廊下の屋根があるところから、手だけを屋根がないところに出し、雨粒を受け止める。

「それじゃあレオナ君も気を付けて。またね」

そう言ってレオナを見送る。


「さて、この様子だと、僕も大人しく教室に戻った方が良さそうだね」

雨が段々激しくなる中、来た道を教室へと戻っていくのであった。
48タニス ◆p01m289DEw :2018/05/14(月)00:22:35 ID:s4Q
>>46
「うわやべー奴だ」

なんということでしょう、レイヴンの変貌ぶりについに辛辣な言葉が。
気がつけばちらほらいたはずの生徒達は皆校舎内に消えている。
顔も覚えていないが真っ先に逃げた彼らを少しだけ恨んだ。
銀糸の髪も濃紺のローブも雨に濡れてずっしりと重くなる。
滴る雫が無性に腹立たしい、諦観に束の間目を閉じた。
まだ食べきっていないコッペパンも水を吸ってすっかりふやけているが、そこには頓着せずまた口に含んだ。
食べ物は粗末にしてはいけないのである。

「レイちゃんね、楽しそうならよかっ……いやあたしは全然よくないんだけど」
「タニスでいいよ、よろしくねぇ」

今後は絶対に自分の前で雨乞いはさせまいとひっそり固く誓う。これで風邪でもひいたらたまらない。
どでかいくしゃみを一つ、濡れた故かどこぞの噂話につられたか。
49レイヴン◆L1x45m6BVM :2018/05/14(月)00:30:20 ID:vNH
>>48
「?」

やべー奴。残念ながらレイヴンはそんな呼称に慣れっこだ。
ヒソヒソされたり遠巻きにされていてもレイヴンは決してその精神を曲げることはない! それに最近では友達も増えてるので余計に頑強になっている。

「うん! 雨浴びると気持ちいいから! タニス? タニタニって呼んでもいい?」

おっとこの娘、どうやらタニスを本名と思っている様子である。訂正するなら今である。アダ名をつけていると見るには容易だろう。

が、それまで元気いっぱいだったレイヴンはくしゃみを聞いて表情が固まる。

「……さ、寒い? 風邪? ご、ごめん……早く中に……!」

と、言えば慌てて校舎内に引っ張っていこうと手を引こうとする。
ちなみに女子にしては力はある方である。耐えようと思えば耐えられるが。
50タニス ◆p01m289DEw :2018/05/14(月)00:44:48 ID:s4Q
>>49
残念ながら全く堪えた様子がないが、その反応にも納得。
強い子なんだろうなぁと自分の発言を棚に上げてしみじみ思う。それが良いか悪いかはさておき。

「……ああ、そう。よかったねぇ雨降って」
「斬新なあだ名つけてくるねこの子。別にいいよ、好きに呼んでくれて」

雨が降り出してからのテンションの高さについていけていないか、レイヴンの勢いにはやや押され気味。
名乗ったところまさか通称にアレンジを加えて返してくるとは思わず、目を瞬かせるが駄目という事ではないらしい。
さて急に顔を強張らせたレイヴンに、タニスも不審げに首を傾げる。

「どうしたの、洗濯物でも出しっ放しだった?」
「え、いや、多分誰かに噂されただけでしょ。まあちょっと寒いけどそんなでも……あっやだこの子意外と力強い」

ああ、そういう配慮はできるんだからいい子ではあるんだろうなぁなんて他人事のように。
ぐいぐいとレイヴンに引っ張らればさして抵抗するでもなく校舎内に連れて行かれるだろう、もう片方の手でコッペパンを貪りながら。
51レイヴン◆L1x45m6BVM :2018/05/14(月)00:53:42 ID:vNH
>>50
「良かった! じゃあタニタニ!」

レイヴン特有の頭二文字の繰り返し式アダ名。一応断れば通常通り呼ぶこともできるので本人なりの友好の証なのである。
タニス自体がアダ名と知ればその時はまた別の候補をあげてくる可能性もまだあるのだ。本名を知れるかはいまだ未知だが。

「洗濯物は大丈夫! 私は!」

残念ながら他の人がたまたま干していた場合のことまでは想定していない。……まあ曇天の空気だったのだ、居ないことを願うのみ。遠くでは少し雰囲気を下げてしまったようだが。

「風邪は引いたらダメ! ……言ってくれたらやめたのに……」
「……あ、パンも……後で何かでお詫び、する!」

そうやって呟きながらレイヴンはびっしょり濡れたままでタニスの全身を見て、ローブは脱げるか? なんて言い出す。
しかしコッペパンの方はさすがに熱を与えて水分を飛ばそうにもカッチカチのパンになる可能性があるために別のもので補填すると。

なお、頭のてっぺんから足の爪先まで濡れたレイヴンはまるで寒くなさそうである。床に水が広がるほど濡れているというのに。
52タニス ◆p01m289DEw :2018/05/14(月)01:06:56 ID:s4Q
>>51
「レイちゃんは大丈夫かもしれないけどさぁ……まあいいや、今日は外に干してる人も少ないでしょ」

突発的な雨というものは広範囲に多大な影響を与えるもので、いちいちそれを気に病んでは仕方がない。
要は気にしたら負けである、重苦しい天気に気分が沈んだ人達もいるかもしれないがそこまで気を遣ってはいられない。

「これくらい大丈夫だって、そんなに簡単に風邪ひく程病弱じゃないからね」
「パンは……ま、栄養価が変わる訳じゃないから気にしなくていいよ」

先日の騒動でずぶ濡れになった際、きっちり後日風邪をひいているのだが謎の自信。次はいける的なアレなのか。
パンを咥えながらローブを脱いでぎゅっと絞ると、雨水がだばーっと廊下を濡らす。迷惑極まりない。
中に着ていた紫紺のシャツも濡れてはいるのだが、こちらはここで脱ぐわけにもいかず。
コッペパンの残りはあと数口、このまま食べきってしまう腹づもりのようだ。

「……っていうか、レイちゃんは寒くないの?ずぶ濡れだけどさぁ」
53レイヴン◆L1x45m6BVM :2018/05/14(月)01:15:42 ID:vNH
>>52
「…………夕立は、よくあること!」

今は昼だ。そんな外で壁や乗り物をピッカピカにしたら雨が降るみたいなジンクスは通用しない。
とはいえ犯人として責め立てられることが少ないのは……レイヴンのやり方はたまたま、と思われてる面があるからか。

「でもローブがびっしょり、良かったら乾かす!」

そう言うと絞られてるローブをちょうだいとばかりに手を出した。乾かせるとはどういうことか、と思うかもしれない。

「美味しくなくなってしまったのは残念、だから!」


「私は平気! このくらいで引かない!」

普段から雨の中でやべー奴してるため、最早この程度の濡れ具合では屁でもなくなっている。それこそ異常気象でいきなり雪でも来ない限りは風邪など引かないのだ。

もしローブを受け取っているならばそのローブを広げるように繊細なコントロールで初等部レベルの小さな風魔法で仰ぎつつ、周囲の空気を少し暖め始めた。具体的には、レイヴンから3メートル内の範囲を。
54タニス ◆p01m289DEw :2018/05/14(月)01:30:12 ID:s4Q
>>53
今日の件に関しては元々の空模様が怪しかったのだ、きっと彼女が犯人として追及される事もないだろう。
中庭にいた他の目撃者が沈黙を貫けばの話だが。
んぐんぐと咥えたままのコッペパンを完食、手を使わないその食べ方はかなり品位に欠ける。

「ん、よろしくね、適当でいいよ」

これくらいは頼んでもバチは当たらないだろう、素直にローブをレイヴンに手渡す。
緩いベルトに繋がれた左右の鎖が腕から滑り落ち、行き場もなく音を立てて揺れた。

「本当に気にしてないんだけどな……じゃあ今度昼ご飯を奢ってくれるくらいでいいよ」
「つよい……あたしももうちょっと耐性つけるべきかなぁ」

パンに関してはレイヴンに押し切られる形、雨が降ってからのテンションに弱いのか。
後輩にたかるのも悪い気はするが、後で誤魔化してなかった事にすればいいやととりあえずの妥協案を。
濡れた肌はほんのりと暖かい空気に敏感だ、レイヴンに少しずつ寄って冷えた身体を暖める。
ついでにぱたぱたと衣服を扇いで少しでも乾くようにと。
平然としているレイヴンを一瞥、もしやしょっちゅう水に濡れていればこうなれるのではないかと思案。あぶない。
55レイヴン◆L1x45m6BVM :2018/05/14(月)01:39:07 ID:vNH
>>54
「鎖? わかった!」

その音に敏感に反応しつつもローブを受け取れば元気よく。わかった、と言いつつ本当に適当にするわけではないので安心していい。

「奢る? それでいいの? 良かったら作る!」

今度、と聞けば余裕ありげだ。今のところ金の宛はあるのだろう。それこそタニスが爆食娘でもない限りピンチにはならない。

「無理はしない! 無理して倒れてもいつも助けれる、とは限らないから! できたら見てる時に!」

レイヴンからの強い忠告。近付かれても嫌がるような様子はなく、むしろレイヴンから寄ってその恩恵を享受しやすくする。
自然とレイヴンの身体も衣装も水の滴りを収めていき、それらが完全に止まる頃にはローブもしっかり乾いている。

「はい! 乾いたよタニタニ!」

何より、生乾きの臭いはしない。そう、風魔法を使用したのは風通しのためだ! これはとある先生からの教えである。
代わりに何にもしてないレイヴンの服……からしたとしても位置的には気取りにくいか。不思議なのは頭の月桂冠がいまだ瑞々しいことだけである。
56タニス ◆p01m289DEw :2018/05/14(月)01:57:45 ID:s4Q
>>55
「ん?ああ、おしゃれみたいなものだから気にしなくていいよ」
「てりょっ……それはちょっと重いというか、いや安く済むのは分かるんだけど」

ぶらんぶらんと腰から膝付近まで垂れ下がって揺れる鎖に目をやる。
実際彼女の言う通り、見た目ではただのファッションの一部のよう。
作るとの言葉には言葉を思わず詰まらせる。そういうのは好意のある異性にしてやるものではないのかと。
が、そこで発揮される押しの弱さ。なんだかんだでタニスが押し切られる形になるのであった。
ちなみに彼女の昼食はごく普通のコッペパンが一つ、胃袋はそう大きい方ではないらしい。

「実感こもってるねぇ……分かってるって、無理はしないよ」
「ありがとレイちゃん。おおすごい、ちゃんと乾いてる」

言ってみはしたものの実際に効果があるとは限らないのだ、軽く片手を振って苦笑い。
ローブを受け取って袖を通す、その前に鎖を緩く腕に巻くのを忘れない。
ある程度の湿り気や臭いは仕方ないと覚悟していたが、予想以上の仕上がりに少し目を見開いた。
二人とも先程までずぶ濡れになっていたとは思えない。ふと、光に敏感な赤眼が照明に反射する水滴を捉えた。

「あれ、こっちは乾いてないけどいいの?」

自分の頭を指差して問う。レイヴンの月桂冠を指しているのだろう、単純な好奇心からの質問だ。
57レイヴン◆L1x45m6BVM :2018/05/14(月)02:06:22 ID:vNH
>>56
「リエリエの同志かと思った」
「重い? ……軽いのってこと!」

さて、鎖に関わるリエリエとかいう人物はそう多くなさそうだが、深入りするかしないかはタニスの自由。
そしてタニスはもしかしたら、ここまでの様子でなんとなーく察することが出来てくるかもしれない。レイヴンにそういう浮わついた話題が皆無に近いのを。
そのことは発言からも伺える。気持ちの重さではなく、メニューの要望としていることに。多分サラダとかスープにされる可能性がある。
まあ、早い話。彼女に異性の話題はない。まず彼女をそういう目で見る男子も今のところ居ないのだから。

「先生直伝の乾かし方……風通しさえ良ければ生乾きにもならない」

そして、レイヴンのハイテンションモードは唐突に終わった。雨に濡れていることがトリガーなので乾ききった今はローテンションモードだ。
小さな黒翼の耳がパタパタしてるので雨を浴びたいのかもしれない。

「…………? ……あ、こっち。これはいつもこうだから、大丈夫。…………食べないでね?」

レイヴン、意味を間違えたのか一度タニスの頭に手を伸ばして確認しようと。阻止されたらすぐに、されなければ少し撫でてから自分の頭だと気付く。
そして月桂冠の状態について大丈夫の意思を伝えると……失礼な忠告が。
58タニス ◆p01m289DEw :2018/05/14(月)02:24:08 ID:s4Q
>>57
「誰……ああいや、違う違う、あんな使い方はしないから」
「そっちじゃないなぁ……や、そんなに食べる方じゃないから軽めだと嬉しいんだけどさ」

一蹴しかけてふと思い出す、そういえばそんな呼ばれ方をしている人物が一人いたと。
そもそもタニスは拳を使う事がほとんどない、己の肉体より信用できる得物があるからだ。
とはいえ今言う事ではないだろう、いやいやまさかと首を横に振った。
レイヴンの異性事情は勘違いの仕方で察したのか、深く踏み入りはしない。人の事は言えないから仕方ないね。

「あ、戻った。むしろさっきのが素……?」
「月桂樹っていろいろ薬にも使えるんだよねぇ。いやさすがに人のを盗ったりはしないから」

レイヴンの手は拒否する事なく、「そっちじゃないよぅ」と苦笑いを零すだけ。白銀の髪はまだほんのり湿っぽい。
不思議な月桂冠に少しだけ好奇心がわくが深く聞きはせず。
忠告にはすかさず否定、さすがに人の物を盗るほど堕ちてはいない。
59レイヴン◆L1x45m6BVM :2018/05/14(月)02:32:00 ID:vNH
>>58
「……じゃあどんな?」
「ん、わかった! 軽めのやつ作る!」

と質問はしたが現状流されてもおかしくないものだ、乾くまでの繋ぎとして機能したかは定かでない。
あの使い方も正直鎖として合ってるのか、普通に謎だが。
そしてタニスの言質をとれば元気よくサムズアップ。実に器用。

「……素って?」

レイヴンは自分の豹変に無自覚。無自覚だからこそ二つのモードでの記憶を維持しているのだ! どちらを素と見るかは見た者次第である。

「ん、聞いたことはある。でもこれ、ちょっと不思議って。……取らないなら、いい」

湿っぽい頭に向けてほんのすこしの温風を送り、月桂冠は留めるように直す。
その月桂冠、とある実習生に聞けばわかるかもしれないが、レイヴンの魔力を吸ってその瑞々しさを維持している。
そしてレイヴンにはそれ以外で重要なところがあるのである。ある意味、数少ない女子らしさに過ぎないが。
60タニス ◆p01m289DEw :2018/05/14(月)02:51:21 ID:s4Q
>>59
「どんなって…ここでやってみせる訳にもいかないし、そのうちね」
「アッハイ、ご馳走になります……?」

タニスの鎖は今手元にない二刀と組み合わせてこそのものだ、さすがに廊下で振り回す訳にはいかない。
とはいえ鎖単体で使えないという事でもない、もしかしたら某風紀委員と似たような使い方をする事もあるかもしれない。
鎖は数多の用途に使い得る、無限の可能性を秘めているのだ。すごいぞ。
いつの間にか手料理で押し切られていた事に戸惑いを隠せない、なんとなく疑問形な語尾。

「あー、うん、気にしないで。レイちゃんはそのままでいいと思うよ」

自身の豹変ぶりを自覚していないなら深く突っこもうとはしない、それが彼女の魅力でもあるのだろう。
まあ雨乞い前のやり取りを見るに、こちらのテンションでもなんだかんだタニスはレイヴンに押し負けやすいのだろうが。

「やけに新鮮な感じだしねぇ、不思議だこと」
「それ取るくらいなら、森から採ってきた方がいいからね」

ふわりと頭に感じる暖かさ、未だ湿り気が残る髪にはありがたい。
月桂冠に拘りがあるようだが女子ならそんなものだろう、タニスにも似たようなものは存在する。
少なくともそれを取るつもりはない、安心させるかのように僅か口の端を吊り上げた。
61レイヴン◆L1x45m6BVM :2018/05/14(月)03:01:55 ID:vNH
>>60
「ん、じゃあそのうち!」
「嫌いなものとかあったら今のうちに!」

ちなみに某風紀委員のバンデージ式は慣れない子がすると鎖に皮膚を巻き込んだり自分の拳にダメージが向かうので危険である。

そして手料理のごり押しの最終目標なのか好き嫌いについて訊ねておくのであった。下調べ重要。

「ん、気にしない、私いつも通り」

彼女をブレさせるのは至難の技である、と誰かが言った。しかし、ブレさせたらそれ以降はブレやすいとも言われるらしい。古くなった部品か。

「…………多分同じもの、ここにはない。ここに通う前からだから。うん」

森に果たして同じものがあるのか? と思ってしまったようだ。とある実習生でも珍しいとする植物。
とはいえ、深く聞いても今は「わかんない」と返ってくる可能性も高いが。
なお、その口の端の吊り上げはちゃんとわかったようで安堵した息をついて……なぜか物凄く分かりにくい範囲でこちらも吊り上げた。

「…………タニタニ、もう浴びない?」

雨の降る外を見て、そんな呟き。やっぱりやべー奴。
62タニス ◆p01m289DEw :2018/05/14(月)03:16:27 ID:s4Q
>>61
「マジか」
「好き嫌いは特にないからなんでもいいんだけど……あんまり気合い入れなくていいからね」

口をついて出た言葉は鎖の使い途か手料理か、おそらくは両方。
事前調査には真面目に答えながらも一応の念押し、人に振る舞うからと力を入れた献立になっても困る。主に申し訳なさ的な意味で。
自分を通すレイヴンにうんうんと頷く、人に言われなくても彼女は変わらないのかもしれないが、そこは先輩のお節介のようなもの。

「そっちじゃなくって。ローリエ……普通の月桂樹の方ね。それと同じのを使うのはちょっとこう……ねえ?」

勘違いをびしっと両断。
仮に森にあったとしても、魔力を吸う謎の月桂樹を食・薬用に使うのはなかなかに躊躇われるが。
レイヴンの表情の変化を捉え、驚いたようにやや目を見開いた。

「浴びません。一人でいってらっしゃい」

お誘いは残念ながらノーサンキュー。
レイヴンが外に飛び出すようなら校舎内から呑気に眺める程度に留める算段!
63レイヴン◆L1x45m6BVM :2018/05/14(月)03:26:16 ID:vNH
>>62
「マジ! ん、わかった、そうする!」

レイヴンもどっちの意味かわかってないがやっぱり元気だった。
さてはて料理についてはレイヴン、気合を入れるかどうかはやはり気分である。……まあ、目立つ前例としては菓子程度。
これにて料理鎖の話題は一旦……休題?

タニスのお節介も嫌な顔せずに受け入れているレイヴン。……雨天時とそれ以外で180度変化するのがデフォルトだ。

「ん、それならあったはず。無かったら言えばいい。…………?」

レイヴン、勘違いは切り捨てられたようだが躊躇う理由はわかってなかった様子。無視しても問題はないだろう。
あくまで変わりにくいだけで、表情筋は動くことは伝わったか。

「ん、わかった。じゃあ離れるときは言ってね」

せめてバイバイくらいは言いたいのだろう。外に飛び出す前にそう言うと外に駆け出していった。

「ひゃっほーーーーい! 気持ちいい!! 雨ー!」

校舎と中庭を繋ぐところを出た瞬間にまたテンションを変化させるのであった。
64タニス ◆p01m289DEw :2018/05/14(月)03:43:02 ID:s4Q
>>63
なんというか、心の準備だけはしておこうと思うのだった。どっちの面でも。
なんだかんだそれらの約束が果たされるのはまた後日のお話。

「一応ある程度の薬学は修めてるつもりだからね、大丈夫でしょう」
「あー……ほら、それと同じやつは珍しいからさ、もったいないじゃん?」

月桂樹を必要とする場面があるのか甚だ疑問ではあるのだが、少なくとも採集に関しては問題ないと。
ちなみにそれを正しく活用できるかはまた別の話。修めてはいるが覚えているとは言っていない。
レイヴンの反応に伝わらなかったかとあたりをつければ、簡単な理由づけ。とはいえこちらも嘘ではない。

「はいはい、分かったから楽しんでおいで」
「……若いっていいねぇ」

軽くローブの袖を振ってレイヴンを見送り、自分は適当な壁に身体を預ける。
いかにも全力で雨を楽しんでいるレイヴンにぽつりと呟く。年齢の問題ではないような気もするがそれはさておき。
しばらく眺めてさて飽きがくれば、ぶんぶんと頭の上で手を振ってレイヴンを呼ぶだろう。

「そろそろ行くね、お昼時も過ぎちゃったし」
65レイヴン◆L1x45m6BVM :2018/05/14(月)03:51:34 ID:vNH
>>64
「お薬の先生も居るから、もしもの時は。……なるほど、納得」

ちょっと難ありなところが無くもないが、良い先生が居るらしい。機会があれば関わることもあるだろう。
もったいない、と聞けばレイヴンも納得。レイヴンも在処を知らないのだから、それも当然。
ちなみにもし月桂冠を取ろうとしていたら不機嫌になっていたりもした。この月桂冠はそれほど大事なのである。


レイヴンは楽しみ続ける。両手を上げて。髪を振り乱して。時には運動部もびっくりな軽やかな動きも見せて。
たまに水を集めて安全圏に飛ばしていたりするのはその全力の中の一つである。たまに側転までしてるが意味はわからない。

そしてそれだけの駆動を披露しながらも呼び手に気づけば、耳を跳ねさせてそちらに戻り。

「ん! タニタニまたね! 行ってらっしゃい!」

どこに行くのかはわかってないが、レイヴンはそう言うとびっしょり濡れ直した手でぶんぶんと振るのであった。握れたなら握手もしたことだ。
雨を浴びて元気なレイヴンはそれはそれは楽しそうに廊下の窓から見えたことだろう。

授業があった場合、遅刻するくらいには楽しんだ。
66タニス ◆p01m289DEw :2018/05/14(月)04:02:06 ID:s4Q
>>65
雨の楽しみ方は人それぞれだ。共に踊ろうとは思わないが、彼女の戯れを眺めている分にはむしろ心地よい。
駆け寄ってきたレイヴンにやや気圧されつつも、握手に応えるあたり悪い気はしないらしい。
ぶんぶん振った手から顔にかかった水滴はすぐさま袖で拭っていたが。ちべたい。

「またねレイちゃん、遊ぶのもいいけどほどほどにね?」

別れを告げてふらりと立ち去る。廊下ですれ違う人々の、急な雨に対する愚痴も気にならない。
午後に講義を入れていなくて助かった、さっさとシャワーを浴びてしまいたい。
また一つ、大きなくしゃみを響かせた。
67レイヴン◆L1x45m6BVM :2018/05/14(月)04:10:25 ID:vNH
>>66
「わかった!」

きっとわかってない。遊ぶのをほどほどにと言われても誤差が小さいのだ。
雨とはそれだけレイヴンにとっての良い状況。握手もできて満面の笑顔だったのは彼女にも普通の心はあるということだ。

タニスが去ってから廊下から飛び出して浴び直すレイヴンは、次の鐘の音まで楽しんだ。結果。



「………………」

しょんぼりとした様子で遅刻について怒られたという。世の中そんなに甘くない。
68ロイコ ◆13VxAhN3EKTU :2018/05/14(月)21:31:47 ID:EMJ
>>19
エリシアの頭部と交互に見れば、何となく全貌が掴めるだろうか。
のっぺりと軟体、同じような緑色。今見せているこちらこそが、ロイコ本来のものであるのだと。
その感触を知りたければ、傍らにいろエリシアのものに触れれば自ずと分かるだろう。

「うん!いっぱいあそぶー!」
「まあ、軽い潮干狩りのようなものだ。
 少し手伝ってくれたら、後は自由にしてくれて構わない」

そして降り立った先の砂浜は、嵐の直後だけあって流木など少し荒れた様子。
バカンスと言うにはやや荒涼とはしているが、ターゲットの青海老はこうした海にいるのだという。
69ダリア◆m7hEgzNtKY :2018/05/14(月)21:50:33 ID:qOw
その日、彼女は珍しく……いや、最近の行動パターンを見ていると一概には言えないが……珍しくも日中図書館から外出していた。
周囲に花壇の広がる広場のような一角、そこに設えられたベンチに座り、一人その手に在る本を読む。
薄っすらとほほ笑むその表情は、開いている本……童話のパステルカラーも相まって、また辺りに差し込む柔らかな陽光も相まって、何処かいつもとは違う優しい雰囲気を醸し出していた。

「……さて、一つの物語を開くとしよう……聞いていくかね?」

ふと、ぽつり、そう呟かれた言葉は視線を本に落としたまま、しかしその矛先はまるで、もうすぐここを訪れるだろう一人の誰かに向けられているかのような。
その言葉に応えるようにひゅうとその空間に、一つ静かな風が吹けば……ストーリーテラーの号令に合わせて、ぴょこんと人形たちが何もない空間から飛び出した。
一つは太陽、一つは月、まるで子供の絵のようにデフォルメされ、可愛らしい顔なども書かれて浮かんでいる二つの人形、これから彼女が語る物語を、彩るために存在しているかのような。
70シャディ◆L1x45m6BVM :2018/05/14(月)22:02:57 ID:vNH
>>69
柔らかな陽光の彩りに混じる、漆黒。見る人見れば怪訝に思っても不思議ではない色味の出現。
だが、司書からすればそれは知っている少年の来訪であることを伝えるようなものだ。
現にその色味の中心からは黒髪に黒いマント、黒い額帯にちょっと捲れた袖の服装の尻尾を生やした少年が浮いてきた。

「……うん、聞かせてー。司書、ちゃん?」

その問いかけに少年は人形が向けられている方向へと位置しようとしつつ、観客気分になるように振る舞う。
風に靡いた黒髪を整えて、少年はまず出現した人形に興味深そうな目を見せる。待ち切れぬかのように口を開けば。

「この物語、タイトルはあるのー?」 

足をぱたぱた揺らす姿は童話を聞く子供のようであり、司書の答えを待っている。その少年は今日はほんの少し、黒ずんでいた。
71ダリア◆m7hEgzNtKY :2018/05/14(月)22:13:09 ID:qOw
>>70
「あぁ、今宵の演し物は、持たざるを求めた超越者たちの物語」
「題名を……『おほしさまのおおげんか』」

僅かに首を傾げて浮かべるは笑み、それは珍しく……これは本当に……珍しくも学校の司書として相応しいような、読み聞かせに似合う様な表情。
開いた本のその題名を、童話とは思えぬような大仰な付加価値つけてタイトルを語り、ぺらりとその一ページを捲る。

「『これは、ここではないどこかの、わたしたちのすんでいるせかいと にたばしょでのおはなしです』」
「『そのばしょには、おひさまと、おつきさまが すんでいました、おひさまは ひるのせかいをてらし、おつきさまは よるのせかいをみまもっていました』」
「『でも、かれらはとても なかがわるかったのです』」

訥々と、それは童謡の読み聞かせのように、連なる物語を口に出して読んでいく女性、その言葉に呼応するかのように、現れていた二つの人形は動く。
太陽……『おひさま』と称されたその登場人物は、人形劇場が昼になればその世界を照らし、月……『おつきさま』と称されたそれは夜の世界を見守っている。
仲が悪いと言われれば、両方が人形劇場に現れバチバチと火花を散らして睨み合う、忠実にその物語を、この場で再現しているようで。
72シャディ◆L1x45m6BVM :2018/05/14(月)22:23:16 ID:vNH
>>71
煽りとタイトルの差に思わず吹き出しそうになるも、少年は司書の表情に笑みで返す。
今のこの司書がどちらの司書かはわからないが、お話を聞かせる分にはあまり関係無いのかもしれないと、少年は暗に思っていた。
 
「おぉー……本当に仲悪いね」

この『おひさま』と『おつきさま』が現実のそれと似たものならば、そもそも出会うはずもなさそうだ。
しかし、お噺ということは何かあるのだろうと今は不用意な詮索をする気にはならなかった。
火花に思うところはあれど、その光景を見れば少年は上体を揺らした劇場に食いつく。それは初めて舞台に連れていってもらった幼い子のように。

「ここからどうなるの?」

『おひさま』も『おつきさま』も、ここからどう動くのだろう? 少年の興味は今はそれだ。早く早くと司書の顔を見て続きを急かす。
73ダリア◆m7hEgzNtKY :2018/05/14(月)22:37:37 ID:qOw
>>72
「『あるひ とうとう かれらのふまんは、ばくはつしてしまいました』」
「『おひさまは、<おまえばかり ほしとなかよくして ずるい!>と、よるのせかいを ほしがります』」
「『おつきさまは、≪それをいうなら きみだって いきものと なかよくしているじゃないか≫と、ひるのせかいに はいろうとします』」
「『にらみあう かれらは ついにけっとうを はじめてしまいました』」

ぺらり、ぺらりとページの捲られる音、持たざるを求めたという前振りの通り、自身の持っていないものを妬んで、決闘を始めてしまった二つの月。
勿論それを人形は再現する、睨み合っていたその二つの星はいつのまにやらどんどんと距離を詰め、ついには衝突して大喧嘩、昔ながらの煙から彼らの腕や足が見える表現法で。
起承転結で言うのならば、仲が悪いという起こりを承け引くこの展開は承、ならば次に訪れるのは。

「『ふたつのほしのちからは ごかくでした、そのけっとうは どちらもかつことがないように おもえました』」
「『しかし そのけっとうは あるひ、とうとつにおわりを むかえました』」
「『かったのは おひさまでも おつきさまでもありません』」

決闘は唐突に終わりを迎えた、その言葉を聞いた二つの人形は喧嘩を辞め、まるで何かを不審に思うかのようにきょろきょろと人形劇場の中を見回す。
そう、それはまるで、昼の世界に存在した生き物が、夜の世界に存在した星たちが、いつのまにか居なくなっていたかのような、二人ぼっちになってしまったときのような。
不安げな、或いは絶望すらも感じさせるような太陽と月の表情を、女性が紡いだ物語の続きは残酷にも裏付けた。

「『かれらは きづいてしまったのです、じぶんたちが どれほどそのせかいでつよかったのか』」
「『じぶんたちのけんかのせいで いきものも ほしぼしも みんなしんでしまったことに』」
74シャディ◆L1x45m6BVM :2018/05/14(月)22:53:35 ID:vNH
>>73
「おー、ここで……」

持たざる者という付加価値はそういうことか、と始まってしまった喧嘩を見て少年は合点がいったような様子を。
大喧嘩ながら表現方法の緩さに思わずクスクスと笑ってしまう。超越者同士の喧嘩にしてはなんと緩いものか。そうやって思い笑えたのはここまでだ。

「? ……」

決闘が終われば自然と勝敗は着くものというのがお噺の定番。しかしこのお噺はそうではないようで少年もちょっと疑うように首を傾げる。
なぜ二人は唐突にやめた? もしかして仲直り? だが人形の表情はそうではなさそう。人形だからこそ分かりやすかった。

「…………あっ」

転の展開はそれだけ急だ。しかし、どこか納得できるものでもある。
少年の表情からは明るさが無くなり、喧嘩で周りを消してしまった二人の心境を察しつつもどこかやり場のない何かに侵されたかのように目を伏せさせる。
ぱたぱたしていた足は固まり、尻尾も垂れ下がって顔は悲しげになりながらも。

「…………それから?」

無邪気に求めた物語は、どのように辿っていくのだろう。『おひさま』と『おつきさま』はどうするのだろう。
少年は恐る恐る続きを求めた。
75ダリア◆m7hEgzNtKY :2018/05/14(月)23:07:47 ID:qOw
>>74
「『≪ああ、ぼくたちは なんてことをしてしまったのだろう≫、だれもいないよるのせかいで おつきさまはなきました』」
「『<たいせつなものが あったのに それもなくなってしまった>、たったひとりのひるのせかいで、おひさまは あたまをかかえます』」
「『そんなかれらを なぐさめてくれるものは もうなにもありません、かれらはふたりぼっちに なってしまったのです』」

人形劇場にぽつりぽつりと雨の音が鳴り響く、何もかもを失った超越者達は、何も存在しない世界で涙を流す、その見た目は、童話という物語の形態に併せてコミカルなものだ。
だが、その物語を誰が笑えようか、彼らの寂寥を思ってしまえば、たとえ人形の表現が柔らかいものであったとしても、その心には十分な傷が刻まれる。

「『<もう あらそうのは やめにしよう>≪なかよくしよう にどと うしなわないために≫』」
「『そう ちかったおひさまと おつきさまは ながくつづいたいがみあいを おわりにして』」
「『ひるもよるも なくなったせかいで いつまでもなかよく くらしたのでした』」

そして、結、涙を流していた二つの人形が手を取り合えば、ようやっとその人形劇場には平和が戻る。
めでたしめでたし、大団円、ぱたりと閉じられた本は、彼女の語りは、しかしめでたしめでたしでは語れぬような後味の悪いお話となっただろう。
観客に背を向けたまま、その手を繋いだままの二つの人形は、その表情すら伺えない、そんな少しの沈黙の後、ふと彼女は、読み聞かせの時とは違ういつもの声色で尋ねることだろう。

「……さて、これを聞いて君はどう思った?それとも……何も思わなかったかな?」
76シャディ◆L1x45m6BVM :2018/05/14(月)23:21:45 ID:vNH
>>75
きっとこの雨は亜麻色の髪の少女ですら喜ばない。それだけ哀しい物語の光景だ。
大事なものを失ってから気付くとは、よく言われるもの。その意味を少年は改めてこのお噺で知ることになる。

このお噺、果たしてハッピーエンドなのだろうか? いや、多分違う。人形の表情は見えないが、少年は影の手を伸ばしてその二つの人形を向かせようとする。
それはお噺であってはならない、乱入行為。その前に読み手が遮っても当然だ。

「……んー…………めでたくはないお噺かなって。おひさまもおつきさまも、自分達以外全部無くなるまで気付かなかったってのも、不思議」
「誰も二人に何も言わなかったのかな、って」

悲しいお噺で済ませるには後味悪い。最初が喜劇に見えただけにその重さはより重くのしかかった。そして少年は気になったことを言い出して。

「…………ねえ、今の司書ちゃんって名前なんだっけ?」

知らぬ相手ではないのに、そう聞いた。
77ダリア◆m7hEgzNtKY :2018/05/14(月)23:33:14 ID:qOw
>>76
不思議と、いや或いは何か考えがあるのか、人形に伸ばされた影の手を、女性は止めることも何かを言うことも無く見送った。
彼らは笑顔を浮かべていた、それは仲の良い二つの人形に見合う表情で、それより何より、雨降って尚地固まり切っておらぬ、どこまでも悲しい笑顔で。

「なるほど、生き物も星々も、友達だったからこそ彼らを止めるべきだったと」
「だが、そうだな、それらにとってお日様とお月様は、神様みたいな存在だったのだよ、そして、そんな高次元の存在を止めるすべを持たなかった」

それは恰も、適当な理由を取って付けたかのような説明、物語っぽく言うのならば、後付け設定というやつだ、まぁ長く続く物語にはあるあるなことである。
……それは、まるで、彼女がこの物語を都合のいい方向に操作していたかのような……。

「ふむ、私か?私はダリア、ダリア・A・イノミナンダムだよ」
「……名乗っていなかったかな?いや、或いはダリアという名前だけ先に教えていたかもしれないね」

それがどうしたかね?と言わんばかりに彼女は、さらりと自身の名前を打ち明ける、イノミナンダムという名前も。
その表情は、興味津津と言うのが正しいか、相手がどんな選択をするのか気になって堪らないといった様子だ。
78シャディ◆L1x45m6BVM :2018/05/14(月)23:48:43 ID:vNH
>>77
悲しい笑顔を見れば、少年はごめんと呟いて人形を元の向きに戻して、一撫で。例え人形と言えども、その扱い方は宝物を失った子供にかけるような。

「一声かけることも? 喧嘩してる時でも?」

状況を知らなかった、とか、声が届く相手ではなかった、とでも言われてしまえば少年はそっか、と返すしかない。
それでも、後付けでも解決策を求めるような姿は悪足掻きに見えても仕方がない。

「……ん、そうだね。僕はちょっと確認したかっただけなんだー」
「ねえ司書ちゃん。この前言ってた僕の知らない物語って、さっきのも含めてる?」 

戯言にも思える質問だろう。それでも少年は気になっていた。並行に進む洋館のことだったとしても、今のもいってしまえばその物語の内に入るのではないかと。

「なんで、今の物語を読んでくれたの?」

「あと、司書ちゃんって本書いたこと、ある? 『今、一つの物語を此処に開く』、って詠唱書かれた本」

並ぶ質問は栓を外されたかのように出ていた。影の手は背後に戻り、主の無力さを表すかのようにそこにただただ立っている。
79ダリア◆m7hEgzNtKY :2018/05/15(火)00:01:51 ID:55S
>>78
「そう、どんな時であれ、それらはこの問題を解決することは出来なかった」
「だって、登場人物であるそれらは、私が語った通りに動くしかないのだから」

ふっ、と小さな笑みを浮かべたのはさてはて、ハッピーエンドを求める相手の姿勢を嘲笑う笑みか、それともその姿勢を頼もしく思ったゆえの笑みか。
その言葉に彼女は、まるでこの部分が重要だと言わんばかりの重さを置いていた、所詮登場人物はストーリーテラーには逆らえない。
【ここに書かれた文章ですらも、キャラクターの意志を捻じ曲げる力を持っているのだ。】

「あぁ……そうでもあるし、そうではないとも言える、君は知らず私は知っている物語はそれこそ星の数ほど存在するだろう」
「だが、その物語全てが、君の知るべき物語では決してないし、君の触れるべきでない物語を『知らない物語』と称するつもりもないよ」
「そうだな、この物語は……あえて言うなら、君に聞いてほしかった物語だ、触れるべきかどうかを言えば、触れるべきではないのだろうが」

閉じた童話の扉絵は星空、太陽と月が仲良さそうに浮かんだパステルカラーの絵、それは読んで傷ついた心を癒してくれるかのような優しい絵。
より厳密に言うのならば、『彼女』はそれを聞かせるべきではないと判断して、それでも彼女はこの物語を君に語ったのだろう。
その物語に女性が、一体どんな意味を持たせていたのかは分からない、それは君の受け取り方次第だし、彼女自身もそれを期待している部分がある。

「書いたことはない、だが、私はその本を知っているよ」
「そして、あぁ、保証しよう、その本の内容は君の役に立つだろう、著者の最高の友人として断言する」

過去を懐かしむように、一度その目を瞑って瞼の裏に情景を映し、女性はそんな風に答えを紡ぐことだろう。
その本に書かれていたイノミナンダムの名前を、彼女は自身以外だと否定した後に、自身の知り合いであると肯定する、そしてその友達は、もうこの世には存在しない。
80シャディ◆L1x45m6BVM :2018/05/15(火)00:19:26 ID:6Ks
>>79
「……じゃあ僕が語ったら、そんな風にもできたのかなー」

投げ出した足は彼女の台詞の意味を理解してしまったことを暗に示す。
それでも、自分達が登場人物ならば変えてしまおうという思いだけは変わらない。

「なーにそれー……でも、うん。聞けて良かったお噺だとは思うよ。僕だって持ってないもの、欲しくなる気分はわかったし」
 
(でも、奪おうとは思わなかったなぁ……色々見てきちゃったし……みんなは優しいし……)

「それに、司書ちゃんから直接聞ける物語ってのも貴重だろうし。ありがと」

扉絵を見たがるようにずい、と近寄って伸ばした手。渡されても掴むことはなく扉絵をなぞるように動かすのみ。優しい絵に少しでも癒されたかったのは見てわかるだろう。
少年は感想を伝えるようで、その大半は内に潜めた。おひさまやおつきさまに言いたいことはあるし、浮かんだ思いはぐるぐると混ざる。
それをすべて吐くには少年は少し成長が足りていなくて、うーん、と頭を掻いていた。

「そっか。なら司書ちゃんの御墨付きみたいだしまた今度読ませてもらおーっと。……でもなんで司書ちゃんも、同じ名前なの?」

同じ名であることに友人としての違和感が起きるのはまだそこまで考慮できないからだろう。
しかし、少年にとって同じ名字(?)とは家族を示すものである、という認識があるのでこれもまた仕方ないこと。
81ダリア◆m7hEgzNtKY :2018/05/15(火)00:30:12 ID:55S
>>80
「……君達には物語を変える力がある、バッドエンドをハッピーエンドに変える力がある」
「だが、くれぐれも忘れないでほしい、どうしても変えられない事実もあるんだ」
「どうか、そんな事実に直面したとしても膝を折らないでほしい、その事実はきっと、ハッピーエンドを目指すための糧だから」

それは或いは、女性が本当に伝えたかったことなのかもしれない、この世には救えるものもあるけれど、同時に絶対に救えないものもあるのだと。
そしてそんな存在と相対した時の為に彼女が贈る言葉は、それでも救えという正義の味方の言葉ではなく、くじけるなという人間の言葉だ。
それは或いは、君にとっては受け入れ難い言葉なのかもしれない、目に入った存在をなるべく救いたいというのは当然の考えだし、それは仕方のないことだ。

「さぁ、君に分かりやすく説明するなら……同じ神様を信仰していることの証だよ」
「いや、信仰というよりは服従、というべきかもしれないが……まぁ、だから、この名前は本名ではないんだけどね」

そんな説明で果たして何が理解できるというのか、どうやら彼女にとっても深くを説明するつもりはないらしく、その手からふわりと童話の本を消し。
それに呼応して人形たちもその姿を消した、その最後、たった一人の観客に対して、彼らの本当の笑顔で手を振りながら。
82シャディ◆L1x45m6BVM :2018/05/15(火)00:45:24 ID:6Ks
>>81
「変えられない事実……? ……それでも、挫けるなって……難しいこと言うねー」

その言葉を聞いた少年は受け入れるのに長くも短くも時間を要するだろう。
いまだ思春期真っ只中の年齢の少年はあっさり受け入れることも、否定することもすぐにはできない。
しかし、女性の言葉が無駄になることは無いだろう。最初に言ってくれた言葉は確かに自信となり、そして贈られたそれはいつしか――。

「ふーん…………十字架みたいなもの? 服従だと首輪とか? イチゴは最近どう?」
「あ……またねー……。……え、司書ちゃんダリアちゃんじゃないの!?」

女性の説明に少し考えてからそんな結論をわざわざ口に出し、そして人形にはなんとか作った笑顔で見送ればなぜか再会を約束するような言葉をもらす。
そして最後の最後で、若干考えのこんがらがりがあったのかビックリしたような表情でそちらを見ていた。しまらない。
83ダリア◆m7hEgzNtKY :2018/05/15(火)00:58:04 ID:55S
>>82
「落ち込むなとは言わないさ、それはあまりに残酷すぎる、だが、どうしても変えられない事象を前に足を止めてしまっては」
「その時点で物語は終わってしまう、そして永遠に救われることはない……だから、進み続けてくれ」
「これが私の、最初で最後のお願いだ」

真面目な表情でそんな内容を語り、最後の最後に見せた笑顔には、どこか寂寥のような感情が伺えた、残酷なことを押し付ける罪悪感から浮かんだ表情だろうか?
お願い、それは命令でも指導でもなく、個人的な彼女のお願いだ、故にその内容は間違っているかもしれないし、正解していたとしてそれが君に合うかもわからない。
守るか守らないかは君の自由だ……まぁ、膝を折らざるを得ないようなそんな状況になる事自体が、来てほしくないことではあるが。

「最近ワインが最後の一本に……こほん、それは今は良いんだ、重要なことじゃない」
「まぁ、あえて言うなら、人形遣いの糸だろうか、私達を結ぶものはそれだ、四肢に巻き付いた操り糸」
「そもそも、名前というのは何者かから設定された識別用の符号だろう?私は確かにダリアと設定されたが、その後にイノミナンダムの名がつくことは納得していないよ」

大事に飲んでるのか多かったものをがばがば飲んでるのか、ともあれ苺の成り行きについてはあんまりシリアスパートで語りたくなさそうだ、シリアスが壊れる。
閑話休題、その言葉は何というか、服従という言葉のさらに先、ただの人形であるということを自覚しているかのような台詞だ、それにしては彼女は自由に動いている気もするが。
まぁ……そう説明すると言うことは、ダリアという名前は気に入っていないわけではないのだろうが……。
84シャディ◆L1x45m6BVM :2018/05/15(火)01:16:24 ID:6Ks
>>83
「…………ん、そうだよね。さっきのだって、最後に止まらなくて二人が進んだから少しでも幸せなとこに行けたんだよね」
「流石に落ち込むな、とか言われたら微妙だったけど――それなら聞けるかも」

少年は少し勝手な解釈をした。それは女性にはどう伝わるだろう。
少年は女性のお願いをするりと受け入れる。終わらせられては困るし、救いのない結末など元からごめんだ。
ここ最近、少年は色々思うところがある事件が起きたりしているがそれらに対していい考えにはなるだろう。
女性に気を負うな、とばかりに向ける笑みに困惑も嫌悪もない。信じていいよ、とばかりのものだ。

「そっか、ならいつか切ってあげよーか? その糸。人形で居たくないなら、だけどさ」
「まあそうかもしれないけどー……じゃあこれからダリアちゃんって呼んでもいい?」

苺の成り行きについては、少年なりの『確認』だ。彼女に対して知るわずかな秘密についての確認。意味があるかはわからない。
チョキチョキ、と手の指鋏と影の鋏は軽快に動いてその言葉は紡がれる。少年は少し楽観的で、人形遣い相手への挑発にも見えるかもしれない。
そして、名前に対する感想を聞けば少年シャディは彼女をダリアと呼びたがった。……ちょっと馴れ馴れしい。
85ダリア◆m7hEgzNtKY :2018/05/15(火)01:28:30 ID:55S
>>84
「……あぁ、そうだな、より悪い結末もそこには存在しただろう」
「何、安心したまえ、君達にそんな残酷な選択をさせないために私達大人は存在するのだよ、このお願いはもしもの時の為さ」

例えば……彼女がそう描写したならば……お日様もお月様も孤独に耐えられずに自らその命を絶ったとか、そんな終わりになった可能性もあった。
そしてそれは、君達が膝を負ったときには起こりうる最悪の結末だ……だがまぁ、心配することは無いだろう、彼女の言う通り大人の庇護がある、というのは兎も角。
きっと君達には、どんな結末が待っていたとしても首を垂れず、その結末に抗う力があると信じているからね。

「ははは、君は面白いことをいうな……あぁ、いつか切ってくれ、待っているよ」
「……好きにしたまえ、司書ちゃんでもダリアちゃんでも、私を意味することには変わりない……あぁ、そろそろ時間だ」
「私はそろそろ行かなければ、またな、シャディ・マリウント」

口元に手をやりふふふと面白いとでも言いたげな笑み、その後のお願いはまるで冗談のような言葉、或いは冗談のような本気の言葉。
さてはてちゃん付けで呼ばれることに抵抗はあるのかないのか……彼女のちょっと仏頂面な表情を見れば、きっと抵抗はあるのだろう。
まぁ、何だ、それでも否定しないのは、イノミナンダムを否定するそのあだ名を、気に入っていないわけではないわけなので……。
そそくさとベンチから立ち、その場から立ち去ろうとするその様は照れ隠しなのかもしれない、ひらひらと背を向け軽く手を振り、その姿は図書館の方へと小さくなることだろう。
86シャディ◆L1x45m6BVM :2018/05/15(火)01:40:12 ID:6Ks
>>85
「でも、大人だからって無理しないでよ?」

接いでいけば女性の優しさも知れることになる。彼女の思い通りにその物語が紡がれるならば。最悪に向かわなかったのはきっと。
少年はその絵本の『おひさま』でも『おつきさま』でもない。彼に超越した力なんて無く、周りには女性も含めてまだ人が居る。
だからか、いざという時にその大人が無理して壊れている、というのも少年は避けたくなっただけ。

「うん、なら約束ー」
「ん、じゃあダリアちゃん。またねー。……良かったらまた、お話聞かせてねー」

少年はきっと本気にしている。それがどんな強靭なものかはまだ知らず、知らないからこそ簡単に。
そして仏頂面になられても、面と向かって拒否されない限りシャディは彼女の呼び名を改めることはない。というか……まずさん付けした例がほとんど無かったりする。
結論、ダリアちゃんはそのまま通っていくことになるのだろう。にこにこした顔にはそれがすべて表れている。
ベンチから立ち上がり、去ろうとするその後ろ姿に少年は勝手なお願いをしつつ見送ることだろう。黒ずんだ姿から、陰を外していつもの色で。

「…………今度借りよっと」

そんな呟きは、演者も読み手も居なくなった劇場に消えていった。
87シャミル◆UFH2tocGt. :2018/05/15(火)07:19:03 ID:U9L
>>68

「エリシアちゃん、ちょっといいかな?」

そう言ってエリシアに手を伸ばせばシャミルは頭に触れて優しくなでるだろう。
人とは異なる種族、その有りように興味があるようだった。勿論嫌がるような素振りを見せればすぐに辞めて謝るだろうが。

「あの、ロイコさん。その青い海老ってどうやって捕まえるんですか?こういうことにはあまり詳しくなくて……」

少し海に近づいて覗き込みつつ、ロイコに問いかける。こんな近くにそのお目当ての青海老はいるのだろうか。
88ロイコ/エリシア ◆13VxAhN3EKTU :2018/05/15(火)20:10:15 ID:DS2
>>87
「……おーっ♪」

エリシアの頭に手を触れてみれば、しっとりとした弾力のある軟体質。
少しひんやりとした頭部がゆらゆらと揺れて、撫でられることに対する喜びをあらわにするエリシア。
ちなみに骨なんかが一切ないので、押し込んでしまえばぐにっとへこむ感覚に脳なんかが心配にもなりそうだ。


「うーっ、うみーっ!!」

そして到着するや否や一目散に海に身を投じたエリシアに、後から悠々と歩いて言ったロイコ。
こちらも落ちついた人物であるシャミルを横に、問われたことに対してぽつぽつと答える。

「ん?割と浅瀬にもいるだろうから…… ほら、網は用意してあるよ。
 それとも、そうだな…… 水属性魔法か、呼吸を補助する魔法に心得はあるかい?
 もしくは、持てるものの中で漁に役立ちそうなもの、だ」

言いながらやや網目の大きい海用の網を取り出して、そんな風にシャミルに問う。
別口で大きめの水槽も用意しながら、シャミルの技量を窺うように彼女の顔を覗き込んだ。
89シャミル◆UFH2tocGt. :2018/05/15(火)20:34:50 ID:U9L
>>88

「うわわわっ!ご、ごめんね!痛くない……?」

エリシアの頭部がへこんだことに驚きを隠せず声を上げてしまうシャミル。
エリシアは平気そうだが、こっちは背筋に寒気が走って心臓が締め付けられるぐらいの衝撃的な出来事だ。

「えっと、呼吸補助の魔法なら少し心得が。でもまだ冷たいでしょうし、海に入る用意はしてこなかったので網を使わせてもらおうかなぁと……あと、エリシアちゃん帰りの服はどうするんですか……?」

今回海に入ることは考えていなかったシャミル。呼吸補助の魔法なら使えるが帰りのことを考えると海に入ることはやはりできない。
90ロイコ/エリシア ◆13VxAhN3EKTU :2018/05/15(火)20:44:35 ID:DS2
>>89
「?なにが?」

ぷにっと頭部をおされても平気な様子のエリシア。
一体体内構造はどうなっているのだろうか。謎は深まったことだろう。

「あー、じゃあ濡らさないようにね。一応サイズの合いそうな着替えは用意したけど。
 ……そうか、君はまだ知らなかったか。じゃあそのあたりも少し話をしようか
 おーい、エリィ!あんまり遠くに行かないようにね!」

エリシアの服について問われれば、少し意外そうな顔をした後で。
じゃばじゃばと泳ぐエリシアは置いておいて、ひとまず浅いところでエビを追うことにした二人。

曰く、ロイコたちは元々が海棲生物。葉っぱの服のように見えるところも実は表皮なのだ。
そのため変えることも出来ないが、海につかるくらい何も問題ではない。だから着替えの用意も無いのだということをかいつまんで話す。
91シャミル◆UFH2tocGt. :2018/05/15(火)21:14:06 ID:U9L
>>90

「えっ、着替え用意してくれたんですか……?ならエリシアちゃんと泳ぐのは楽しそうですし、入るのもいいかもしれませんね」
「……ロイコさん達って凄いんですね。海の中で暮らす人々の生活、いつかこの目で見てみたいです。あ、網投げなきゃ……」

ロイコの話に真剣に耳を傾ける。聴けば聴くほど惹きつけられて、海の中の種族に想いを馳せるのだった。
網を手に持ったままだったシャミルは思い出したようにそれを海に投げ入れた。
92ロイコ/エリシア ◆13VxAhN3EKTU :2018/05/15(火)21:20:13 ID:DS2
>>91
「まあね。ただ、済まないが水着の方は失念してしまっていてねぇ……」

先程の話の後だと何となくわかるだろうか。ロイコたちには「水泳用の衣服」という発想自体が無かったのだ。
着替えを用意する気は回っても、水着を用意することまでは頭が回らなかったことに、少し苦笑しながら謝罪して。
ざっと撒き餌を投げながらそんな風に話し、シャミルの投げた網の行方を見守って。

「シャミル、およぐー?」

いつの間にか上がってきていたらしいエリシアが、シャミルの隣でこてんと首を傾げた。
93シャミル◆UFH2tocGt. :2018/05/15(火)21:35:56 ID:U9L
>>92

「あ、水着は必要ないですもんねロイコさんには……仕方ないですよ」

ロイコ達にその発想がないのは仕方がない。謝罪に対して謝ることじゃないと笑みを浮かべた。

「えーっと、エリシアちゃん。今日は私、泳げないんだ……ごめんね」

エリシアに目線を合わせながらシャミルはそう申し訳なさそうに言うだろう。
94ロイコ/エリシア ◆13VxAhN3EKTU :2018/05/15(火)21:42:44 ID:DS2
>>93
「あはは、悪かったよ……
 じゃあ、そろそろ引いていこうか。エリィも手伝ってくれるかい?」

そして網が沈み切った頃合いを見計らって、網を引き揚げようと手をかけたロイコ。
存外にいろいろなものが掛かる網は、沈めてから引くのは実はなかなかの作業である。
ふよふよと漂うエリシアにも声をかけて、ずるずると網を引き揚げれば、掛かったエビを海水ごと浮き上げて水槽へ放り込む。
レイヴンへの手土産はこれで用意できたと言っていいだろう。量も相応にあることだし、一部をここで焼いてしまうのも手かもしれない。

「まあ、せっかくだから海の幸くらいは味わっていかないかい?」
「……おー?たべるの?」

ならば遊泳のかわりに食事でもと、そんな提案をしたロイコ。
彼女が首を縦に振るならば、流木を拾った即席のキャンプファイヤーによる新鮮な食事が味わえることだろう。
95シャミル◆UFH2tocGt. :2018/05/15(火)22:02:05 ID:U9L
>>94

「はいっ、私ももちろん手伝います……!」

網を二人と協力して引き上げたシャミルは息を切らしている。体力は全然ないらしい。流木に座ると乱れた呼吸を整えて。

「いいですね、獲れたての海の幸……絶対に美味しいですよ」

その提案を肯定。調理も一緒に行ってその味を堪能したのだった。
96ウィル/グレゴール◆MzJ4jbQMxni1 :2018/05/15(火)23:19:52 ID:5B8
貧乳にはマイクロビキニこそよく似合う……!
【放課後の修練場、そこに二人の男が居た】
【双方、共に模擬戦の為に用意された得物を構え真剣な面構えをして対峙しているのはまず間違いない】
【その一方、緑髪の少年が二振りの木刀を構えて主張する】

おいおい、普通競泳水着だろう?
【そしてもう一方、褐色でガタイの良い青年は大上段に長めの木刀を構えて否定する】
【……さて、この光景を観たものはどう動くだろうか?】
97ロイコ ◆13VxAhN3EKTU :2018/05/15(火)23:22:53 ID:42y
さて、青いエビを獲り終えて迎えた平日。昼下がりのことだ。
何の気なしに屋上に赴いたはいいが、まだ梅雨前だというのにじりじりと焦がれるような日差し。

「はぁ、参ったなぁ……」

魔力水を煽りながら佇むのは、ベンチ近くではなく入り口周辺の日陰。
汗もかかない頭をふっと手の甲で撫でる仕草なんて撮りながら、恨めしげに太陽を見つめた。
98ミズハ・メルクリオ◆AzVIDnz.P1nq :2018/05/15(火)23:25:13 ID:OXh
>>96
「……」

頭を抱えてそのふたりの様子を眺めるのはミズハ・メルクリオである
ネポックにはなかなか珍しい剣技の修練が行われているのを嗅ぎ付け見学に来たのだが、そこで語られている内容はなんとまぁアレだ
しかしそれは実際の剣には無関係であり、これから始まるのであろうか模擬戦への期待はまだまだあるのだ
99リエード◆L1x45m6BVM :2018/05/15(火)23:28:32 ID:6Ks
>>97
屋上入口の扉をキィ、と開けて人の確認のために見回せば近くに実習生。
その様子に少し目を見開いたが、聞くのが手っ取り早かろうといつもの微笑みを浮かべる。

「最近暑いですよねえ、夏も近いということですが……何かあなたには不都合でも?」

金髪はそのまま、制服もそのまま。むしろキッチリ首元まで閉めてる以上人によっては暑く感じる着こなし。
だと言うのに汗一つ見せることなく、わざとらしく手で太陽を遮りながらリエードはロイコにそう振った。
100ウィル/グレゴール◆MzJ4jbQMxni1 :2018/05/15(火)23:34:21 ID:5B8
>>98
思えば、僕達は対局にある……そろそろ決着を付けようか?
【さて緑髪の少年、褐色肌の青年の間合い一歩手前ギリギリを維持する形で位置取る】
【そこに隙はない】

お前は風、俺は土
お前は動と軽さを尊び、俺は静と重さを尊ぶ
好みの服やタイプすら何時も合わないのは不思議なもんだな
【さて褐色の青年、彼の剣は必殺……間合いに迂闊に入ろうものなら防ごうとしても剣や鎧ごと断つ】
【緑髪の少年が動くに動けないのは、褐色の青年が待ちに入っているからであり当然ながら隙はない】
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