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【短文】ここだけネポック魔法学校・十六限目【推奨】

1カメリア◆Wb0oWmK/22:2018/07/05(木)23:29:12 ID:bVq()
ここは人里離れた森の奥
そこには、国一番の魔法学校『ネポック魔法学校』が存在する
そこでは、魔導の道を極めんとする若き才能たちが、日々勉学に励んでいるのでした
これはそんな魔法学校の案内状です
入学手続きは簡単
名前を書き、門をくぐるだけ
ネポックの扉は、等しく開かれているのです

こちらは、短文推奨スレとなります
セリフ一行、地の文は多くても三行を意識して書いていきましょう
特にセリフが増えれば、それに返信しての繰り返しでどんどん大きくなるため、一行推奨です
また、凍結、置きレスもグダグダになる原因になるため、可能な限り非推奨です

前スレ
【短文】ここだけネポック魔法学校・十五限目【推奨】
http://kohada.open2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1528042956/l10
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次スレを建てるのは>>980の人にお願いします
385ダリア◆HUGO.upxFM :2018/07/21(土)22:13:39 ID:nxC
>>384
「……あぁ、私にとっては役に立たないものなのに、それを私が持っているのが不思議かね?」

少しの沈黙、僅かに首を傾げた彼女のその表情にはどこか、目の前の相手を諭すような、そんな司書というよりは先生らしい色が伺えることだろう。
何故だろう、その何かを教え込もうとしているかのような表情の中に一つ、自虐のような少し悲しそうな感情が混じっているような。

「私だって別に、役に立たないもの全てを淘汰しているわけではないよ、その考えは危険だ」
「それに、持っていれば誰かに譲渡することもできる、君の持っている影のように、ね」

くるりと人差し指回して小さく呟く、その女性の手のひらに一つの小さな氷の塊が生まれて、すぐに掻き消えた。
自身にとっては役に立たないものでも、それを持たない理由にはならない、役に立たない者を切り捨てる某を知っているが故に、彼女は不必要を不必要と断じないのだ。
386シャディ◆L1x45m6BVM :2018/07/21(土)22:20:51 ID:GsY
>>385
幸か不幸か、今までの少年は自分に不要だと言い切れる物が手に入った試しはない。だからこその危なっかしい発言であった。
それを確認させる悲しげな女性の台詞は少年にとって意外なものであり、その青い瞳がはっきり見えるほど見開いて間抜けた声を漏らした。

「そっか! そういう使い方もあるよね! ごめんなさい!」

急に元気だ。氷の塊に元気でも出されたのか、というほどに。謝りの台詞はその混じった表情を悟ったのか、それとも。

「……あの影って元々は『ダリア』ちゃんのものだったの? あと……んー……」

譲渡された影。それは元々誰のものなのかハッキリさせたかったのかそんな問いに続くのはどこか迷ってるような表情。
何か聞きたいことがある子供が、それを大人に聞くことを迷ってるような、そんな顔。
387ダリア◆HUGO.upxFM :2018/07/21(土)22:29:41 ID:nxC
>>386
「いいや、違う、携帯式影法師……その影は私のものではないよ」
「イノミナンダムの従者、私と同じような存在は、私の他に三人居るからね……二人はもう、死んでしまったが」

ひらひらとその手のひらをすげなく振って、彼女の口から放たれるのは否定の言葉だった。
ワンダーアイテム、不思議で異様で便利な道具、それを渡されるのは大抵イノミナンダムの性を持つ存在だが、その影を受け取ったのは彼女ではないようだ。

「……しかし、君も不思議なことを聞くのだね、その問い方」
「まるで私が、私でない時があるかのようじゃあないか」

僅かに微笑み浮かべていたその表情が、どこか真面目な表情に変わる、僅かに上がっていた口角も元に戻って平坦に。
その瞳は何かを見透かすように少年の表情に向けられることだろう。
388シャディ◆L1x45m6BVM :2018/07/21(土)22:40:44 ID:GsY
>>387 
「……二人? ……どんな人達だったの?」

その裏で違和感、というのだろうか。このモヤモヤは。影は、女性の物ではないと言われた。
しかし彼女は確か以前、直前の発言と合わせようとするとチグハグな感じがすることを答えていたはずなのだと少年は頭を冷やしていた。

「うん、だってさ、最初と反応が違うなーって思ったこともあったし……それに今のでなんかね」
「だって、この前、自分が贈ったって言ってくれたのに自分のものじゃないって、おかしくない?」

矛盾に思えた少年はその瞳を真っ直ぐに見返す。その瞳の奥を覗き込むように、またその自分の瞳の奥の疑問を伝えるように。
女性の対応、というか反応が違う時。勘違いかもしれないがイチゴの時は楽しそうで嬉しそうで、そしてその前は……なんというか反応が薄くて。
影の手は伸びる。いつもと変わらぬ、例え戦いの時だろうが平和な日々だろうが見た目に一切の変化のない漆黒が女性の頬に。
389ダリア◆HUGO.upxFM :2018/07/21(土)22:48:37 ID:nxC
>>388
「一人は、そうだな……マッドサイエンティストと呼ぶのが一番正しいだろうか」
「もう一人は秘密だ、君が知っていたところで、デメリットになってもメリットにはならないからね」

昔を懐かしむような、そんな表情で語っているのを見る限り、マッドサイエンティストなるその一人は遥か昔に死んでしまったのだろう。
ふいっと視線を逸らしてもう一人の説明、だって、そいつを殺したのはお前たちだなんて言ったって、デメリットにしかならないだろう。

「……そうかね、あぁ……何、もう気にする必要はない」
「私は私だ、もう私の一生のうち、それ以外になることはあり得ない、そう約束しよう」

彼女の口からはしかし、彼女と違う彼女についての説明は語られなかった、ただ一つ、もうあんなことにはならないから安心しろ、と。
つまりは、彼女がその影について語った時の彼女は、自分ではなかったと、そう言いたいのだろうが。
390シャディ◆L1x45m6BVM :2018/07/21(土)23:09:05 ID:GsY
>>389
「マッドサ……なんか変なの作ったり?」
「…………メリットとかデメリットがある、人なんだねー。大きかったりした?」


だとしたら。と少年はとある日眠たげな娘と話したことを、出ていた疑惑を思い出す。あまり想像したくはなかったものであるが。
従者。それはいい意味か、悪い意味か。主からすれば……別にどちらでも良いのかもしれないが。

「………………そっか」

そうではない、はずだったのに。最初に会った司書は、早い話そうだったことは少年にでも理解できた。だって、そうでないならこんな約束が出ることなんてまずないのだから。

「ねえ、ダリアちゃん。まだ、切れてない? それとももう……要らない?」

不安は煽られてしまった。少年は最近、色々ありすぎた。平和なことも良いことも、危ないことも。
そんな少年にすべてをいいように考えろ、なんてのも難しい話だろう。いつかやった時のように手で鋏の形を作る彼の顔はどこか寂しげであり。

「また、お話聞かせてくれるよね?」
391ダリア◆HUGO.upxFM :2018/07/21(土)23:21:50 ID:nxC
>>390
「秘密は秘密だ、私はその質問に答えるつもりはない」
「……全ての事象が自らに繋がると考えるのは、傲慢な考え方ではないかね?」

その正体が彼女の口から語られることはない、寧ろその口から語られるのは相手を突き放すような厳しい言葉だ。
自分の語る従者の意味を考えて、もしかしたら助けられたかも、なんて考えるのは、全てを救おうとするのは……正義の味方であっても、人間の考え方じゃない。

「……さぁ、ね、だが……覚えておいた方がいい」
「世界は余りに残酷で、君の手のひらは余りに小さい……その手で救えないものも居るのだよ」

くるりと相手から背を向ける、まるで自身の表情を隠そうとするかのように、そしてその言葉はやはり厳しく、相手を突き放す。
その声は冷淡であった、冷淡で冷酷で、どこか心苦しいような、そんな色が僅かに含まれていた。
たった一つの言葉を残して、その女性はその場から、厳格にも歩き出そうとするだろう、相手に嫌われてもおかしくないような、そんな声色で。

「思い上がるな、人間」

……と。
392シャディ◆L1x45m6BVM :2018/07/21(土)23:38:04 ID:GsY
>>391
「…………無関係なら――――うぅん、いいや。ごめん」

そもそも、デメリットメリットを引き合いに出すことも、なかったはずなのに。と思っても少年の弁舌は説き伏せるほどの強さはない。
中途半端で終わることを悔やむのは、やはり傲慢であるのだろうかと少年は暗に思う。

「…………手」

背を向ける女性の視界には最後、自らの手を眺める少年が見えるだろう。突き放されたことに気付いてないのかと思うほどに。
女性の言葉は正しいのだろう。影の手を使っても少年が救えない相手は救えない。近くにいても、だ。
じゃあ、諦めろと言われて諦める、となるほど少年は素直ではない。もがいて足掻いて、それで救えなくとも。
彼はまだ忘れてはない。例え何があっても止まるなと言われた日のことを。思いは違うのかもしれなくても少年は手に余るほどのことをしたいと思う。

「居ても、諦めないし――――僕、悪魔だもん」

子供の屁理屈に等しき返し。声色にびくつくように跳ねた身体を止めて尻尾と額の瞼を露呈させて影の手を相手の手に伸ばして。

「……でも、人間でも甘く見ないでよねー」

そんな呟きはいやにハッキリと。崩すことを目的にした女性の発言であったならば腹ただしい答えになるだろう。
393ダリア◆HUGO.upxFM :2018/07/21(土)23:53:33 ID:nxC
>>392
「……あぁ、そうだ、君ならそう言うだろう」
「最後まで足掻いて、結局救えなかったものを嘆いて、それでも前に進んでくれるのだろう」

その言葉は小さく、その距離は遠く、きっとその言葉も、僅かに浮かべた微笑みも、相手に届くことはないのだろう。
それは或いは少年にとっては、ただ黙って相手の前から離れたかのように見えるだろう、嫌われるために言葉を吐いた彼女の目的は、まさしくそれなのだから。

「……いっそ、嫌ってくれれば、楽なのになぁ、はは……」
「……消えたくないなぁ」

……そんな言葉、聞かれない方がいい。
仮令どんな道をたどったとしても、自分に生きる道が無いなんて、知られない方が絶対にいいのだ。
394シャディ◆L1x45m6BVM :2018/07/22(日)00:02:13 ID:Dlo
>>393
その背中を見ていた少年は露呈させた尾を揺らす。何か言ってくるのかと、振り向いてくれるかと、思う様子で。
結論から言えば、女性は離れてしまっている。生憎彼に読心の魔法なんてなく、そして耳が良いわけでもない半端な悪魔でしかない。
そんな半端な悪魔が何を為すことができるのか。為したことを考えれば願えるのは幸福なそれのはずなのだが――。

「……またねー、ダリアちゃん。イチゴまた食べよー……」

結局、彼の伸ばした影の手は止めることなく見送って、少年は小さな声で呟き、彼女を見送ると開いていたお話に目を戻した。
いずれ相対する事実に、今はまだ気付くことも察することもなく、暑い日に戻った。

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