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ここだけ現代舞台世界【R-18歓迎】

※ID非表示スレ
1!no_id:2018/10/15(月)22:09:34 ID:???
みんなの知っている世界のようで少しだけ違う世界
超能力があるかもしれない魔法だってあるかもしれない
日常の裏側に世界の命運がかかっているかもしれない
そんな世界で人々はみんなの知らないお話を紡ぐ

【遊び方】
・異能力的なものが有ったりする現代世界が部隊なR-18展開歓迎なりきり
・押し付けは禁止。相手を尊重しましょう。
・御相手方を尊重さえすれば基本自由なスレです。
・勿論現ロールの相手方以外にもしっかり配慮しましょう。
・sage進行
95名無しさん@おーぷん :2018/11/02(金)01:12:55 ID:???
>>94
エスパーなんてこの世にいる訳がない。だから彼女の言葉は彼の願望を察してのものなんかじゃないはずだけれども。
底のない深淵を思わせる眼は、本来見えないはずの物まで映し出すようで。
服や髪を彩るままの葉を一枚一枚白魚のような指でつまんでは、風に任せてはらはら落とす。

「そんな事はないさ。我が身を呈して女の子を助けたんだ、君は充分王子様だよ」

途切れた言葉と逃げる視線に何を読み取ったか、外側だけの嫌味を軽口で流す。
逸れた顔の先に軽い足取りで移動して、余裕さえ含ませる微笑みで覗きこんだ。

「ほら、君も早く起き上がりなよ。まるで私が虐めているみたいじゃないか」

少年のそれよりも小さな手を差し伸べて、彼が取らずともきっと笑みは絶やさない。
もしも助けを借りるなら引く力は見た目相応に弱く、儚ささえ感じさせるほどの。
965/7K.VcEo2 :2018/11/02(金)01:25:17 ID:???
>>95

「……そもそも今更だけど何で降ってきて―――」

重なる指。握る手と、触れ合う体温は彼の方が酷く高い。
少女の見せる余裕に対して、少年の頭は熱が溜まって爆発しそう。

「―――ぁりがとよ。」

突然のぬくもりに上手く発音できなくって。妙な声の返事。
引かれる力はか弱く、意識だけが強く惹かれてく。
立ち上がる仕草はゆっくりと、時間の流れが停滞しているかのような動き。意識の方はきっと本当に停滞してて。
97名無しさん@おーぷん :2018/11/02(金)01:38:42 ID:???
>>96
少しだけ上体を後ろに倒して、全身を使って起き上がらせる。本当に体重をかけているのかも怪しいくらいの小さな手助け。
礼の言葉にくつくつと笑って返す。少年の反応にさぞかし愉快そうな、それでいて決して馬鹿にはしていない響き。
熱い手の平を握るひんやりとした少女の手は、彼が両足で地面を踏みしめても離れる事はなく。

「さて、なんでだろうね?落下のショックで忘れてしまったみたいだ」

首を斜めに傾ければ、白磁の肌に映える黒髪がさらさら零れて陽光を呑み込む。
一歩寄って、見上げる形。少年の頭ごしに射し込む光に眩しそうに目を細めた。

「君のお姫さまになるためって言ったら、どうする?」

明らかな嘘。だって彼女はそこに誰かがいるなんて知らなかったのだから。
下から見上げても木の上から見下ろしても、深緑に遮られて互いの姿は見えるはずがなく。
風に踊る木の葉の舞は気のせいか、二人の時間の流れにつられてひどくゆっくりなテンポ。
985/7K.VcEo2 :2018/11/02(金)01:51:26 ID:???
>>97
一歩の距離が酷く近い。顔を合わせた時よりは幾らか遠い筈なのに。
上目遣い。細まる目が、心臓を掴む様で。鼓動がまた一つ大きくなった。
言葉が一つ一つ染み込んで、思考が蕩けそうになっていく。
例えば、くだらない男だけの集まりで。こうだったらいいなって、笑いながら話す状況。
自分が口にしたならば、隣の友達があり得ないと笑って。自身もだよなと返すだろうし。
だから今の状況が、だんだん夢かどうかわからなくなってくる。

それは、それとして。

やられっぱなしは、なんだかやだし。格好悪いし。
少女の手を自分から。その手はまるで、血液が沸騰しているかのような体温で。
見つめる目は揺れて、耳まで沸騰しているようで。それでも、握って。真っ直ぐ見つめて。

「―――何処までだって攫ってやる。
 王子さまって柄じゃねぇし。」

少しぐらい、戸惑う顔をみせやがれ、なんて。
99名無しさん@おーぷん :2018/11/02(金)02:08:26 ID:???
>>98
手持ち無沙汰だった手が、熱いとさえ思わせる何かに包まれた。
脈打つ音が繋いだ場所から伝わって、二つの心の臓が共振している気にさえなる。
彼の握る手は、容易く振りほどける自分のか弱い力と違って、逃がさないと叫ぶ力強さと熱を内包して。
数分にも満たない会話だというのに、目と目を合わせたのは随分と久しぶりのような気がした。

「なんだ、それじゃあ王子様じゃなくて盗賊じゃないか」

とても愉快そうに、益々つり上がる口の端。
ああ、人と話すのはこんなにも面白かっただろうか。簡単に予想できるようで、その実全くの想定外が返ってくるのが楽しくなくてなんとするのか。
ふと思い立った好奇心に従った時よりも心が躍っていたのを、今初めて自覚した。

「――じゃあ、捕まえてごらんよ。悪党さん?」

一歩、二歩と引いて掴まれた手から逃げようと。
頬にさした仄かな紅は白い肌によく映える。視線を少しだけ外すのは彼女の番。
1005/7K.VcEo2 :2018/11/02(金)02:21:25 ID:???
>>99
指を結んで、ぎゅっと握って。熱を絡めて、逃がさないように。視線がようやく重なった。
鼓動の音は隠れない。昇った熱は飛んでかない。相変わらず格好つかないけど。
一歩、二歩、下がる少女の頬。紅色。目に映って、焼き付いて、その手を放さない。逃がさない。

「お城を飛び出して、もっと楽しい所に行こうぜ。
 お姫様も、こんな古びたお城は飽きちゃってんだろ?」

逸れる視線は彼女から。少しは戸惑う顔が見れたから、もっと見たくなって欲張った。
手を引いて。片手を腰に回して、抱いて。慣れない動き、下手糞なダンスのステップ。
それでも精いっぱいの格好付け。視線だけはそれないままで、顔と顔がまた近づいた。

結局、学校なんてつまらないと思ってたのかもしれない。そこに欲しい物はなかったのかもしれない。
こんな風に昂るのは、きっと初めてで。こんな風に欲しいと願うのも、きっと初めて。
101名無しさん@おーぷん :2018/11/02(金)02:39:05 ID:???
>>100
顔をいっぱいに赤らめて頑なに目を合わせようとしなかった彼の気持ちが、今ならよく分かる。
とにかくこの場から逃げてしまいたくて、それでいてどうしようもなく欲してしまう自分がいて。
はぐらかしたくて距離を置きたかったのだけれど、それを遮られたのが嬉しかったのも胸に芽吹いた確かな感情。

「ああそうさ、退屈な毎日にはもう飽き飽きしていたんだ。裸足でもいいから逃げ出してしまいたいくらいにね」
「だから――君が手を取ってくれるなら、どこに連れて行かれても構わないさ」

手を引かれて足を踏み出し、自分から寄った時よりも近づいた距離。もう目は逸らさないけど、血の集まった頬はすぐには落ち着かない。
旋風に合わせてリードされるまま拙く踊る。くるりくるり、回るたびにスカートが翻ってほっそりとした太腿が覗いた。

「へたくそ」

そう呟いて笑う彼女は、言葉と裏腹にこれまでで一番楽しそうで。
1025/7K.VcEo2 :2018/11/02(金)02:58:28 ID:???

>>101

「……うるせー。」

悪戯っ気の抜けた純粋な笑顔。こっちの方が好きかもしれない。
なんとなく。こっちの方が、自分だけが見れる笑顔な気がして。
つられて彼もまた笑う。口振の割には楽しそうなところまで同じように。

だからその笑顔をもっと。華奢な体を、もっとあっためてやりたいから。
つまらない古城を抜け出してしまえ。白馬はもう、用意してあるから。

「学校まだまだ残ってんのによ。
 二人で学校飛び出すんだ。絶対楽しいぜ。
 行きたいところは?お姫様。それとも盗賊に任せてしまうか?」

手を引いて連れ出した先。ジャケットとお揃いの、純白の二輪車が唸る。
使い道も無くて項垂れた馬も、今日だけは滾っているように見える程。
さあきっと何処へだって行けるから。望んだ場所に、この盗賊は走り出す。
103名無しさん@おーぷん :2018/11/02(金)03:18:33 ID:???
>>102
心音は互いにすっかり大きくなって、最早どっちがどっちのものかすらも分からない。
でもそれはそれで、二人混ざり合っているみたいだからいいか、なんて思えてしまう自分もいて。
男の人に手を引かれて歩くのはどれだけぶりだろう、絡め合った指は幼少の頃の思い出よりも熱く感じる。

「君が連れて行ってくれる所なら、どこだって楽しいに決まってるじゃないか」
「盗賊はお姫さまに逃げる先を選ばせないくらいの大悪党さ、そうだろう?」

こんなところで気取って白馬を持ち出してくるから、やっぱりどこか可笑しくて忍び笑い。
お姫さまは我儘で、それでいて世間知らず。だから拐かされた先を選ぶ義務も権利も、全部全部盗賊の物。
どこまでも続く退屈な日常を蹴り飛ばせるのなら、きっと彼女は本当にどこでも、どこまででもいいのだ。
今みたいに手を取って、悪者らしくない優しさでエスコートをしてくれる限り。
白馬に二人跨がって古びたつまらない城に別れを告げる。腰に手を回して体を密着させるのは、きっと全幅の信頼の証。
104名無しさん@おーぷん :2018/11/02(金)03:39:44 ID:???
//非常に申し訳ないのですが一度とうけつを挟んでいただけるとありがたいです......
//明日は休日ですのでいつでも返せます
>>103
背中と胸を重ねれば、心音が本当に重なっちゃって。同じ鼓動を刻むなら、同じだけ実は昂っちゃってて。
口調はずっと変わらないのに、こんな変化はわかりやすい。

「......可愛いなこいつ。」

何て声が漏れちゃって。それをごまかすように慌てて

「.勿論。盗賊様にお任せってな。
飛びっきりの場所で、お城の思いでなんて吹っ飛ばしてやらぁ!!」

エンジンをかき鳴らす。ハンドルを切って走り出す。背中に感じる微かな柔さは、あまり考えないことにして。
盗賊様なんて口だけで。エスコートは何処までも丁寧に。河原の道を走れば、茜色の水面が見えて。
見える景色はきっとどれも綺麗。二人なら、何だって初めて見るようだ。
日が沈めば、その頃にはとある峠へと昇った後。見下ろす景色、宝石ちりばめた街の光。
馬鹿正直なロマンスも、彼らしいと笑ってくれるか。
105名無しさん@おーぷん :2018/11/02(金)04:07:50 ID:???
>>104
白馬の嘶きで隠したつもりの鼓動は相手に丸聞こえで、呟きは風が浚ってしまったから少女には届かない。
今だけは顔を合わせていなくてよかった、とらしくもなく思う。きっとすっかり夕日に染められてしまっていただろうから。
全身で感じる彼の温もりが伝染してこちらまで火照ってしまう。荒ぶ向かい風は冷たいはずなのに一向に熱は冷めなくて。
いつも通る道も初めての道も、何もかもが新鮮な景色。一人では決して知る事のできなかった、彩りに満ちた世界を二人駆け抜ける。
夕焼け色に染まった街並みが、今だけは不思議と色鮮やかに映った。
だんだんと高い所に向かうものだから、昇天しそうになっているみたいだと笑みを零したのは彼女だけだろうか。


「――――――」

その光景を黒の瞳に焼きつけて、小さく息を呑んだ。
これまで閉じこめられていた城は夜空を反転させて、これでもかと星屑の如く煌めく。
一歩、一歩と際まで近づく。夜風に靡いた髪は宵闇に溶け込んでしまいそうな。月の光を受けて白い肌は一層色を見せず。
しばらく黙って夜景を眺めて地平線に黄昏の残照が消えた頃、ようやく徐に少年へと向き直った。

「意外だな、君がこういう場所を知ってるなんて」
「……知らなかったよ。この街はこんなに綺麗だったんだね」

月明かりだけではきっと火照った頬は分からない。
吹き下ろす風がひゅうと鳴って、微かに体を震わせた。

//凍結了解です。日中は不安定になりますが、夕方からは安定して返せますので
1065/7K.VcEo2 :2018/11/02(金)15:16:17 ID:???
>>105
彼女の熱か自分の熱かわからなくって。ただハンドルを振り切らないように強く握って。
知らない場所に行きたくて、日常から飛び出したくって買った二輪車は、結局それだけじゃ何処にも行けず。
一人じゃたいして遠くまで行けなかった。知らない道も、何時もの道と変わらないように見えた。つまらなかった。
今は何もかも新しく見えるのだから、本当に必要だったのは――――
ヘルメットは表情を隠す。短髪は昇る体温を隠せないから、あってよかった。今だけは格好つくかな。

「ここ、いつ来ても綺麗でさ。」

街の光は何時だって途絶えない。どんな時だって。

「しんどい時も、死にたいときも綺麗でさ。本当は嫌いなんだ。
 お前なんて、どうだって良いって言われてるみたいじゃん。」

どれだけ辛い思いを抱えても。心が圧し折れていたとしても、そんなことじゃ街の明かりは変わらない。
皆同じように生活して、灯りを付けて。陸の星空には何一つ変化はなく。

「お前とならさ、ちゃんと綺麗に見れるかなって思った。」

でも今日は最高の気分に、最高のお姫様が居るから。

「―――――やっぱ綺麗だわ。」

視線は街を見ていない。ただ少女をだけを眺めていて。
白馬から降りて、震える体を抱き寄せた。
107名無しさん@おーぷん :2018/11/02(金)15:56:51 ID:???
>>106
本当は放課後になったら早々に帰ってしまうつもりだったから、冷える夜に備えて厚着なんてしていなくて。
少しの後悔は温もりに包まれて、あっという間に喜びへと早変わり。
初めての、真正面からの抱擁。腕の中に収まっているだけで、どうしてこんなにも安心できるのだろう。

「これじゃあ、本当に君のモノになったみたいだ」

それでも決して嫌な気分ではなくて、むしろ。
彼の体温、心臓の音、息遣い、仄かな汗の匂いさえも脳を侵して心地よい。
峠から見下ろす夜の街は間違いなく絶景で、けれど二人ともそんな物はもう目に入っていない。
見上げた夜空は宝石箱をひっくり返したように美しいけど、本当に見ていたい物はもっと近く。
互いに互いの目を捉えて離そうとしない。望月に照らされた孤月の笑みは、きっとどこか余裕がなくて。

「――――ん」

抱き返すなんて殊勝な真似をするのは癪だったから、少しだけ爪先立ち。身長差が憎いような、嬉しいような。
肩に手を置いて顔を近づける。唇へと、星の瞬きより短くて鳥の眠りより優しい口吻。
瞳が潤んで見えるのは、月光のスポットライトのせい。
108名無しさん@おーぷん :2018/11/02(金)16:24:33 ID:???
>>107
運命なんて、本当にあるのならきっと生まれたときから。そうでなくても、出会った時から。
退屈な二人が、胸の穴を塞ぎあって。離れられなくなって。
渇望。抱き締める力はありったけ。決して凍える事の内容に、離さないように。

「拐ったんだ、俺のモノだろお姫様。
代わりに俺、も──────」

肩に手が触れる。向き合って、濡れた瞳が見つめ合う。お互い体温を絡めたままなら、昇る熱もきっとごまかせてる。そう思って。

唇が濡れた。柔らかく触れた。その感触がなんだかわからなくって、固まって。
瞳の色で理解して。溜め込んだ熱が爆発するよう。影が射してもわかるほどに赤く。
固めた前髪がはらりと落ちて、垂れた。

もっと強く抱き締めて。少女の肩に頭を乗せて。互いの顔を交差する形。

「......俺も、お前の物だから。
まだまださ、どこにでも行こうぜ。」

そんな台詞を口にしても、顔は乱れてぐちゃぐちゃで。それを見られたくなくって、
109名無しさん@おーぷん :2018/11/02(金)17:10:18 ID:???
>>108
それは果たしていつから重なると定められていた交点だったのか。
手と手が触れた時か落ちる側と受け止める側になった時か、はたまたそこに行こうとなんとなく考えた瞬間からか。
そんな事を今更考えたって何も変わりやしないのだから、声高らかにこう叫んでしまおう。「この世に生を受けた時から」だって。

「うん。一緒なら、どこにだって行けるさ。だから――」

もう言葉はいらない。代わりに背中へと腕を回す。
抱きしめ返す力は少年に比べると全然弱くて、代わりに真っ白なジャケットを強く握る。
離さないと、離さないでと空気を震わすことのない懇願を指の先が訴えかけた。
彼の肩は少女には少し高いから爪先立ちのまま、頬の紅を隠すように首筋へと顔を埋める。
表情や声の調子は悪戯っぽさを保っていても、理性の手を離れた体はどこまでも心の奥底に正直。
膨らみなんてたいしてない胸を押しつけて、鼻を擦りつけて、どこまでも体は熱くなっていくばかり。縋るように体重をかけてみたりして。

「――ちょっと、痛いよ」

言ってみただけ。本当はそれだけ想ってくれていることが嬉しくて。
かき抱いた体は少年よりも小さく細っこく、いつか折れてしまいそうに華奢な熱の塊。
110名無しさん@おーぷん :2018/11/02(金)17:56:56 ID:???
>>109
生まれたときから6500日、求め続けた温もり。たわわな感触なんて要らない、ただこの腕の中に。
存外素直な彼女が居ることが愛おしい。

離さないと力を込めて、離さないでと返すならこのままずっとこうしていたい。

「……帰りたくない、よな。」

このまま片時も離れることなんて考えたくない。出来ることなら時間よ止まれと、ありきたりな言葉が浮かぶぐらい。
空っぽな胸がはじめて埋まったのだから、もう離せない。

「俺は離したくない。
だからお姫様、盗賊の隠れ家まで連れて行くよ。」

きっと断ったりされない筈だなんて期待とエゴを重ねて。拐っていくと言い切った。
家には誰も居ない。盗賊だから、捨て子のような物だから。
だからきっと、そこだけは。二人きりの聖域で有れる。

ああでも、ちょっと。下心を感じさせてしまうかなって。失敗したかなって、冷や汗をかいて。
111名無しさん@おーぷん :2018/11/02(金)18:19:56 ID:???
>>110
ただ無意味に繰り返すだけの日々を、色のない苦痛な日常を過ごしてきたのは、もしかして今この時のためだったんじゃないか。
そう考えてしまうくらいには、頭の中はもうぐちゃぐちゃ。
夜空を流れる一条の星の光に、この瞬間を結晶に閉じこめてしまいたいと願いをかけてしまいたいくらい。
声もなく頷く。互いの熱で融け合って一つになってしまった心は、もう離れられるはずもなく。

「当たり前じゃないか。拐うって言ったんだから、ちゃんと連れて帰ってくれるんだろう?」
「私を城から連れ出したんだ、最後まで責任を取ってくれないと困るじゃないか」

それは彼がどんな意図を、それこそ下心しか持ち合わせていないとしても受け入れると語るも同義。
どうなったって、彼となら構わない。二人だけの世界にだってきっと喜んで閉じこめられる。
また白馬に乗るのなら、離れる体はひどくゆっくりと。肩から鎖骨にかけて汚した黒髪が最後に名残惜しそうにさらりと落ちる。
帰り道に流れる景色はもういらない。額を背中にすっかり預けて、何より彼の体温を感じていたかった。
1125/7K.VcEo2 :2018/11/02(金)18:54:56 ID:???
>>111

最後は二人果てるまでか、それともその先まで。もしかすると最後なんてないのかも。
二人が望む限り。この世界で無くたって繋ぎ続ければいい。
白馬にもう一度。下り坂を走って、眼下の光はほうき星の様に流して。
二人で走る通学路。冷たい風も見慣れた塀も目に映らない。ただ隠れ家まで突き進む。

マンションの一室。扉を開いて上がり込めば、そこは残念ながらロマンは無くて。
少ない家具と、散乱する漫画本。適当に脱ぎ散らかした衣服。いかにも男の一人暮らし。

「……盗賊だからな。こんなもん。」

浮かれて自室の惨状を忘れていたらしく。ちょっと熱が冷めてきた。
振り返る。失望、されてなければいいなって。

「直ぐ片付けるからちょっと待っててくれよ・……」

交わす言葉からはロマンが消えて、生活感があふれ出す。
113名無しさん@おーぷん :2018/11/02(金)19:12:28 ID:???
>>112
「そうだね。盗賊だから、こんなものだろうさ」

ロマンチックなひと時はもうおしまい。辿り着いたのは絵本の最後の頁の更に先。
微笑みを湛えながら、楽しげに部屋の中を見回す。声の調子は最初みたいに揶揄うような。
夜風に晒されてすっかり冷えた肌は、もう元の白磁に戻りつつあった。

「――――――」

流石に初めて訪れる、それも異性の部屋だから手伝おうとはしないけれど。
脱いでそのままの服だとか、転がる漫画のタイトルだとか、キッチンの使用具合だとか。
目に映る全てが彼の生活を物語るから、本当に拐われてしまったんだと遅れて自覚しつつある。
部屋の匂いはやっぱりさっきまでずっと鼻腔を擽っていたそれ。落ち着くような、胸が高鳴るような。
そういえば男の子の部屋なんだ、なんて今更考えると途端にどうすればいいのか分からなくなって。
片付けを待つ間の手持ち無沙汰な時間が妙に気恥ずかしく思えて、また顔が熱くなった。
1145/7K.VcEo2 :2018/11/02(金)19:33:17 ID:???
>>113

「女なんて呼んだことねぇし!」

脱ぎ散らかした衣服を籠に放り投げながら叫ぶ。
どころか友達すらめったに呼ばないからこの有様なのだが。

「寒ぃよな。とりあえずこの辺で寛いでくれていいから…… 
 あ、ベッドの側はちょっとやめてくれな。」

暖房のスイッチを入れて、テーブルの側を指し示す。
ベッドの側にはよくない物があるから、察して欲しい。男の子の部屋だから。

本棚に漫画本をしまって、衣服も一通り退かした。とりあえず客を呼べる程度の状態にはなった。
離したくない、その一心でここまで連れてきてしまったけど。よくよく考えれば何をすればいいのやら。
片づけを終えれば、また手持ち無沙汰。自分の部屋に少女が居て、その周りだけまだ御伽噺の中見たい。
気恥ずかしさがまた昇ってきた。赤色が帰ってくる。

「……食べたいものとかあるか?
 冷蔵庫、確かまだいろいろ残って……」

こんな時に出てくるのは他愛のないセリフ。本当に言いたい事も、言わなきゃいけない事も違うのに。
115名無しさん@おーぷん :2018/11/02(金)19:52:00 ID:???
>>114
指されたテーブルの側におとなしく座って一生懸命に片付ける少年をぼうっと眺める。
気を抜いたらなんだか甲斐甲斐しい彼に頬が緩んでしまいそうだったから、両手でぐりぐり揉んで誤魔化してみる。
本当は散らかったままでもよかったのだけれど、忙しない姿を見るのも楽しかったから黙っていることにする。
暖房が部屋を温めるより早く、体が熱を持ち始めたような気がした。

「私はなんだって構わないけれど……せっかくだ、何か作るよ」

もてなされる側としてはあまり好ましくない答えかもしれないが、こういう時くらいは女の子らしいところを見せたかったから。
冷蔵庫の中を覗く。材料があるのならそれで作れそうな簡単な物を。
作り置きやレトルトがあればどこか残念そうに、それらを使って食卓の支度を進めるだろう。
聞きたい言葉もしてほしい事も、自分からはまだ催促しない。戸惑いがちな彼だって少女にはとても愛おしく思えるから。
1165/7K.VcEo2 :2018/11/02(金)20:02:08 ID:???
>>115
冷蔵庫を開けば、その脇から少女が顔を出して。
これぐらいの距離ならばもう慣れた、筈なんだけど。まだちょっとどきっとする。

「じゃ、じゃあ頼むわ。」

誰かの手料理、というのも初めてだったし。親の料理すら覚えてないから。
素直に身を引いて、あとは少女のするままに。
冷蔵庫の中身は肉が多めに、野菜が少し。スカスカ具合が実に一人暮らし。
幸い料理が出来る程度の食材はある。後は腕次第、だろうか。

待ち時間は座ったまま、自身の家なのにそわそわして体が揺れる。
117名無しさん@おーぷん :2018/11/02(金)20:25:36 ID:???
>>116
「うん、頼まれた」

冷蔵庫の中に眠る食材を眺めて少考。この時ばかりは真剣な表情。
準備するのは鶏モモ肉と舞茸、それからパスタの乾麺。
鍋に水を張ってパスタを茹でながら、並行して具材を炒めて塩を振る。
麺が茹で上がったら具、それから醤油、みりんとしっかり絡める。仕上げにバターと黒胡椒でアクセントをつけて完成。
最後まで忙しいものだから彼に注意を割く余裕はあまりない。それでも偶に横目で窺っては、落ち着かない様子に笑みを零した。

「どうぞ、召し上がれ。悪いね、本当に適当で」

そうしてテーブルに並ぶ二人分の食卓。向かい合って座り、彼女が手をつけるのは最初の一口が彼の舌に触れてから。
人に料理を振る舞うのなんて久しぶりだったから、無意識に少し期待と不安に息を詰めた。
1185/7K.VcEo2 :2018/11/02(金)20:43:50 ID:???
>>117
テーブルに並ぶのは二人分のパスタ。立ち上る湯気から感じる香は、自分の作った雑料理とは比べ物にならず。
自分で作ると言えば適当に肉を焼いて、たれをつけるとか、それぐらい。

「適当なもんかよこれ……いただきます。」

手を合わせて、フォークを握って。けれど向かいからじっと見つめられては、ちょっと緊張する。
フォークにパスタを巻き付けて、口元まで持ってくればバターの甘い香りと黒胡椒の刺激がアクセント。
それを口に、含めば

「……うめぇ。」

もう一口。

「うめぇ!!」

後はもう何も言わない。思えば結構時間も経っているし、忘れていた空腹を思い出して。
皿が空くまではあっという間。きれいさっぱり、そこには何もなかったみたいな食べっぷり。

「……ごめん、夢中になった。
 してもらってばっかだな、俺も何かしたいんだけど……」

楽しい記憶はどれも、彼女に貰った物ばかり。初めての記憶が、頭の中を埋め尽くして。
自分が何をしたか、とかはよく覚えていない。だから、まるでしてもらってばかりに思ってしまう。
119名無しさん@おーぷん :2018/11/02(金)20:59:15 ID:???
>>118
その反応に、微かに胸をなでおろしてようやく自分でも一口。
少年ほどがっついてはいないから、食べ終わる時間には大分差が出る。二人の食事が終われば下膳、食器洗い、そうしてやっと彼女も一息。

「気にしなくたっていいさ。私だって、いろいろ受け取っているんだから」

本当に何かをしてもらっているのは果たしてどちらだろうか。
退屈な毎日から逃げ出したくて、手に手を取って走り出して。どっちが、なんていうのはきっとないのだ。
手を床について、四つん這いのようにしてにじり寄る。覗きこむ顔はこれまでに負けず劣らず近くって。

「それに――私は君のモノだから当然の事だよ。そうだろう?」

伸ばした白い指が頬を撫でる。余裕のある笑み。蠱惑的に目を細めてあからさまに誘う仕草。
きっと彼女は少し焦れている。盗賊なら盗賊らしく、所有物には印をつけろ、悪事くらい働いて見せろと。
1205/7K.VcEo2 :2018/11/02(金)21:24:01 ID:???
>>119
距離だけなら、同じだけ近くに居た時もあった。それでも、ここまで。
蠱惑的に伏せた瞳。その視線に込められた意味も、求める物も、本当はわかってて。
だって、それは。自分がしたいことでもあるから。

手が伸びる。肩を押して。まるで初めての時の様。だけどそこには、力が確かに。
押し倒す。小さく開いた口は、彼女を求めていた。誘われたなら喰らうだけ。思うがままに。
だって、彼は。盗賊だから。

「俺の物、なら。好きにさせてもらうからな……!」

首筋に舌を這わせて。そのまま、床に少女の体を押し付けて。
好きって感情は、多分あまりきれいじゃない物も含んでくれる。でも、それも、受け止めてくれるなら。
肩の指が胸に伸びて。絡まる釦を一つ、解いた。
121名無しさん@おーぷん :2018/11/02(金)21:42:47 ID:???
>>120
肩を押されるのはこれで二度目、今度はあっさりと倒れる体。
床に黒髪が広がったのは、きっと言葉では素直になれない少女の代わりに喜びを伝えようとしたから。

「もちろ、んっ……」

覆い被さられて、首筋をなぞった舌に言葉が途切れる。吐息混じりの声、びくりと体を震わせた。
あっという間に熱が戻る。唾液の触れた場所から溶けてしまいそうなほどに。
少しずつ呼吸が荒くなって、それでも声を出すのはなんとなく悔しいからどうにか我慢。
両手は頭の横に力なく投げ出されて抵抗の素振りも見せない。

「こういうのは、初めてだから――優しくしてほしいな」

お姫さまは我儘だから、悪い盗賊の前でも注文をつけるのを忘れない。
身を包む白いシャツがゆっくりと解かれるのを黙って受け入れる。ひどくじれったくて、時間がやけにゆっくりと流れているような。
曝け出されるのは慎ましやかな胸を守る薄いピンクの下着と、それから仄かに朱に染まった柔肌。
流石に恥ずかしさが胸に去来して、思わずそっぽを向いた。それでも瞳は期待と興奮、それと少しの不安に潤んでいて。
1225/7K.VcEo2 :2018/11/02(金)21:56:35 ID:???
>>121
崩れ落ちた理性、這う舌は首筋から唇へ。少女もまた絡めてくれるのであれば。
あの時交わしたそれとはまた違う、暴力的な迄深くを貪って。
注文をつける唇を、自信の唇で塞いだ。そっぽを向くなんて許さない。

「……好きにするって言ったぞ。」

あくまで好きにさせてもらう。そう言うつもりらしい。
下着をずらして、朱色の肌を撫でる。その手つきは言葉通りに、丁寧で。微かな膨らみを撫でて、その先端に触れる。あくまで、彼女が感じられるようにと。

唇と、その胸を。思うがままに貪って。張り詰める彼のそれを、自分から晒すことはなく。
今はただ、彼女の反応を見て楽しんでいるようだけど。
123名無しさん@おーぷん :2018/11/02(金)22:13:51 ID:???
>>122
近すぎる顔、互いに互いにしか見えていない。本当に、世界に二人しかいないかのような錯覚さえ。
乱暴ささえ孕む口吻を、余す事なく享受する。舌を受け入れて、絡めて。
重力に従って流れ落ちる唾液さえ、喉を鳴らして取り入れる。飲みきれなかった分が口の端から溢れて頬を伝った。

「ん、ふ、ぅ――!?」

鼻にかかった吐息が、指が突起を掠めた刹那止まった。
目を見開く。先端を撫でるたびに大袈裟までに体を跳ねさせる。
大きな手が触れた所が際限なく熱を持って、どうにかなってしまいそう。
思わず腕を彼の首に回す。ただただ初めての感覚に、何かに縋らずにはいられなくて。
奇しくもそれは、更に求めているようにしか見えないのだけれど。

「ふ、っ…………!」

それでもまだ、健気に声を抑える。きゅうと目を瞑り、睫毛を震わせながら。
首の後ろに回した手が、切なげに服を力なく掴んだ。
124名無しさん@おーぷん :2018/11/02(金)22:28:57 ID:???

「ごきげんよう」「ええ、ごきげんよう」

何もかもが思い通りになる世界に生まれてきた。
望むものは全て手に入れてきた。金銭で困ったことなんて一度もなかったのは当然だったし、何もしなくても勉学も運動も常に一番だった。
音楽をやっても芸術をやっても全て自分の思うままの結果が返ってくる。恋愛だって全て指先一つで思うまま。
ただ、こうしていつも通りの作り笑いの挨拶をしていくこと自体が自身に課せられた代償なのだろう。
その才能とその立場と比較したのならば、なんて軽い代償だ、と周囲の凡人達は語るだろう。事実そうなのは理解している、だがそれが全くもってつまらない。

「……つまらない」

秋風に吹かれて艶めいた黒髪が靡くのに乗せて、まるで吐き捨てるようにそう呟いた。
それは少女達の花園の頂点に立つ、誰もが羨み憧れるお嬢様。ノブレス・オブリージュという名の着包みを身に纏い、この空の下を窮屈に歩く。
これまではそうだった。きっとこれからもそうなのだろう。自分という人生が続いていく限り、思い通りの人生が約束される籠の中の鳥。
口元にはいつも笑みを。足取りは常に軽やかに。弱き者にはその右手を差し出して、強き者の横暴に立ち向かう。

「本当に、つまらない」

そんな在り方に、何の意味がある。
誰にも聞かれていやしないだろう。きっとそうだろう。風音は少女のもしかしたらという思考すらも奪っていくよう。
ただそれは、奥底に秘めた願望なのかもしれない。なにか面白いことが起きればいいのに。それが別に、安寧の籠の中の鳥あることすら奪ってくれるのならば。
何でも良かった。なんだったら、宇宙人がやってきて、そのまま全て壊して終わりました、なんて下らないオチでも良かった。
頭を下げて、挨拶をして、そして駆け出していく少女の姿を横目で見送る。あの娘はあんなにも羽根を伸ばしているというのに、果たして彼女と自分に如何程の差異がある。

「"ごきげんよう"」

不公平だ。不平等だ。それでもまた、通りすがった少女達へと挨拶を。
彼女達が自分に対してそう思うように、自分もまた彼女達にそう思っている。
籠の中の鳥は、大空を行く鳥に憧れる。そこが冷たく、とても厳しい自然の世界であるのは分かりきっているはずなのに、外に出たいと願ってしまう。
なんて理不尽、なんて愚か。であれば尚更、自分はただの一人の少女でしかないではないか。貴族主義の着包みの中、思い願う。
1255/7K.VcEo2 :2018/11/03(土)13:10:18 ID:???
>>123
自分の手がどこかに触れるたびに甘い声が漏れて。求める手が服を掴む。
それがどうしようもなく楽しくて、何度も何度も引き出させた。
優しくなでて、掴んで、時折先端を掻いて。手つきはどこまでも丁寧に。
幾度となく交わす唇は、唾液でふやけてしまいそう。口角から煌めき漏れる、それはどっちの物だったかもわからなくなって。
交わって、重ねて、自分がどっちかもわからなくなって。それでもまだ、その先が見たくて。
次第に手が下腹部をなぞって下降していき。未だ衣服に包まれた、その場所へ。

文句は言わせない。何かを言う前に口をふさいで。
釦を解いて、邪魔な布を引きずり下ろしていく。

//すいません鯖落ちで書き込めませんでした……
126名無しさん@おーぷん :2018/11/03(土)13:45:32 ID:???
>>125
「ん、っ……ふ、ぁ、あっ……!」

鳴いて、よがって、求めて、縋りついて。
最早出会った頃から保ち続けていた余裕は跡形もない。ただただ与えられる快楽に悶えるだけ。
抑えていた声もついに喉を震わせて交わした唇の織りなす水音を彩り、二つの先端は固く尖って弄びやすいように差し出される。
只管にされるがまま。絶対的な優位性は彼の物。
二人の立場を決定づけたのが性、身長、体格の違いによる物かどうかは定かではないが。
確かなのは今この時、彼は彼女を思う存分に蹂躙、征服、支配できるという事。
今だってほら、体を撫でる手が向かう先を悟り目を見開いたというのに。

「ぁあ、や、まっ――――!」

どうしたって羞恥は殺せない。制止の声はすぐさま塞がれて嬌声に変わる。
服を掴んだ手は離せない。結局抵抗なんてできるはずもなく、呆気なく脱がされる学校指定のスカート。
ほっそりとした太腿をもどかしそうに擦り合わせていたのが露わになる。白かったはずのそれはすっかり紅潮しきっていて。
聖域を守る薄布はブラジャーとお揃い。湿り気を帯びているのは蓄積された快感の証。

//鯖の問題ですしお気になさらずー
1275/7K.VcEo2 :2018/11/03(土)14:13:34 ID:???
>>126
今も、この先も。この声を顔を見られるのはきっと自分だけ。征服感。
欲求は際限なく。もっと甘く、もっと深くを求めて。薄布すら剥ぎ取る手には迷いが消えて。
静止なんて聞かない。その唇をふさいだなら、そのまま指に粘液が絡まる。
なだらかな丘に、微かに爪を立てて。その頂の突起を摘まむ。

「……悪い。もう、止めらんねぇ。」

押し付ける体を一度離して膝で立てば。見せつける様に張り詰めた、ジーンズのジッパーを下ろして。
トランクスを押しのけて勃ち上がるそれは、先端から汁を垂らしていた。

「嫌って言っても、駄目だからな。」

また彼の手が少女の肩に。込める力は、彼女を屈服させようと。征服しようと。
128名無しさん@おーぷん :2018/11/03(土)14:42:24 ID:???
>>127
最後の砦を引きずり落とせば、粘り気のある液体が銀の橋をかける。
むせ返るほどに濃い女の匂いが解放されて、まるで浅ましさを見せつけるような。
あまりの恥ずかしさに目を逸らしたくても、深い舌の交わりあいがそうはさせてくれない。

「ひぁ、あっ……そこっ、だめぇっ……!」

甘い声も蕩けた顔も、全くもって説得力がない。
引っかかれるたびに、顔を出したそれを刺激されるたびに、蜜がこんこんと溢れて指を濡らす。
背中がこれでもかと反り返って、足の指はぴんと伸びる。踏み入れた事のない領域だけど、全てを委ねて快感に身悶えるばかり。

「ぁ、え……?」

だから急に温もりが消えて、戸惑いの言葉が口をついて出た。
掴んでいた手が中途半端に伸びて追って、目に入ったその昂まりに動きが止まる。
目が離せない。思わず喉を鳴らす。下腹部が疼いて、また蜜が零れる。
あれがこれから自分に何を齎すか、想像するだけで頭の中がぐちゃぐちゃになってしまう気がして。

「…………ん」

うまく声が出せなくて、悩ましげな吐息のような。代わりに一度だけ小さく頷く。
肩を抑える手の力は少し痛みさえ感じさせたけど、それが余計に捕らわれてしまった事を強く自覚させる。
彼の手首を弱く握って、抵抗のつもり。まだ全部は支配されていないなんていじらしい意地。
1295/7K.VcEo2 :2018/11/03(土)15:09:28 ID:???
>>128
跳ね上がり反り返って、自身の動き一つ一つに貰える仕草が愛おしい。
空からやって来た不思議な少女も、今は只の女の子。

小さく一度頷いたなら、それで最後の理性が途切れたよう。そのまま、獣の如く覆い被さって。
それでも初めての事だから。うまく照準が定まらなくて、切っ先が何度も谷間をなぞる。焦れったい。

「ここ、か……」

膣肉を掻き分けて先端が侵入する。吐き出す白と粘液が絡まる。
性感帯の全てが一肌の柔肉に包まれる、知らない感触に腰が砕けてしまいそうで。呻く声が漏れた。

「まだ、行けるか?……」

奥深く迄突き刺す前に、手を少女の頬に当てて。
嫌だと言っても止めないと宣言した癖に、一々気遣うのは優しさか、ヘタレさかもしれない。
少女が頷くなら、そのまま奥深く迄。
130名無しさん@おーぷん :2018/11/03(土)15:34:56 ID:???
>>129
入口を灼熱がなぞるだけで頭が真っ白になって腰が踊る。
粘液を吐き出す口はますますその量を増し、ここにおいでとしつこく叫ぶ。
そこにあてがわれて刹那体を強張らせ、次の瞬間。

「ぁ、いっ……ぐ、ぅ……!」

割り開かれて膣に侵入される感覚。
初めてのそれは蹂躙の痛みを伴って、恍惚に蕩けた顔を歪ませる。
二人の呻き声は正反対の方向。大きく息を吐き出して少しでも和らぐようにと。
浅い涙が眦から零れる。投げ出された手が縋る物を探して宙を彷徨った。
問いかけの返事はすぐには返ってこない。少なくとも、荒い呼吸が落ち着きを取り戻し始めるまでは。

「っ……だい、じょうぶっ、だからっ――」

それ以上は声にならない。けれど唇の動きだけできっと充分。
本当はまだ少し苦しいくせに、無言で「はやくちょうだい」だなんて甘いおねだり。

その懇願に従ったなら、彼女の中を一思いに埋め尽くしてしまったのなら。

「か、はっ……!」

全身の筋肉を緊張させて目は見開き、肺の中の空気は一気に吐き出される。きゅうと中を締めつけて。
溢れる潤滑油に混ざった赤は純潔の証。真に彼を刻まれた決定的な印。
1315/7K.VcEo2 :2018/11/03(土)16:11:16 ID:???
>>130
拠り所を探して揺れる手を握って。大丈夫、ただそれだけ聞けたなら。
彼にも余裕が無くて、だから最初はゆっくりと。蠢く壁を撫でる様に。
少女の不安を、せめて自身も抱えられるようにと。全身を、重ねて。
ゆっくりと、ゆっくりと、自分自身を刻みつけていく。

締め付けられて、動きが一度停止する。また呻き声が漏れて。

「俺、もう駄目かもっ……」

そこから一気に加速し始めて。膣肉を蹂躙し始める。
突き刺す先は定まらず、荒々しく腰を打ち付けて。灼熱の幹が脈打ち始めて。
吐息は一層荒々しく、まるで犬の様に下が垂れ堕ちて。
最後、一番奥に触れられたなら。貯めこんだ快楽を、白濁を吐き出して。
力ないまま、少女の体に覆いかぶさった。
132名無しさん@おーぷん :2018/11/03(土)16:48:11 ID:???
>>131
掴んだ手を握る力は彼にとっては些細な程度でも、これまでで一番強い。
苦痛と快楽とが混ざってどっちがどっちか分からなくなったから、せめて確かな熱を感じていたかった。

「ふ、ぅ、っ……んっ、ぁ……」

内側から撫でる緩慢な動き。ナカを弄る感覚がいやにはっきりと分かる。
その優しさに蕩けてしまいそうで、苦悶の声に艶が混ざり始めた頃。

「ぇ……?……っ――――!!」

そこから先は、もう言葉にならなかった。瞬く間に声の調子は苦しさに支配される。
文字通りの蹂躙。こちらの苦悶も都合も薙ぎ払った、ただ己の欲望を満たすためだけの抽送。
肉を打ちつける音。強引に掻き分けられる痛み。膣壁を抉る快感。体を貪る彼の必死そうな顔。
全部が奔流となって脳を犯して、今にもどろどろに溶けてしまいそう。
少しずつ苦と快が反転する。鼻にかかった吐息、一段と高くなる喘ぎ声。

「あ、ぁ、やっ、だめっ……なんか、きちゃうっ……!」

切羽詰まった叫び。中で一層彼のモノが大きくなるのを感じて、また期待に締めつけが強くなる。
蜜は最早洪水、泡立って行為の激しさを物語る。来たる絶頂を予期して頤を跳ね上げた。
本能的に足を腰に絡めて、どちらが逃がそうとしていないのか分かったものではない。
降りる子宮。その入口と熱い接吻を交わしたのなら。

「ん、く、ふぁ、ぁあっ――――!」

痙攣。絶叫。あまりに熱い白濁液が全てを彼の色に染め上げる。
あまりの勢いに膣口から漏れ出た白が赤と混じる。これでもう、彼女の何もかもが彼のモノ。
覆い被さられても除ける力どころか、声を出す気力すらもなくてぜえぜえと胸を上下させるだけ。
全身が脱力。ただ握った手だけは、自分からは絶対に離さない。
1335/7K.VcEo2 :2018/11/03(土)17:12:05 ID:???
//ここで〆でどうでしょうか?
>>132
理性は蕩けて、ただ快楽を貪り続ける。それは交尾に違いなかった。
抱き締める様に締め付けられたなら、もう堪えられなくなって。絡まる脚は、後退を許さない。
ならばもう、結ばれるしかなくって。彼も結局、逃げられない。

荒い呼吸に上下する胸に、彼の胸が覆い被さって。暫くそのまま、漸く力が入る様になって、彼女の中から引き抜いた。
まだ口の開いたままの切っ先から白濁が零れて、その快楽を物語る。
手は握ったまま、少女の隣に転がり落ちる。空いた片手で頭を撫でて、また顔が向き合った。

「……明日もサボっちまおうぜ。
 まだまだ、一緒にやりたいことが溜まってんだ。」

まだ息は少し乱れていて、頬は朱色のまま。緩んだ笑みを少女に向けて。
今日は始まりの日。これからがまだまだ残ってる。望む限り、それはきっと何処までも―――
134名無しさん@おーぷん :2018/11/03(土)18:43:25 ID:???
>>133
二人の呼吸音が名残となって部屋を支配し、先程までとは打って変わって静かに重なり合う体。
徐に引き抜かれて吐息が漏れる。栓を失って溢れた白が床を汚した。
横に転がった彼を緩慢とした首の動きだけで追う。それ以上は困憊した体では難しく。
頭を撫でて髪を梳く。それだけの動作でも異常なまでの多幸感が湧き出るのが嫌でも分かる。
小さく頷く。なけなしの体力を振り絞って寝返りを打ち、彼の方へと。背中を向けて体をすっかり預ける形。

「――うん。付き合うさ、どこまでも」

その笑顔は泰然とした余裕の消え失せた、穏やかで純粋なもの。
まだまだ時間はたくさんあるけれど、やりたい事だって山積みだ。
だけど今はただ、初めての行為の余韻に浸っていたい。少しずつ、瞼が重くなりつつある。
目が覚めたら出会うまでの時間を取り戻すくらい、いろんな事をしたいと願いながら余韻に浸って目を閉じた。

//遅くなってすみません、こちらからはこれで〆で
//ありがとうございました。お疲れ様でした
135名無しさん@おーぷん :2018/11/03(土)20:42:08 ID:???
>>124

「――――――あ゛ぁ゛?」

挨拶に返されたのは、睨みつける三白眼。染めた赤髪が荒々しく揺れて。
着崩したセーラー服。校則違反の髪色。威圧する怒声。不良少女の証。
赤嶺桃華。少女とは一応の幼馴染に当たるが、今はすっかり道を違えて。
ただの家からうまれた不良少女と、高貴なる責任を背負う少女。交われる理由もなく。

「いつもつまんなそうに、薄っぺらい挨拶しやがって……」

呟いた時、彼女は聞こえる位置に居なかったはずだ。だって、今ようやく通りすがったのだから。
張り付けた表情を見て、少女はそう言った。奥底を話すほど、親しい間柄ではなかったが。

「見てるあたしがつまんなくなる。
 そんなに面白くないならやめちまえよ、それ。」

ふん、と鼻を鳴らして。嘲笑って。少女が言われたままで居るのなら、彼女は言いたい事を言ってしまって。
そのまま、通り過ぎていってしまうが。
136名無しさん@おーぷん :2018/11/04(日)04:06:09 ID:???
一睡もせずに垣間見えてしまう朝日は、光無い深夜よりも絶望に満ちている。
夜中の暗さにはロマンスがあるけど、朝は強制力で、寝ることで感情を清算することもできない
まま、再び社会へ参入する羽目になる。
今日もダメなままの始まりと終わりが約束されてしまうんだ。でも、さあ、希望の無い朝を、駆け抜けようを

何も出来やしない一日を、くだらなく潰していくんだ。
137名無しさん@おーぷん :2018/11/05(月)23:49:13 ID:???
その日、唐突に少女の知る世界は崩壊した。
変わることはない、永遠に続くのであろうと信じていたモノは、音もなく崩れ去っていった。

少女は無口だった。どこに居ようとも、誰と居ようとも。自分から意思を言葉という形で発する事は殆ど無く。
当然のように少女は孤立した。それが少女の望む形であったのかもしれない。本意を知ることができるのは、この少女自身のみ。
だが、それは本当だろうか。もしこれが、少女の意図していないモノであったならば。本心を他人に言うことが出来ないような不器用であったならば。

――でも、それは空想の話。空虚な理想論を浮かべただけで、現実が変化するわけではない。

気づけば少女は屋上に出ていた。フェンスが周囲を取り囲み、自らが檻に囚われて生き続けている人間であることを自覚させられる。
頭上には、澄み渡った青空を駆け回る鳥がいた。彼らは何を考えているのだろうか。飛べずに見上げたままの自分を見下していたりするのだろうか。
そんな堂々巡りな考えを、何も話すこともなく、ただ黙ったまま。

「……私は……何だろう……な」

フェンスに手を掛ける。この程度の壁、乗り越えようと思えばいつでも出来るのだろう。
だが、自分には出来ない。変われない。変えることが出来ない。理由が見いだせない。
そして何より、今の自分を変える事が、どんな事よりも怖かった。

フェンスの向こう側に立つ。一歩踏み出せば、この監獄から抜け出せる程の空想と現実の境目に、一人居る。
広い空から吹き晒す風が、少女の透明な肌をなぞり、白い髪を揺らしていく。
この風に乗れば、自分はもっと遠い場所に行けるだろうか。自分を必要としてくれて、やりたい事を教えてくれる誰かがいる場所へ。

辛うじて現実を繋ぎ止めている、フェンスと繋がる唯一の右手が、ゆっくりと離れる。
羽ばたく時が来たのだろう。この長袖の服に覆われた翼を大空に広げる時が。

しかし、どんなに待ってもその時は来ない。どれだけ時が過ぎようとも、世界は自分を檻に押し入れようとする。

――――翼が無くても、ここから出ることは可能では。
そんなあり得なくて、少しばかり不穏な思いが、少しずつ少女の中で膨らみつつあった。
138名無しさん@おーぷん :2018/11/06(火)01:59:24 ID:???
>>137
それは少女の一挙手一投足を見ていた。
虚ろな足取りに目的は無く、伸ばした手の先に未来は約束されていない。

長いこと潜んでいたが非常に興味深いものが来たとそれは人知れずほくそ笑む。
そして深い場所からゆっくりと浮かび上がって、少女に語りかけた。

「そんなところで何をしている?」

男とも女ともつかぬ声が不意に幻聴のように少女の耳に入り込む。
やけにはっきりと聞こえたそれの音源を探っても周囲には自分以外だれもいないだろう。

「ここはいろんなもので溢れている。ものがあるからそれは識別される。

私もまた……君の存在によって何者か識別される。

君は私を何だと思う?」

声は少女に「自分は何者だと思うか」問いかける。
姿形のないそれに、少女は何を見出すだろう?
139名無しさん@おーぷん :2018/11/06(火)21:00:15 ID:???
>>138
突如として頭に響く声。反射的にフェンスへと伸びる手。
落ち着いて周囲を見渡せども、この屋上に居る人影はない。自分以外の声が聞こえてくるなんて事はあり得ないはずなのに。
ではこのノイズのようではっきりと語りかけてくる声は一体。

「…………誰……だ……?」

脳裏に一つの仮説が浮かぶ。
どこかで聞いたことのある話。人間、何かしらこじらせると自分を正当化するために、悪魔が囁きに来ると。
自分は悪くない。周りが悪いんだ。自分を理解してくれる人が現れる。慰めてくれる人が来る。
そうやって都合のいい事ばかり並べて、少しでも自分を善人であると。運命に振り回された被害者であると信じ込ませるために。

「……お前……は……」

最初に脳裏に浮かんだのはどんな姿だっただろうか。
噂話で語られたような、自らを陥れて魂を食らいに来た悪魔。自らに憑りついて呪い殺そうとする亡霊。
いや、自分が求めているのはそんなモノではない。

「……お前は……私に……生きる理由……を……?」

自分が欲しいのは全てを受け入れてくれる人。こんな自分を必要としてくれる人。
それであれば何だっていい。人間だろうが悪魔だろうが亡霊だろうが畜生だろうが。
誰だっていい。何だっていい。囚われの私をここから出してくれ。解放してくれ。慰めてくれ。

「………………」

誰にも、きっと頭の中に巣食う何者かにしか聞こえないような、消えそうな声で口にしたのは一人の男の名。
きっとそれはこの少女にとって特別な、特別だったはずの人物の名。
140名無しさん@おーぷん :2018/11/06(火)21:47:22 ID:???
>>139
少女がそれに名を与えた時……無に有を見出した時、それは少女の思うものに極めて近い姿で顕現した。

「生きる理由。生命の価値。自分自身。どれも不確かで曖昧で、単純素朴なものだよ。
君が私にこの姿を見出したように。」

記憶の断片をパッチワークのように合わせることで得た姿は陽炎のように揺らいでは、弱った小鳥を弄ぶように少女を嘲笑う。

「君がそこから飛んだとしても、君が全てを失うだけだ。残されるのは残骸だけだろう。そんなにこの世界は……虚ろな自分は嫌かい?」
141名無しさん@おーぷん :2018/11/06(火)22:40:15 ID:???
>>140
フェンス越しの風景に、自分と同じ人間が現れる。
自分の精神が剥離した際に生み出した虚像とでも思えばよかったのだろうか。
しかし、この異様な空間の中では、どんな現象も現実のように思えて。幻覚のようにはとても思えなくて。

「……それでも……それだとしても……私は……」
「……私は……理由が……欲し……い……」

少女は理由を求めた。自分がこの世界に存在する理由を。その価値を。
どんなものでもいい。何かがあれば、自分はこの世界で生きていてもいいのだと、落ち着かせることが出来る。
だがそれすらもないのならば、何かに縋ることすら許されないのならば。

「……嫌い……だ……。世界も……自分……も……」
「……だが……だが…………」

分かっている。そんなに世界が、自分が嫌いならば変えてしまえばいい。
だが分からない。世界の変え方がわからない。自分の変え方がわからない。
今更この空虚な自分を、何かに縋ることが出来なければ生きていけない自分を、変える方法がわからない。

「……私は……何を……すれば……いい……?」
「……お前は……何を……与えて……?」

目前のフェンスに縋りつく。目前の少女に救いを求めるように。
この少女の世界は今にも崩れそうで、それを辛うじて食い止めているのが、もう一人の自分の存在であって。
救世主を目の当たりにするかのような哀れな瞳が、その先へと向けられる。
142名無しさん@おーぷん :2018/11/06(火)23:32:45 ID:???
>>141
フェンス越しに虚像に縋る少女の姿はそれにとってひどく滑稽だった。
何故そこまで固執するのか。確かな存在であるはずなのに。

「ならばこういうのはどうだろう?」

フェンス越しの少女にそれはこう提案した。

「君の記号を私に譲渡してくれるのならば……君に別の記号を与えよう。
今までの君とは違う名前、違う顔、違う身分……。人の姿を捨てるのも君の自由だ。望み通りにしようじゃないか。」

「承諾するなら……。」

それは少女と同じ顔で誘う。その距離は限りなく近い。
143名無しさん@おーぷん :2018/11/07(水)01:43:35 ID:???
>>142
「……私を……お前……に……?」

思ってもいない提案だった。
確かに今ここで、自分という器を変えればこの呪縛から解放されることが出来るだろう。
これで名目共々自己を変えられるだろう。誰かに頼らずとも、自分の力だけで、意思を持って進むことのできる人間になれる。
そう信じた。信じていた。信じてしまった。

「……欲しいなら……いくらでも……やる……」
「……だから……私を……解放して……くれ……」

フェンスを揺さぶる。今にもこの覆いを自らの手で壊してしまうかのように。
それほどまでにこの少女は追い詰められていた。これも彼女の嫌っていた『誰かに縋ること』であることも忘れてしまうほどに。
何度も何度も揺さぶる。力を籠める。針金が撓む。ギシギシと音を上げる。

「……何だって……いい……私を……!」

手を伸ばせば届いてしまいそうなほどの距離。しかしそれは叶わない。目の前の檻によって。
それでも少女は望んだ。この世界の変革を。自らの変貌を。
この歪な願いは、目前の自分に届くのだろうか。
144名無しさん@おーぷん :2018/11/07(水)07:33:43 ID:???
>>143
少女は目の前の奇怪な分身から与えられた提案を悩むことなく飲んだ。
変化を求め自分自身を示すもの全てを譲渡すると決めたのだ。
確かにそれが最も直接的な解決策であった。少女が自分自身であることを辞めれば確かに世界の見え方も変わるだろう。
少女の認識する狭い世界が変わるのだ。

しかしそれは…今までの自分の全否定でもある。たとえそれが成就したとして、その時少女は自身を認めることができるのだろうか?
新たな自分が世界に受け入れられたとして、それは少女の願いが叶ったと言えるのか?

しかしそんなことを考える時間ももう残されていない。
少女は考えるための時間も捨ててしまったのだから。

それは有無を言わせず二人を隔てるフェンスをすり抜け、契約の印として少女に口づけする。
その唇に触れたのならば、その瞬間からそれは「少女」としてその存在を確かなものにする。そして自身を示すもの全てを捨てた少女は…「別の存在」へと変容するだろう。

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